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残雪の谷川岳・西黒尾根

春合宿が五竜岳に決まり、トレーニング山行として、谷川岳・西黒尾根をトレースした。

この冬に記録的な大雪に見舞われた群馬県の水上だったが、近辺の山々もまだかなりの残雪があり、西黒尾根もその例外ではなく、「今年の西黒は雪が多く、ルートがかなり荒れている」との直前情報により、装備の中にスノーバー、デッドマンを追加した。

■4月23日(土)

竜少年さん、ヨーコさんと西武線所沢駅で19時に待ち合わせ、ヒロリン車で土合駅へ向かう。

所沢ICから関越道に入るが、スキーシーズンも終わってGW前の端境期の為か、道はガラガラ、サービスエリアで休憩し、コンビニで買出ししても、21時40分には目的地に着いた。

さっそくトレーニング山行の成功を期して、ビールで乾杯し、早々に就寝する。

■4月24日(日)


不要なものを車に残し、朝食を済ませて5時に出発。

登山指導センターへ寄って登山届けを提出し、ここでビーコンを装着して、5時30分西黒尾根の登山口をスタートする。

今日の目的は、アイゼン歩行とピッケルワーク、雪がクラストしているので始めからアイゼンを着けて歩き出す。

朝日を浴びて、早朝の清々しい空気を吸い込みながら、快調に高度を上げて行き、休憩ごとに竜少年さんがGPSと地形図で現在地を確認すると、そのたびにヨーコさんと私は、「フム、フム」とハンディGPSを覗き込む。

しばらく続いた雪稜が、ラクダのコブあたりは岩が露出して、アイゼンクライミングとなり、安全の為に下りに一箇所ロープを使用した。

ラクダのコブを過ぎると再び雪稜になり、少し傾斜がキツくなるとステップを切る箇所も出てくる。

このあたりから頂上付近に掛かっていた雲も切れ始め、紺碧の空の下、谷川岳の双耳峰が姿を現し、すばらしい展望を楽しむ。

頂上が近づくにつれて大雪原となり、ひたすらビスターリ、ビスターリで歩を進めて行くと、やがて天神尾根と合流する地点で登山者や山スキーヤーが急に増え、肩の小屋の脇を通って11時にトマの耳山頂に立った。

山頂から眺める360度のパノラマ展望は圧巻で、しばし満喫する。が、ついつい私の中のスキーの虫が騒ぎ出し、立てかけてあるスキーの板が気になって、ひそかにチェックして歩く。(カービング&フリッチディアミールが全盛だ・・)

当初の計画では西黒尾根の往復だったが、トレーニング山行なので荒れて危険なルートを下ることもなく、天神尾根を下山ルートに選び、11時30分頂上を後にした。

思わずスキーを履きたくなるような大斜面を下って行くが、午後の強い日差しでベタ雪になり、スノーシャットを着けていてもダンゴになるので、ピッケルで叩き落しながら下る。

途中の熊穴沢の小屋も雪に埋もれ、目印となる棒が立っている状態だった。

天神平を目の前にして、竜少年講師によるスノーバー、デッドマン、ピッケルを使った支点作りのミニ講習を受け、五竜岳へ向けてのトレーニング山行は終了した。

ロープウェー駅着、13時40分。

竜少年さん、ヨーコさんと一日雪山を歩いたことで、パーティーシップも出来上がり、モチベーションもアップ、さあ、五竜岳では頑張らずにガンバりましょう!



■感想

3月の会山行だった八ヶ岳を途中リタイアしたことで、その後ひと月トレーニングをしての今回の山行だったが、最後まで余裕を持って歩くことが出来て本当にうれしく、『トレーニングは決して裏切らない』ことを、身をもって実感出来た山行だった。感謝。(ヒロリン)
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図らずも、二ヶ月のブランクがあった。それも、直近で2月20日スノーシューで訪れた東籠ノ登山。その間は一切のトレーニングは無かった。行く前から、気がかりであった。

早出をしないといけない。案の定、超スローな歩行となった。途中の雪壁ではヒロリンさんにトップを交代してもらう。

山頂で若者が、「4時間で来た、いいペース!」と話し声が聞こえる。西黒尾根の途中で追いついてきた連中だ。

登る途中、切れた個所でロープを使ったとはいえ、5時間半はどうか、と言ったところだ。しかし、今回のトレーニングで、ようやく筋肉どもが動きだした。

二ヶ月のブランクは大きい。よほど筋肉が落ちたのだろう、回復までに3日間を要した。(竜少年)

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