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北アルプス 杓子岳・双子尾根から白馬岳へ

【日時】2007年5月3日~5日
【目的地】北アルプス 杓子岳・双子尾根
【メンバー】竜少年(65歳)、富士丸(59歳)、Nob(55歳)


昨年(2006年)は白馬岳主稜、そして今年はお隣の杓子岳・双子尾根を訪れることにした。
コースは、猿倉台地にテントサイトを設営し、ここから小日向ノコル経由で双子尾根を登高。白馬山荘で1泊して大雪渓を下降、白馬尻から直接テントサイトに戻るという計画だ。
山小屋泊まりを計画に織り込むことで、中高年の体力への負担を軽くした。



■5月3日 晴れ

6:38 千葉始発の特急あずさ3号で白馬へ。
駅のコインロッカーに不要なものを預けてからタクシーに乗りこむ。運転手さんの話では、今年は山麓の雪はすぐに消えたが、2000m以上の高山は4月の降雪の影響で遅くまで残っているとのこと。
12時過ぎには出発地である猿倉に到着した。


荷物のパッキングを済ませた後、テントサイトとなる猿倉台地をめざす。
猿倉台地へはしばらく林道を進むが、やがて左に分岐してゆるやかな尾根上を登っていく。樹林越しに眺める白馬岳の姿が美しい。

およそ45分程で猿倉台地の一角に着く。あまり奥まで進むと帰路の登り返しが生じるので白馬尻に近い地点にテントサイトを設営した。標高1465m地点だ。

白馬駅(11:50)===猿倉(12:10~12:30)・・・猿倉台地(13:15) 泊


■5月4日 晴れ

4:12 未明にテントサイトを出発する。
猿倉台地をゆるやかに登りつめ小日向ノコルをめざす。コルに着く手前で日の出を迎える。ふり返ると白馬岳が朝日に輝いて美しい。

登り着いた小日向ノコルは、小日向山との緩やかな鞍部になっていて広々とした絶好のテントサイトを提供してくれている。ここには数張りのテントが設営されていた。

コルから双子尾根が始まる。なだらかな雪の斜面が続く。やがて斜度が増してくるとリッジも細くなってくる。ひと登りでコブを越えたところに広がっているのが樺平だ。
文字どおり大きな岳樺が1本。幾星霜の風雪に耐えてたくましく根を張る姿に一同感動した。わが岳樺クラブもかくありたいものである。


樺平は右に長走沢、左に杓子沢を分ける広大なコルだ。小日向ノコルに勝るとも劣らない絶好のテントサイトを提供してくれる。
八方尾根から唐松岳、不帰、白馬鑓、杓子岳、白馬岳、小蓮華岳と連なる雪屏風の大景観。
ここで3,4日何もしないでノンビリできればどんなに幸せだろうか。


さて、樺平からは一転して斜度が増してくる。最初のうちは広大な雪の斜面が続くが、じきに雪稜となる。
切れ立ったリッジではないものの、うねうねと雪稜がジャンクションピークに続いている。
途中小岩峰が現れる。事前の情報どおり古いフィックスロープが設置してあったが、それは使わずに左側から岩裾を巻きながら登る。脆い岩のため若干緊張した。


岩峰を通過すると右手から杓子尾根が迫ってきて、ひと登りでジャンクションピークに立つ。ここには立派な雪の防風ブロックが残されていた。
JPまで来ると杓子岳山頂は指呼の間である。頂上の巨大な雪庇が手にとるように見える。先行パーティーも豆粒のように続いている。


JPからしばらくは緩やかな雪稜が続くが、やがて傾斜が増してきてナイフリッジや雪壁も現れる。
雪のコンディションが良く、ロープも出さずに順調に登ることができたが、もし雪が少なかったら緊張を強いられるかも知れない。

頂上雪庇の右側にある5,6mの雪壁を越えたところが杓子岳頂稜の一角だった。
いきなりの強風にたじろぎながら20m程南にある山頂標識に向かう。登頂の喜びをかみしめながら3人で握手握手。

山頂の喜びもつかの間で白馬岳をめざすが、国境稜線は猛烈な偏西風が吹きぬけていて、体を支えているのがやっとの状態だった。
間断なく吹きぬける強風で体力もずいぶん消耗してしまった。
丸山まで来てようやく一休みできた。

村営宿舎を足下に見ながら白馬山荘をめざす。山荘で竜少年さんと別れ、富士丸さんとNobの二人で白馬岳山頂をめざした。
11:55 白馬岳着。40年ぶりの再訪という富士丸さんは感激の面持ちだった。
強風のため、すぐに下山し竜少年さんの待つ山荘に引き返す。(12:04)

時間はまだ早かったが、予定どおり山荘で1泊することにした。中高年には余裕ある行程が大切なのだ。

山荘の夜、富士丸さんの九州時代の山の仲間と思わぬ再会を果たし、楽しい語らいができた。
聞けば村営宿舎前にテントを張っているとのこと。九州から13時間以上もかけて車を走らせ、わずかな仮眠の後にフル装備で白馬岳主稜を登り、明日は不帰キレットを越えて唐松岳まで縦走するとのこと。皆さんすごい!

