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表富士からの富士登山

表富士からの富士登山
~五月晴れのフジヤマを満喫~

【日時】2008年5月4日(日曜日)
【目的地】富士山新五合目(富士宮口)から剣ヶ峰
【メンバー】HINA、Nob

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■5月4日(日)晴れ
きっかけは1週間前の4月27日、「表富士自転車登山競争大会」という富士山スカイライン5合目までの16.5km、標高差1,200mを自転車で駆け上がるヒルクライムレースに参加したのですが、疲れ果ててたどり着いた新5合目から見上げた白く輝く富士山がとてもまぶしく美しかったこと、帰ってからも忘れられなくて、これはぜひ登りたいと思ったのでした。(レースは年代別40歳~45歳の部で約150人中99位と平凡な記録でしたが。。)

たまたまNobさんから連休後半にどこか日帰りで行きませんかとお誘いを受けていたので、恐る恐るこの山行を提案したところ、Nobさんも快く一緒に登っていただけることとなり、実現することができました。

前夜発、午後10時に西船橋駅に集合し車で出発。GWとはいえ、さすがにこの時間は高速も空いていて12時前に足柄PAに到着。深夜にもかかわらずパーキングは満杯状態、さすがGWだと実感する。

そして御殿場ICから富士山スカイラインを経由、鹿がのんびりと車道を歩いていたり、それでも新5合目には午前1時前に到着。

途中まで降っていた雨もあがり、ここは満天の星空、本当にこんなにきれいな星が降るような夜空を見るのはいつ以来だろうと思いながら、寒空のもと天体観測をする人たちで賑わっていた。

翌朝は遅めの5時半起床。朝食をとり身支度を整えて、6時35分行動開始。標高2,380mの5合目から標高差約1,400m、頂上までは目標5時間である。

そこへいきなり見知らぬ初心者の人から「頂上まで登りたいんですけど」と話しかけられ、今度夏にでも登りたいのかなと思って話を聞いていると、どうやら今から登りたいらしい。

無謀なので止めてくださいと説得する。(詳しくは小屋番Nobの雑記帳を参照して下さい。)

話には聞いていたけどこんな人がいるんですねぇと言いながら登り始める。

ルートは5合目からしっかりと雪が残っていて、先を登る人たちもたくさん見えるが、ほとんどがスキーヤーとボーダーである。

雪質はザラメで足首までもぐるくらいであるがトレースがあるので歩き易く、夏山の雪渓を登っているような感覚である。

このときはまだ富士山の上部は雲で覆われていて、すっきりと晴れて下さいよと祈りながら歩き、新六合目小屋までは傾斜も緩く20分ほどで着く。

ここからが急登の始まり、ジグザグな夏道を横目で見ながら直登する。地図上の六合五勺、標高2,800mの新七合目小屋まではさらに1時間ほど。

このあたりから上部の雲も取れはじめ、振り返れば雲海の先に駿河湾が見え隠れする。その後もひたすら登る。

標高3,200mの八合目小屋で休憩し、次第に風も結構強くなってきたので、雪質は相変わらずザラメ状であるが安全のためにアイゼンを着ける。

この辺りからはようやく頂上付近が見え、すっきりと空も晴れあがり、さすが3,000mを越えると空気も澄んでいて抜けるような青空、中国北京の人たちに見せてあげたいっていう吸い込まれるような真っ青な空である。

そして空気が薄くなって苦しいなと思いながらもなかなか近づかない頂上への最後の急登を頑張り、4時間20分ほどで富士宮口ルートのゴール、標高3,715mの浅間神社奥宮の鳥居へとたどり着いた。

せっかく来たのだからということで空身で最高峰の剣ヶ峰を往復する。さすがに山頂付近の斜面はクラストしていてアイゼンが気持ちよく効く。

しかし風も強くて、時々耐風姿勢をとりながら最後の急登「馬の背」を登りつめ日本最高峰3,776mの剣ヶ峰へ到着、Nobさんとがっちり喜びの握手を交わす。

「日本最高峰富士山剣ヶ峰」の石柱がうれしい。登り始めたときにはたくさんいたスキーヤーや登山者もだんだんと少なくなり、頂上では我々2人だけという贅沢なひと時を過ごす。風は強いが思ったほど寒くもない。

やっぱり富士は日本一の山、最高の気分、夏の富士には登ったことがないが、限られた人しか登ることのできない季節の富士山は見ても登っても本当に素晴らしい山である。

北側のアルプス方面の眺望も期待していたのだが雲海が立ち込めていた。東側の関東方面も雲に覆われていて、この富士山付近が天気の分かれ目のようである。

本当に良い天気の日に登ることができた。

荷物を置いた場所まで戻って休憩をして下山開始、一気に駆け下りる。Nobさん先頭に下るが、本当に早くてついていくのが大変である。八合目小屋で休憩してアイゼンをはずす。

ここでロープでアンザイレンした5人くらいのパーティが登ってきたのだが、なんと小学校低学年くらいのお子さんも登っていてちょっとびっくりした。

午後を回ると麓の斜面から雲が湧き上がってきて七合目くらいからはガスの中、しっかり下降路を見定めないと迷いかねないが、そこは百戦錬磨のNobさん。

雪も腐ってきて時々腿のあたりまでもぐってしまい歩きにくくなり、時々スキーでザザァーッと軽快に滑り降りてくるスキーヤーをうらやましく横目に見ながら、しかしNobさんのスピードは衰えることなく、尻セードも交えながらどんどん下る下る。

幸い雪がクッションとなるので夏山の砂礫道を下るのとは違ってちょっとは楽なのだが。

そして下降開始からなんと1時間30分ほどで新五合目へとたどり着いた。もうくたくた、休憩含めて往復6時間半、お疲れさまでした。

【コースタイム】
新五合目発6:35 ~ 6:55新六合目 ~ 7:42 六合五勺(新七合目) 7:50 ~ 9:05 八合目 9:17 ~ 10:56富士宮口山頂 ~ 11:15 剣ヶ峰 11:26 ~ 11:41富士宮口山頂 ~ 八合目 12:18 ~ 新五合目着 13:02

(記 HINA)



【感想】
私の思いつき山行にご一緒していただき、Nobさん本当にありがとうございました。

ひたすら登るだけの富士山、登っている最中は修験者になった気分ですが、やはり山頂にたどりついた時の気分は格別、ヤッターと思える山です。

私もNobさんも20年以上ぶりの富士山で、私が過去に登ったのはいずれも吉田口からだったのですが、今回は天気にも恵まれて会心の登山ができましたね。

この時期の富士山、北側の吉田口のルートはまだクラストしたアイスバーンがあるのではないかと思ったので南側を選びましたが、天気が良くて、新雪が降った直後でなければ雪も安定していて登りやすかったと思いました。

しかし状況によってはまだピッケルをはじき返すような固い青氷や突風には十分な注意が必要だと思います。

(HINA)

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