奥日光・スノーハイキング
山王帽子山周辺と刈込湖畔を訪ねる
【日時】2008年1月26日~27日
【目的地】奥日光・山王帽子山周辺、刈込湖周辺
【メンバー】Nob、ヨーコ、HINA
暖冬から一転して厳しい冷え込みが続いているが、しばらくご無沙汰だったスノーシューを持ち出して、会の山仲間と奥日光を訪れた。
メンバーはヨーコさんとHINAさん、それにNobの3名。HINAさんはスノーシュー初体験である。
■1月26日(土) 小雪時々晴れ間
湯元行のバスは始発のJR日光駅で座席が半分程度埋まっていた。ギューギュー詰めの状態で光徳温泉に向けて出発する。
10時半過ぎに光徳温泉アストリアホテル前に着いた。積雪は50~60cm位か。新雪がのっているのでまぶしい。
駐車場にあるトイレは広くて清潔で、おまけに暖房完備。着替えをするのに絶好の場所を提供してくれた。
準備をおえて11時ちょうどに出発する。
今日の目的地は山王帽子山である。しかし、スタート時間が遅いので山頂を踏むのは無理かも知れない。14時をターニングタイムとして行けるところまで行くことにした。
林道のゲートを過ぎ、しばらくはなだらかな登りが続く。およそ50分位進むと林道が大きく右にカーブしている地点に着く。カーブミラーの裏手に続くトレールを拾い林道から離れる。
ヘアピンカーブを4つ過ぎて林間の雪の斜面を登りきると再び林道上に出た。標高1710m付近だ。
山王峠方面には進まないでここから山王帽子山頂上を目指して南西斜面を斜上することにした。このルートは当会サイトにもリンクさせていただいている「山歩き遊悠湯」の紹介ルートを参考にさせていただいた。
林道脇にある雨量観測所から樹林帯に入っていく。最初のうちは傾斜もあまりなかったが、進むにつれて斜度が増していき、新雪のラッセルを強いられる。
三歩登って二歩下がるような急斜面も現れてくるが、三人で力を合わせてラッセルを交代しながら頑張る。
1900mラインを越えると明らかに傾斜が落ち、頂上方面の見通しも出てくるが、時刻はすでに13時30分を回ろうとしていた。ターニングタイムの14時までには山頂に着く見込みが薄いので1915m地点を最高到達点として引き返すことにした。(13:45)
下りは往路を忠実に戻る。HINAさんは初体験とは思えないような安定した足取りで急斜面の下りを軽快にこなしている。
後半は林道から離れて光徳牧場に向かう登山道にトレースがあったのでそれをたどることにした。
下りきるとクロカンコースを横切るようにして光徳牧場に下りついた。牧場名物のしぼりたてのホットミルクで冷え切った体を温めることができた。(15:00)
15:45発の湯元行バスに乗り、今宵の宿である湯元民宿「若葉荘」をめざす。宿に着くころには本降りの雪になっていた。
【タイム】
東武日光駅(9:26)===光徳温泉(10:38~11:04)---林道を外れる(12:00)---林道に合流(12:35)---雨量観測所(12:38)---1915m地点(13:40~45)---雨量観測所(14:09)---光徳牧場(14:57)---光徳温泉(15:07)
■1月27日(日) 晴れ時々小雪
源泉にもっとも近い素晴らしい温泉とボリューム満点の美味しい料理を堪能して民宿を後にする。(8:38)
今日の目的地は刈込湖畔だ。最初は切込湖、涸沼、山王峠を経て光徳温泉に抜ける予定だったが、ラッセルもきつそうだし、無理しないでのんびりスノーハイキングを楽しむことにする。
金精道路まではツボ足で登る。雪は飛ばされていて快適に登りきることができた。金精道路でスノーシューをつける。
小峠までは、過去10回近くは夏道を忠実にたどっていたのだが、山腹をトラバースする夏道はスノーシューにはきつくまた部分的に雪崩の危険もあるので、今回は蓼ノ湖を通過するルートをとることにした。
トレースもあり、最近はこちらのルートが主流のようだ。
金精道路からすぐに下りとなり、鍋の底のようなすり鉢状のコースを進む。すぐに蓼ノ湖に着く。全面結氷はしておらず西岸に湖面が見えている。湖というよりも水たまりといった小さな池だ。
凍った池の中央をスノーシューで縦断するが快適だった。
蓼ノ湖を過ぎるとやがて小峠にむけて緩やかな登りとなる。ひと登りで小峠に着く。(9:45)
刈込湖へはほぼ夏道沿いに進む。やがて、湖畔へ下りる分岐に着くがここからが一苦労だった。随所に階段が設置されていて、この通過が大変。階段に雪が詰まりちょうどスキーのジャンプ台のような急な滑り台になっているからだ。油断をするとすってんころりんとなるので要注意だ。
下りきったところで、眼前に目一杯大きく広がる刈込湖の結氷した湖面に出会い、思わず歓声をあげてしまった。(10:40)
私たち3人のほかには誰もいない静かな静かな凍った湖面でのんびりと時を過ごした。言葉なんかいらない至福のひとときを過ごす。
帰路は小峠までは往路を戻り、小峠からは旧林道を湯ノ湖に向かうことにする。
戻りついた小峠にはスノーシューツアーの団体が2グループほど休んでいた。意外にも若い人たちの姿が多く、ちょっと嬉しかった。(11:25)
旧林道は等高線に沿ってほとんど登り下りもなくゆるやかに進む。トレースはなくくるぶしが潜る程度のラッセルが続く。
途中、光徳方面を示す古い道標に出会う。すでに廃道化していると思うが、比較的新しいスノーシューのトレースが刻まれていた。
地図で調べたら三岳と前三岳とを隔てるコルを通過して光徳の学習院大寮に通じていそうだ。これは魅力的なルートなので、次回はぜひトレースしてみたい。
金精道路入口には12:54に着いた。兎島の遊歩道を歩き湯ノ湖畔バス停に13:08着。着替えをする間もなく13:11発のバスに飛び乗り、東武日光駅への帰路についた。
【タイム】
湯元(8:37)---金精道路(8:58)---蓼ノ湖(9:07)---小峠(9:45~50)---刈込湖(10:40~50)---小峠(11:25)---湯ノ湖畔バス停(13:08)
■感想
奥日光は泣き笑いの顔のようだ。
晴れたと思えば雪が降り、雪降りかなと思えば晴れ間が覗く。
日本海側の気候と太平洋側の気候が微妙に入り混じっている山域だということがよくわかる。
さて、初日は山王帽子山の山頂を踏めなかったし、翌日も刈込湖から光徳へ抜けられなかった。
今までなら悔しくて仕方のないところであるが、体にあちこち故障をもつ身になると「ま、いいか」と満足してしまう。良いのか悪いのか?
無理をしないで雪山の楽しいエキスだけを取り込んだようなスノーハイキングだったが、余力たっぷりのHINAさんが満足してくれたかどうか?それだけが心配だ。
(記 Nob)