猿倉台地(4:12)・・・小日向ノコル(5:15)・・・樺平(6:58~7:02)・・・JP(8:41~9:02)・・・杓子岳(9:45)・・・白馬山荘(11:40)・・・白馬岳(11:55)・・・白馬山荘(12:04) 泊


■5月5日 稜線ガスのち晴れ


明け方の稜線は濃いガスと強風に覆われており、残念ながら御来光は拝むことができなかった。

朝食後6:31に出発する。今日は大雪渓を下り、白馬尻から猿倉台地に向かいテント撤収後下山するだけなので気が楽だ。

大雪渓の下り斜面に差しかかる頃よりにわかにガスが晴れ、杓子岳や白馬鑓ヶ岳の姿が現れる。その美しい白い山容に一同感激してしばし立ち止まった。

大雪渓はグズグズの雪の斜面が緩急織り交ぜながら続いている。天気はすっかり晴れ上がり、強い日差しが雪渓を照らしている。
白馬尻から右手の山腹をトラバース気味に猿倉台地をめざした。

ここで活躍したのがGPSだ。一昨日にセットしておいたテントサイトのウェイポイントを呼び出して、GPSの「GOTOナビ機能」を使って山腹を縫うようにトラバースした。幸い先行のトレースもあり、それにGPSのナビ機能を併用したので迷うことなく一発でテントサイトに到着できた。

猿倉台地には山スキーグループなど数張りのテントが残っていた。双子尾根の斜面にはスキーヤーがシュプールを刻んでいた。今日一日は天気は保ちそうだ。

名残を惜しみつつ、テントを撤収し猿倉へ。わずか1分遅れでバスを逃したのは残念だったが、タクシーを呼び二日前に降り立った白馬駅に戻ることができた。
(記 Nob)

白馬山荘(6:31)・・・猿倉台地(9:03~53)・・・猿倉(10:16)



■まとめと感想

昨年は白馬岳主稜、今年は杓子岳に突き上げる双子尾根に決まった。
今年のGWは好天が約束されているせいか5月3日の千葉駅6:38発あずさ3号も始発でほぼ満席状態だった。

中高年にとっては、朝発ちをして、せいぜい2時間程度の歩行でBCが設営できる、というのが相応しいところだ。

昨年の主稜登攀時に犯したルートミスの轍を踏まないために、前日の山座同定と当日は明るくなってからの歩行が功を成し、ピタリと小日向のコルに到着できた。
双子尾根は主稜程ナイフエッジの雪稜ではないが、急峻さに変わりはない。
振り返ればうねうねと続く雪稜が本当に美しかった。多雪と天候に恵まれて、ロープを使うことも無く、順調に登ることができた。

まだ登っていないメンバーには、主稜やこの双子尾根は是非一度は登って欲しいルートの一つだ。また、登攀終了後山頂付近に営業小屋のあることはもう僕にとっては必須条件になってしまった。

安全に無理をしない条件としてもう一度整理すると、


  1. なるべくなら夜行よりも朝発ち。

  2. 重荷を背負ってのBCまではせいぜい2~3時間程度であること。

  3. 行動時間は8時間程度以内。

  4. 山頂付近に営業小屋のあること。


以上のような条件に合致するのは主稜や双子尾根は正に最適であったと思う。
いずれにしても天候に恵まれてかすり傷の一つも負わずに元気に登って来られたことは本当によかった、と思っている。
さて、今年(5月4日)の白馬岳主稜は最後の雪壁を登るのに最長4時間待ちとのことだったが、来年のGWは何処を登るのか今から楽しみだ。
(記 竜少年)

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昨年の2月に58才の年令ではあったが、登山を再開したくて若干の逡巡はあったものの思い切って山の会「岳樺クラブ」の門を叩いた。

今回の「杓子岳(双子尾根)より白馬岳」への登山に参加するにあたり私自身は次の2点について確認が出来ればとの気持ちであった。


  1. この会の大きな取り組みである夏山合宿、冬山合宿に参加させて戴き、このGW合宿山行はこの一年間の締め括りとして、又 これからの自分自身の登山における方向性を得る上で、どの程度の登山活動が出来るかを見るためである。

  2. かつて22歳の時、同じくGW時に夜行列車を乗り継ぎ信濃四谷駅(現在の白馬駅)に小倉(北九州)の仲間4名で6人用の天幕を担いで猿倉手前の二股から入山し、白馬岳から鹿島槍まで縦走した時に感激した「夕映えの剱岳」に再度出会えればと思ったことである。

さて、今回の登山をおえて、最初の項目であるが、先ずは好天に恵まれたこと、雪が量・質ともに良かったこと、勿論パートナー(竜少年さん、Nobさん)の好リードに助けられたこと・・・等もあり、思ったほどの疲労感・恐怖感も無く白馬岳の頂上に立つことが出来たことについては正直な気持ち嬉しかった。

二番目の項目であるが、下り気味の天候から残念ながら夕映えこそ見られなかったものの、若い頃に冬期に訪れた毛勝三山から剱岳にかけての大展望は大いに満足するものであった。

何れにせよ登山を再開してこの一年間、岳樺クラブメンバーとの気持ちのふれあいに感謝したい。
そして、今回、偶然山での邂逅を果たしたが、若い頃に活動していた故郷北九州のK山岳会の仲間達との改めての気持ちのふれあいにも感謝したい。

登山を再開してこの一年はっきりと言えることは「山とそれに関わる仲間はやっぱりいいな。」と思ったことである。
(記 富士丸)

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