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南八ヶ岳 強風吹き荒れる硫黄岳

 当初3月の会山行は上越のナガツル尾根からの日白山行だったのですが、諸事情により南八ヶ岳に変更しました。南八ヶ岳の硫黄岳~赤岳プチ縦走を予定していましたが、強風と時間的問題を考慮して縦走を断念して硫黄岳のみピストンしました。



■3月20日 曇り

 20日の早朝05:50ヒロリンさん自宅前を出発して、国道20号線を走り国立府中インターから中央高速に乗り、南八ヶ岳登山口の美濃戸を目指しました。

3月の3連休だったにもかかわらず中央高速は渋滞もなくスムースな流れでゆっくり休憩しながらも09:00には美濃戸口に到着していました。

美濃戸口の駐車場は前日に入山した方々の自動車で満車状態でしたが、駐車スペースが空くのを待って10:00に美濃戸口登山口をスタートしました。数日前に雨が降ったとの事で美濃戸口~美濃戸への登山道はツルツルの氷状態だった為に、安全第一アイゼンを装着してノンビリと美濃戸を目指しました。

10:50美濃戸到着。美濃戸山荘にて小休憩後、柳沢北沢沿いに赤岳鉱泉を目指し、立派でシッカリした橋を7回渡り越して赤岳鉱泉に14:00に到着しました。

赤岳鉱泉幕営地は、既に昨日より入山している方々のテントで一杯でした。この季節、赤岳鉱泉幕営地前には数年前よりアイスクライミング練習用の人工壁が作られ、多くの方々が練習をしていました。

早速、幕営地に今夜一夜の我が家の設営を開始しました。今回は購入してから一度も使用した事が無い新品テントを持参しましたが、内張付きの上にフライも設営した為か非常に暖かく明け方の暴風突風にも全く不安の無い快適な一夜を過ごす事が出来ました。

テント設営が一段落してから、まずはオヤツでも・・と言う事で私が持参したアズキと餅で、お汁粉を作りました。その後、晩飯はヒロリンさんお手製の柔らか鍋を美味しく頂き、翌日の天候安定を祈り18:40頃には早めに就寝しました。


■3月21日 晴れ早朝強風

 深夜23:30に目が覚めた時、テントの外は吹雪いていました。その後、早朝にかけて強風が暴風になり天候状況が心配でしたが、予定通り04:00起床。前日の柔らか鍋が再び美味しい雑炊になり、朝から御馳走を頂きました。



余談になりますが、私は岳樺に入会するまで、ずっと単独で山を歩いてきましたが、軽量化を最優先する為に常時食事はフリーズドライやアルファ米などが常食でした。

そのため、山での食事は美味しいモノを食べると言う喜びでは無く、単純にエネルギー摂取の為の必須行為と割り切っていて非常に侘しい一時を過ごしていたのですが、岳樺に入会してヨーコさんやヒロリンさんの魔法のように美味い食事を山で食べる事が出来て、私はこれだけで岳樺に入会した甲斐があったと本当に感激しております。本当にホントーに有り難うございます。


話がそれましたが、美味しい朝食を頂いている間にラジオで天気予報をチェックしたところ早朝の強風は次第に収まるとの予報だったので、予定通り硫黄岳~赤岳縦走を決定しました。

ヒロリンさんは体調不調の為にテントキーパーとして幕営地に残る事となり、私一人で赤岳鉱泉山小屋前を06:20にスタート。まずは硫黄岳を目指しました。樹林帯の中は風も無く穏やかな登りを楽しみながら快適に高度を稼ぎましたが、樹林帯を抜け稜線に出る直前から風が唸り相当の暴風状態が予測されました。

私は過去この季節に幾度も硫黄岳~赤岳縦走をしましたが、今回は八ヶ岳の風の強さを改めて認識させられる程の暴風が吹き荒れていました。赤岳鉱泉から前後しながら登っていた高校生の団体は、あまりの風の強さに引率の先生が硫黄岳を目指すか撤退するかを決めかねているようでした。

その後、西からの強風に煽られ何度も耐風姿勢をとりながら硫黄岳頂上を目指し08:30無事に硫黄岳頂上に到着しました。

今は使われていない硫黄岳頂上西側のロボット雨量計小屋の陰で頭からツェルトをかぶり水を飲み行動食を口にしながら、少し風が収まるのを待ってみましたが、その時点では強風は収まっていませんでした。

時計を見ると15分程休憩してしまったようで時刻は既に08:47になっていました。過去の経験から考えると、この先の硫黄岳山荘~横岳の通過時に西側から相当の強風が吹き荒れている事が容易に想像できましたが、慎重に通過すれば縦走は可能と思われました。

しかし問題は時間でした。硫黄岳頂上から赤岳まで縦走後、文三郎道を下山して行者小屋経由で赤岳鉱泉幕営地までの時間を計算すると、この後、無事に風が収まってくれた場合で最低でも6時間は必要で、万が一、風が収まらない場合は安全を優先して慎重に歩を進めるとして間違い無く、それ以上の時間が必要になると判断しました。

幕営地でテントキーパーをしてくれているヒロリンさんには午後1時頃には戻る旨伝えてありましたし、予備日も無く、当日下山する事を考えると遅くとも午後2時には幕営地に戻っていたいのですが、これから縦走した場合は幕営地に戻る予定時間は早くても午後3時前後、場合によっては、それ以上遅い時間になる可能性もあり、今回の山行スケジュールではどうしても時間が足りません・・・

暫く悩んだ結果、無理をして時間短縮する為に危険な縦走をするより、次回持ち越しでリベンジをする方が無難との結論を出し09:00ジャスト硫黄岳頂上より赤岳鉱泉幕営地へ下山を開始しました。


その後、皮肉な事に樹林帯に入る直前あたりから風も収まってきましたが、もう後を振り返る事も無く、一目散に幕営地を目指し10:15にヒロリンさんが待つ赤岳鉱泉幕営地に戻りました。テントを撤収し12:53赤岳鉱泉幕営地を後にして14:45美濃戸口駐車場に無事下山しました。
(記 m3nb)



■感想

きっちり体調を整えられず、残念でした。
ma3nobuさんとは今回はじめての山行でしたが、烈風の中、硫黄岳のピークに立ち、無事テント場に帰って来たときには旧知の友を迎える心境でした。
私におきましては、好きではないトレーニングに励み、次回の山行には万全の体調で臨むつもりです。
(記 ヒロリン)

 今回は暴風と時間的問題で縦走を断念し、硫黄岳への雪中ハイキングとなってしまいましたが、体調不調だったヒロリンさんもリベンジを強く望んでいられましたので、雪が残る季節に是非リベンジをしたいと思っています。(記 ma3nobu)

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