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奥多摩 川苔谷逆川溯行

■日程 2008年8月9日(土)
■目的地 奥多摩 日原川・川苔谷逆川
■天候 曇りのち時々雨
■メンバー Nob(L)、HINA(SL)、微苦笑、tomo、Hammer、KAZUTAN


川苔谷で入渓準備

川苔山の川苔谷逆川は滝、ゴルジュ、釜の連続する奥多摩の沢の中でも人気の高い沢です。

F1(2段11m)Nobさん曰く、6人もの大人数での沢登りは当会始まって以来の出来事だとうれしそう。

そのうち3人は今日のために沢靴を新調しての沢デビューということもあり、期待と不安が混じります。

今日は夕方から会の集会があるので、下山予定の鳩ノ巣駅には15:30までに降りなくてはならないというタイムリミットがあるため、無理をせずに時間がかかりそうな滝は巻いていくことを基本方針として確認し、楽しい沢登りになることを期待して出発です。

奥多摩駅からのバスはたくさんのハイカーで満員だったが、川乗橋でその半数くらいが降りた。川苔山はやっぱり人気なんですね。

F1を右岸から高巻くバスを降りて林道を歩き始め、谷への下降点も迷うことなく川苔谷本谷へ降りて、沢装備の仕度をする。

そんなに暑くもなく、やはり沢は涼しい。

谷を歩き始めて、すぐに左岸から合流するのが逆川、出合には赤テープが巻いてある。

しばらく小さな滝などを越えながら沢歩きのウォーミングアップ。

小さなコケが張り付いているのか意外にヌルヌルとしていて滑りやすい岩質である。

2条の小滝を左から越えるそして2段11mのF1登場。水流が豊富でシャワークライミングでの直登が面白そうなのだが6人ほどの先行パーティが、たった今ロープを出して取り付いたところ、時間もかなりかかりそう。

残念ながら我々は冒頭の基本方針に基づいて、やむなく巻くことに。

残置のトラロープがある右岸から巻くが安全第一でロープを出して滝上に出て、そこから懸垂で谷へ降り立った。6人なので結構時間がかかる。

積極的に水に戯れるコース図を確認したら左岸の巻き道ほうが簡単だったらしい。しかし、これもなかなか緊張し、沢初心者には良い経験である。

その後はナメや小滝、小さなゴルジュなどが続いて、シャワークライムやヘツリで突破、一度シャワークライムで頭から水をかぶってしまうと、もう結構皆大胆になっていくのが面白く、沢登りの楽しさでもある。

その後、連続して釜をもった3つの滝が現れた。釜は深くて直登するには泳ぐ必要があり、最初の2つはそれぞれ巻いた。

深い釜をもつ滝の直登
そして3つめの滝、Nobさんが果敢に胸まで浸かってチャレンジ、見事に直登で突破。

tomoさんも続くがドボン2回で突破。あとの4人は胸まで浸かるのとドボンを恐れて右岸を巻く。

途中にハーケンが打ってあるが1歩がいやらしくてここでもロープを出す。

その後も小滝やナメ、ゴルジュなどが続いて飽きることがないが、遠くで雷が鳴り始め、ポツポツと雨も降り出す。

が、沢中は木々に覆われているのでほとんど雨に濡れることもない。

水量豊富な小滝をステミングで突破する途中、釜をもった滝を巻いたがtomoさんはひとり果敢にチャレンジして濡れながらもステミングで中央突破、お見事!

この先いくつか枝沢が合流するが、基本的に左側の本流を進んでいけば間違いない。

F4、7mのトイ状の滝も高さはあるが両手両足を突っ張ったステミングで登って面白い。


F5では、先行していた単独のおじさんがいて、とても難しそうにこの滝を越えていたので、さぞかし厳しいのかと思って取り付いたが、意外と簡単に釜の右側をへつって滝の水際を直登できた。

なぜかこのおじさんは滝の上で我々を待っていて、お先にどうぞと言っても、まるで我々パーティの一員のような顔をしてトップの後ろにピタッとくっついて来るので、ちょっと困った。

F6大滝(10m)をTRで登るtomoちゃんそしてハイライトのF6、10mの大滝、これまでの滝とは違った正統派の立派な滝である。

しかしこの時点で時間は13:00、全員が直登しているとタイムリミットに合わないかもしれないので、Nob、HINAの2名で右岸を巻き、あとのメンバーは上から確保してトップロープで登ってもらう。

滝自体は難しくはないのだが、途中にあるはずのハーケンは見当たらないようなので、リードは少々緊張するであろう。

ちなみに単独おじさんは我々が見守る中、フリーソロで登っていった。

この滝の上でウスバ林道に合流、ということでこの先も沢は続くのだが、我々はここで終了、沢装備をはずして休憩する。皆さん満足げでした。単独おじさんはいつの間にかいなくなっていました。

ウスバ林道にてここから大ダワまでは所々トラロープが張ってある山腹の山道をトラバース気味に登っていくが、沢を登ってきた身には全然歩きやすい。大ダワからは下りとなり、とても歩きやすい山道だった。そして予定どおりの15:25、鳩ノ巣駅に降り立つことができた。

逆川はアプローチも短めで水量も多く、沢登りの面白い要素がコンパクトにギュッと詰まっていて、沢デビューの皆さんにも十分に楽しめた沢だったんではないでしょうか。

時間と心の余裕があれば、ぜひすべての滝を直登しに、また訪れたいと思います。皆さん、お疲れさまでした!

(記 HINA)

■コースタイム
奥多摩駅 バス8:35 --- 川乗橋バス停8:50 --- 林道歩き沢への下降点9:15 --- 川苔谷 9:20着 9:36発 --- F6大滝下 13:00 --- ウスバ林道 13:30着 13:46発 大ダワ 14:06 --- 大根ノ山の神 14:45着 14:55発 --- 鳩ノ巣駅 15:25着



■ひとこと感想

大ダワにて・Nob
当会始まって以来の6名もの沢登りで、沢登りデビューのメンバーも3名含まれる。人数が多くなると必然的に時間がかかるもの。

リーダーとしては時間管理と安全管理の両面に神経をつかう山行になった。しかし、そんな心配は杞憂におわる。

クライミングの技術を積んでいるメンバー達なので、沢デビューといっても滝登りやへつり、懸垂下降などに不安はなかった。

これからも沢登りを定期的に会の山行に取り組んでいかれれば良いと思う。

・微苦笑
岳樺での沢登りデビューが無事終わりほっとしています。秩父の「金山沢」と二回目ですが、山歩き+クライミングに水遊びが加わり山の楽しさが増えました。また機会があれば誘ってください。

・tomo
沢登りデビューなので少し緊張しました。渓流シューズのフリクションがどの程度効くものかと思って臨みましたが、かなり安定していました。

沢登りは、涼しく、快適だったので、これからも参加していきたいと思っています。いくつか課題があったので列記します。


  • 眼鏡が汗と水飛沫とで濡れ、細かいスタンスが見えなくなる
  • 水に長い間浸かっていると体力を消耗する
  • 滝の水圧は思った以上に強い

これから、教訓にしていきたいと思います。

・Hammer
先日の暑かった越沢バットレスの帰り、tomoさんと涼しそうな渓流の沢登りの話になりました。初体験だったのですがとても楽しかったです。

紅葉の頃の沢登りに、想いを巡らしています。でも秋は、岩登りもいいし悩ましいところ(?)です。

・KAZUTAN
遡行していても精神的に余裕がありませんでしたが、ないなりに楽しむ事ができました。皆さんありがとうございました。

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