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那須連峰・茶臼岳(朝日岳東南稜敗退)

■日時 2008年12月28日~29日
■目的地 那須連峰 茶臼岳(朝日岳東南稜敗退)
■メンバー Nob、微苦笑、Hammer

茶臼岳山頂を目指す

年末登山をどこにするか。
アプローチの楽な八ヶ岳西面が第一候補に挙がったが、諸般の事情で今回は那須・朝日岳東南稜に登ることになった。
しかし、今年一番の寒波の影響で・・・



■12月28日
西船橋を11時に出発。途中渋滞もなく順調にきたが、湯本直前で積雪のためにチェーンを履く。
湯本で車をデポして大丸温泉までは宿の車に迎えにきてもらった。
吹雪の中、温泉とお料理が最高だった。


■12月29日
朝、期待をこめて窓を開けるが、山の方は雪雲に覆われていて雪混じりの強風が吹き荒れていた。冬型が崩れて好天になる予報だったが、天候回復が遅れているのか。

正面の赤茶けたリッジが朝日岳東南稜朝食後、しばらく強風が収まるのをまって出発。
幸い天候は徐々に回復して青空が広がってきた。が、風は相変わらず収まる気配を見せない。
宿の横に続く雪に覆われた階段を登り始める。先行者のトレースはあるものの、深い雪に足をとられてしまい歩みは遅くなる。
やがて車道が現れるが、車道を縫ってつけられた山道を歩き続ける。ツボ足では辛いので持参したワカンを装着する。

朝日岳山頂と剣が峰やがてロープウェイ駅を過ぎ、峠の茶屋駐車場に着く。広々とした駐車場が広がるがこの時期は閉鎖しているため一面の雪原となっている。

閉鎖中のトイレ脇で身支度をすませ、再びラッセルを開始する。途中で吹雪のために前夜峰ノ茶屋避難小屋に閉じ込められた数人のパーティーに出会う。彼らのおかげで深いラッセルからは解放された。

ひと汗かくと溶岩台地状の吹きさらしの斜面に出る。
先行の山スキーパーティーにならってダケカンバの樹の下で休憩しアイゼン、ガチャ類を装着する。ワカンは枝につるしておく。

峰ノ茶屋避難小屋付近正面には峰ノ茶屋のコルが、右手には朝日岳東南稜が雪のない赤茶けたリッジを見せている。
ここまでで相当時間を消費してしまった。思わぬラッセルと強風のせいか微苦笑さんも辛そうだ。

「こんなところに高山植物が?」という看板の地点が東南稜の下降点であることは記録で知っていた。
下降点に着いたのがすでに11時過ぎ。
天気は快晴になったが相変わらず強風は収まる気配がない。ここまでで2時間半以上もかかっている。
難しい判断だったが、メンバーの体調も考慮して東南稜は断念することにした。
とにかく避難小屋まで登り、そこで今後の行程を判断することにした。

茶臼岳山頂に向かう猛烈な強風に逆らうようにしてようやく避難小屋にたどりつく。
風の当たらない場所で休憩をとる。
剣が峰を経由して朝日岳の登頂も考えたが、強風のため危険を感じてこれもあきらめる。
たまたま居合わせた救助隊員の方と話して茶臼岳の往復を目指すことにした。

かつて中央アルプスで登山者が何百メートルも吹き飛ばされた話を聞いているHammerさんの強い要望で念のためにアンザイレンする。
避難小屋に何人かの登山者がいたが誰も山頂に向かう人はいない。
強風に抗しながら一歩一歩頂上をめざす。

セルフタイマーを使って記念撮影やがて外輪山を経て山頂火口の一角にたどり着く。ぐるりと回り込んで祠のある山頂に着いた。

日光や尾瀬、南会津の山々がおだやかに広がっているのに、ここ那須の強風は何なんだ。
眼前には奥那須の大倉山、流石山にかけての白銀の稜線が印象的に広がっていた。
私たち3人の他にはだれもいない山頂で思い思いに記念写真を撮り合った。

流石山から大倉山にかけての稜線下山は往路を下る。
再び峰ノ茶屋避難小屋に戻り、そのまま下山の途につく。あれほど強烈だった風も徐々に収まってきている。

この強風が数時間早く収まってくれていれば、と思うと残念な気持ちで一杯になるが、こればかりは仕方ない。

ダケカンバの樹の枝にデポしておいたワカンを回収してのんびりと大丸温泉めざして下山した。
大丸温泉着14:45。


■タイム
大丸温泉(8:32)---峠の茶屋駐車場(9:45~55)---東南稜取付下降点(11:05)---峰ノ茶屋避難小屋(11:22~32)---茶臼岳(12:20~42)---峰ノ茶屋避難小屋(13:21)---峠の茶屋駐車場(13:57)---大丸温泉(14:45)



■感想
冬の那須は猛烈な強風が代名詞となっているほど有名だ。
過去に何度も遭難事故が発生している。
ラッセルと強風は中高年の大敵。行動体力が大幅に減じられてしまうことが今回の山行でも改めて認識できた。
気温も緩み日の長くなる3月から4月に再び東南稜に挑戦してみよう。
(記 Nob)

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