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五龍岳 G0稜 登攀

G0登攀ルートオレンジ色のラインが我々が登攀したルートです。

前日、西遠見山付近までG0稜の偵察に行くと、G0稜を登ってきた二人パーティーに会いG0稜の様子を聞くことができた。下降点、登るラインの確認をして明日の登攀に備えた。

■5月4日 晴れ

G0稜・一般ルート全員午前2時に起床する。竜少年さんをリーダーとする一般ルート隊より先にヘットランプを点けて03:50BCを出発する。

昨日偵察した下降点で明るくなるのを待つ。明るくなりシラタケ沢を下降開始。

装備は8.5mm50mザイル2本、ピッケル、バイル、使わないとは思うがデットマン、スノーバー、草付用アイスハーケンとフル装備となった。


シラタケ沢に降り立ち、そこからG0稜下部右の支稜左斜面を登る。雪もクラストして快適だ。

振り返るとシラタケ沢に下降してくる数パーティーが見え、懸垂をしているパーティーもいて不思議に思った。

支稜の鞍部に着き軽く休憩をとりザイルを着ける。私がリードでNobさん、m3nbさんに続いて登ってもらう事にした。

m3nbさんは雪山のバリエーションルートの経験は少ないようだがカメラを片手に余裕の表情だ。

私達よりさらに左の傾斜の緩い斜面に別ルートをとるパーティーが登ってきた。

Nobさんにビレーをしてもらい支稜の左斜面から登り始める。登るにつれて傾斜も急になりバイルを取り出しダブルアックスとなる。


雪にバイルを刺す感触が懐かしい。ブッシュを確保支点としながらルートファインデングをする。後続の2人はダブルアックスの経験はないのだが快調に登ってくる。

2ピッチ登ると傾斜も緩やかになり、さらに2、3ピッチほど登ると陽が雪面に当たり始め、雪も軟らかくなってきた。上部のハイマツ帯が近づき、ハイマツ帯を登る先行パーティーが見える。

下から声がして右のルンゼから3人パーティーが上がってきた。3人パーティーが先行しハイマツ帯に入って行った。

私としてはハイマツ帯の右の雪壁から登るつもりでいたが、少し弱気になったのか?2パーティーが先行するハイマツ帯を登ることにした。

ハイマツ帯は雪もなく木を掴み腕力で登り、太い木があれば木をビレー支点とする登りとなる。

ルートはブッシュの中を右上さらに右にトラバースとなり雪の斜面に戻るようになってしまった。

雪壁を直上して下り気味の右にトラバースとなった。

シュルンドが開き雪も不安定で緊張するところだが先行パーティーのトレースのおかげで楽にトラバースができた。

しかし、先行パーティーがビレー支点の灌木を使っていたため、別の支点を探すが細い木が1本、この木では二人の同時確保はできない。

ピッケルのブレードで雪を掘ると幸い太い木の枝が出てきた。

Nobさん、m3nbさんもピッケルとバイルのシャフトを雪に突き刺しトラバースをしてきた。さらにルンゼを直上、上部雪の斜面に出ると下に五竜山荘が見えるようになる。

Nobさんがトランシーバーで交信をすると竜少年さんから応答があった。

一般ルート隊は五竜岳を登り終え五竜山荘に居てこちらが見えるそうだ。

m3nbさんは「腹がへった」とブツブツ言っている。

雪の斜面を2ピッチ登るとG0の頭のピークが近づいてきた。

二人が私のところまで登ってくる。先の傾斜が緩やかになってきたため二人に先に登ってもらい、私も二人の確保をしながらピーク直下の急なハイマツ帯を登る先行パーティーの様子を見る。

二人のところまで登り最終ピッチのハイマツ登りとなった。

ピークまであと1mのところまで登り、ピーク上には確保支点がなさそうなためハイマツの中でビレーとなってしまった。

コールを送り二人が私のところまで登ってくる。11:55待望のG0の頭に3人で立つ。

Nobさんが五竜山荘にいる竜少年さんにトランシーバーで連絡をして山荘に向って手を振る。

私はここでゆっくり休憩をとり黒部の谷や山々を眺めたかったが、Nobさんは五竜山荘で待つ皆に早く会いたいようだ。

ピークを早々に後にして、不安定なガラ場を慎重に下り一般縦走路に下り立った。

山荘に向う登山道を下りていく。五竜山荘に着くと仲間が笑顔で出迎えてくれた。

Nobさん、m3nbさん、そして竜少年さん、皆さんも嬉しそうだ。満足感と共に全員でベースキャンプまで下りて行く。

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