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北アルプス 西穂高岳~北穂高岳縦走

【日時】2007年8月10日(夜)~8月14日
【目的地】北アルプス 西穂高岳~北穂高岳縦走(パノラマ新道下山)
【メンバー】富士丸、他1



■8月10日(金)
いつものように新宿発(23:00)のさわやか信州号(今回はグリーンカーなるデラックス車輌)にて上高地へ向けて出発する。


■8月11日(土)
上高地バス停手前にある帝国ホテル前にて下車して田代橋付近の河畔で梓川を眺めながらゆったりと朝食を摂り出発準備をする。
樹林の一寸蒸し暑い山道を睡眠不足の重たい身体でひたすらに登る。
やがて樹林の間に西穂山荘が現れ今日一日の行動を終える。
脚力の強い相方(バーボンさん)の担ぎ上げてきた重たい缶詰類を酒の肴に周辺の山の景色を楽しむ。

タイム:
帝国ホテル前(6:10 夜行バス着~6:10 歩き始め)・・・田代橋近くの河畔(6:15~7:05)・・・西穂山荘(9:50 泊)


■8月12日(日)
西穂山荘の外に出ると久々に見る満天の星である。
既にヘッドランプの光で西穂高岳を目指す登山者が数名いる。
我々も先ずは独標そして西穂高岳を一つの目標として歩を進める。

西穂高岳山頂からは奥穂高岳へと続く岩稜が迫り来る。
ハイマツの岩尾根から岳沢側へ長い鎖場ををくだり、間ノ岳に向けて連続する大・小七つのピークを慎重に攀じり・降る。
最後の間ノ岳のコルより赤茶けた浮石の多いガレ場を急登し間ノ岳に立つ。

間天のコルよりは天狗の頭へ向けての「逆層のスラブ状」の象徴的な岩場であり、事前の資料・写真確認では「こんな厳しいとこ登れるのか?」と言った感じではあったが、それ程の傾斜でもなく・フリクションも良く効き・鎖場もガッチリとしておりあっけない通過となる。

天狗のコルより岳沢へのエスケープルートを上部より偵察したが、事前情報通り雪渓も無く、記録によると「急傾斜でこんな処を降れるのか?」(無雪期でも)と言った記述もあるが、ザレ場はザレ場だがそれ程の傾斜でもなく岩雪崩・・・等に注意しながら行けば特に怖がる様な箇所ではないのでは思われる。

畳岩尾根ノ頭へはそこそこ岩質も良く高度感を楽しみながら登る。
コブ尾根ノ頭へは浮石も多く加えて標識マークが薄く的確なルートファインディングを要した。
コブ尾根ノ頭よりジャンダルムの基部に立ち岳沢側を慎重にトラバースを行う。これからのロバの耳へは先ずは大きく飛騨側を降り・トラバースと浮石も多くかなり緊張をさせられる。

ロバの耳にて大休止を取り、通過したジャンダルム方面、これからの奥穂高岳方面の景色を堪能する。
そして最後の難所と言われている「馬の背」は高度感はあるものの、ホールド・スタンス共にしっかりとしており、慎重に攀じれば特に問題は無いと思われる。

朝方は風一寸強かったが途中より風も弱まり快晴の中、概ね快適な岩稜縦走を楽しむことができた。
奥穂高岳にて記念撮影をして穂高岳山荘へ降る。穂高岳山荘には13時前に到着することが出来たので北穂高小屋まで行こうかとも考えたが古傷の膝の調子がイマイチなので大事をとってここで泊まることにする。

タイム:
西穂山荘(3:50)・・・独標(4:50~55)・・・西穂高岳(6:00~20)・・・間ノ岳・・・天狗ノ頭・・・ジャンダルム・・・奥穂高岳(12:05~10)・・・穂高岳山荘(12:50 泊)


■8月13日(月)
満員の山小屋だったので入れ替え制で我々の食事の時間は遅くなり、何やかにやで一寸遅い(06:30)出発となる。
涸沢岳に先ず登り直ぐに鎖場をオダマキのコルへ降る。
滝谷を登攀するクライマーを見物しながらも滝谷上部の岩稜帯を北穂高岳へと慎重に歩を進める。
擦れ違う登山者も結構多く待ち時間ロスが出る。

北穂高岳頂上からは槍ヶ岳が指呼の間であり遠くの山々もはっきりと見える。
ここでバーボンさんに緊急な事情が発生したために当初の計画の槍ヶ岳行きは取り止めて北穂高岳南稜を降ることにする。
涸沢ヒュッテよりバーボンさんは上高地に降り、自分はここに泊まることにする。(バーボンさんは無事に下山)
残された自分はヒュッテのデッキで酒類を嗜みながら夕暮れ・そして満天の星の涸沢カールを楽しんだ。

タイム:
穂高岳山荘(6:30)・・・北穂高岳(9:25~55)・・・涸沢ヒュッテ(11:15 泊)


■8月14日(火)
涸沢ヒュッテの方の情報では「パノラマ新道」の歩行は注意をすれば特に問題は無いとのことなので降りのコースとする。
屏風のコルまではロープがかなりベタベタと張ってはいるが手で触らずとも全くの問題は無い。
屏風の耳まで登り「槍ヶ岳 ~ 穂高連峰」の大パノラマを満喫する。

屏風のコルよりは徳沢へ向けてお花畑などを楽しみながらひたすら降る。
徳沢よりの道は何時ものように登山者・ハイカー・旅行者で多く賑わっている。

上高地バス停近くの「アルプス山荘」にて風呂(600円)に入り今回の山旅の汗を流すことができた。
新宿行きのバス(16時発)に乗り込むが中央道での渋滞に巻き込まれ新宿には大幅遅れの22:10着となってしまった。(記 富士丸)

タイム:
涸沢ヒュッテ(5:15)・・・屏風のコル(6:00)・・・屏風の耳(6:30~7:00)・・・屏風のコル(7:20)・・・徳沢(9:40~10:10)・・・上高地(11:40)


■感想
  1. 昨年の2月に30数年振りに登山を再開した時に25才の若い時に小倉の仲間と行った厳冬期の槍ヶ岳集中(西鎌尾根・北鎌尾根・穂高稜線)の「穂高稜線」(西穂高岳~槍ヶ岳)を60歳になる直前のこの時期に夏期・小屋泊ですがもう一度思い出探しで歩きたいと考えました。
  2. その為のトレーニングはこれと言ったものはありませんが年明けから次の様なことを心掛けました。
    • 出来るだけ毎週のように低山であれ脚力維持・強化を目的に『歩き』を中心にした登山をする。 特に奥多摩の「花折戸尾根~本仁田山~川苔山~赤杭尾根」と言った歩き甲斐のあるコースを選ぶ。
    • 穂高連峰の岩稜縦走を想定してインドアクライミングにてアップ・ダウン・トラバースのトレーニングを繰り返し行う。(室内壁には40回程通う)
      出来ればクライミングシューズでは無く、登山靴そのもので遣りたがったのだが・・・。
  3. 今回はパートナーの緊急な事情もあり槍ヶ岳行きは諦めて北穂高南稜を降りましたが、今回歩けなかった北穂高岳~槍ヶ岳間は今秋か来夏にでも行ってみようと思っています。
  4. 猛吹雪の中でツエルトを張った滝谷C沢上部のビバーク地を見つけることが出来て34年前の厳しくも楽しかった当時の冬山の思い出がはっきりと蘇えりました。
    今回は北穂高岳までとは言え歩けたことを感謝しています。

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