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丹沢 水無川流域・モミソ沢

【日時】2007年7月21日
【目的地】丹沢 水無川流域・モミソ沢
【メンバー】Nob、HINA

私にとっては6年ぶり、同行のHINAさんにとっては実に20数年ぶりの沢登り。
二人とも超久しぶりなので、目的地は初級者向きとしてよく登られているモミソ沢を選んでみた。



■7月21日(土) 曇り

モミソ沢出合にある懸垂岩朝のうちは雨模様だったので、行くかどうか迷ったがHINAさんと相談のうえ決行としたが、結果的には正解だった。
渋沢駅北口から大倉行きのバスに乗り、表丹沢の登山基地である大倉には8:35に着く。
水無川を立派な吊り橋で渡り、山岳スポーツセンターの人工壁を右手に見ながら、水無川沿いに戸沢林道を進む。
水無川流域の沢登りは10数年ぶりなので林道沿いの風景もまったく記憶にない。

歩くこと約1時間で新茅ノ沢出合の橋に着く。モミソ沢は水無川を挟んで対岸(右岸)に流下しているので、橋の手前から新茅ノ沢左岸沿いに下るが、雨で地盤が緩んでいるためか結構いやらしい。
増水している水無川を渡渉してモミソ沢出合に降り立つ。

ゴルジュ帯を進む出合には「懸垂岩」と呼ばれるロッククライミングのゲレンデがある。かつて若い頃は何度か練習に来た場所だ。
この岩で体を慣らしてからモミソ沢に入渓するのが普通だったが、今もその流れは変わらないらしい。
先行パーティーがさっそく岩場に取り付いていた。
私たちも取り付き始めたら、ガイドのH氏一行(講習会)も到着して大賑わいの状況になった。
懸垂岩は正面右手が傾斜もあり面白い。が、先行パーティーによって登られていたので、私たちは正面左手の比較的緩い斜面で練習した。
それでも渓流シューズで登る岩はなかなか手強い。

水をたっぷり吸った苔の感触がうれしい岩場の終了点には一本の大きな木がある。
若い頃からずっと登山者のクライミングシーンを見守ってくれている。
まさか、その木の下に蜂の巣があるとは・・。
懸垂で下降するために準備していたらアシナガバチに左腕を一刺しやられてしまった。「痛っ!」
急いで降りて、毒を出した後、知り合いのH氏パーティーにステロイド軟膏を分けてもらい塗布したが、なんだかモチベーションが急速に萎えてしまう。

丹沢初見参のHINAさんもいることだし、気を取り直してモミソ沢に入渓する。(11:05)
曇り空のために沢の中は薄暗い。
ゴルジュ帯の中をHINAさんトップでどんどん進む。
小滝が連続してとても楽しい区間だ。
学生時代以来というHINAさんも文字どおり「水を得た魚」のようにへつりや直登を難なくこなしていく。後から見ていてとてもバランスがよくほれぼれした。

涸れ滝のへつりやがて左から水量豊富な枝沢を合流すると、本流上部の水量は一気に減りやや興味が薄れていく。
3段連瀑の最上段の滝は大事をとって右(左岸側)から高巻き、しばらく進むと正面に12m大棚(大滝)が現れた。
この滝は事故が多いので有名だ。
下部の傾斜が緩いので、それに誘われて初心者が安易に取り付いて最上部の被り気味の場所で進退窮まるというパターンだそうだ。

岩はべっとりと濡れていてコンディションは良くなかったが、ロープもあるので直登に挑戦した。
20数年前に取り付いた時は錆びたハーケンだったが、今はなんとペツルのハンガーボルトが残置されていた。安全面では比べものにならないくらい向上している。
HINAさんトップで取り付く。
大棚12mの登攀順調に高度を上げていくが、最上部が濡れていて嫌らしかったので、左に逃げてもらった。
私がフォローで越えてみたが被り気味に加えてヌルヌルに濡れていたのでトップは逃げて正解だった。

さて、大棚を越えたら興味ある滝は無いので水の無くなったゴーロ状の沢筋をしばらく辿った後に右岸側の堀山から分岐する小尾根に取り付く。
大したヤブもなく、容易に小尾根に出た。ここからは急な尾根筋を鹿防護柵沿いに直上した。
およそ20分ほどのきついアルバイトだったが、無事に大倉尾根に立つことができた。(12:42)
大倉尾根からは大倉に向けて約1時間の道のりをのんびりと休みながら下った。
大倉着13:57。ビールで乾杯して会の例会会場である小岩に向かった。

■コースタイム
大倉(8:40)---モミソ沢出合(9:50)---懸垂岩岩トレ---入渓(11:05)---大棚下(11:30)---大棚上(11:50~12:00)---枝尾根(12:10~22)---大倉尾根(12:42)---駒止茶屋(12:51~13:00)---大倉(13:57)



■感想

久しぶりの沢登り。
やはり夏は水に戯れながら水をいっぱいに吸った苔の感触に触れながらの沢登りが楽しい。
炎天の真夏がやってきたらまた訪れたい。

さて、今回は初めて8.2mmのロープを使ってみたが、日頃使っている9mmロープと勝手が違って慌てた場面もあったので報告しておく。
ロープ径が小さいため制動がかかりづらく、特に懸垂下降やトップロープ時のロアーダウンではスピードが出過ぎて少々怖かった。
対策としては、制動を増す工夫が求められる。
私がよく使うルベルソではカラビナを1個余計にかませてロープへの周面摩擦を大きくしたり、懸垂下降時にはレッグループにカラビナをつけてロープをターンさせるなどの工夫が考えられのではないだろうか。
また、小口径ロープ用の確保器具の使用なども選択肢の一つかも知れない。
いずれにしても、安全第一で沢登り、クライミングを楽しみたいものだ。
(記 Nob)

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