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上越 利根源流の山々と越後中ノ岳

新潟県三国川の上流にある十字峡を起点に、丹後山、大水上山、兎岳、中ノ岳と周回してきた。
利根源流の山々と越後の山々を結ぶ地味な山域の中にあっては三国川ダムの建設後は車が入りやすくなり比較的ポピュラーなエリアとなった。
30歳台前半の頃、残雪期を利用して何度かトレースを残してきた山々だが、なぜか大水上山から中ノ岳を結ぶ稜線は、ある時は悪天候で、またある時は多雪にはばまれて空白のまま残っている。

 今回、久しぶりに錦少年、MIKIさんと山行を共にし、この空白の稜線を歩いてきた。
はじめて紅葉の頃に訪れたのだが、前日まで北からの寒気が流れ込んできた影響で、標高1800mから上部はうっすらと新雪におおわれ、久しぶりに紅葉と新雪の三段染めに遭遇できたのは幸運だった。



■10月16日(土) 高曇り(視界良)
 未明の午前2時頃十字峡観光センター前に到着。テントを張り仮眠をとる。明け方冷え込み夏用シュラフのため寒さに震える。
8:12出発。十字峡からは三国川上流の渓谷美を楽しみながら林道をたどる。この林道、春先は雪に覆われてしまい、急な雪面と化す。トラバースを一歩誤ると雪解けの激流に一直線に飲み込まれてしまうため、恐ろしいのだが、今の時期はノンビリと歩けるのがうれしい。

約40分程で登山口に着く。登山届けの受付箱あり。丹後山への登りは、このあたりの山ではごく当たり前のごとく急登の連続で始まる。紅葉は思いの外遅れており、山裾はまだまだだった。標高1500mあたりから色づいてきた。
 途中、単独の登山者に出会う。聞けば、朝の6時に十字峡を発し、私たちと逆回りに縦走して下山する途次であるとのこと。恐るべき健脚に素直に脱帽する。控えめでとても好感のもてる人だった。
登るにしたがい徐々に傾斜は緩くなりやがて笹原が広がるようになると、丹後山避難小屋が見えてくる。
当初、テント持参の山行を計画したが、稜線の丹後山避難小屋の状態が良さそうだったので避難小屋を使わせてもらうことにした。

私たちが到着した時は3番目でまだ空いていたが、夕方までに徐々に増え、最終的には20名ほど利用しただろうか。しかし、小屋は40名収用の規模なので、1階の板の間をゆったりと使わせてもらうことができた。
定期的に地元の救助隊の方々が巡回しているらしく小屋内もきちんと整理されていて比較的清潔である。小屋の外にある天水を利用した風呂桶ほどもあるポリ製の水場(タンク)もよく工夫されていて、無雪期や非常の際には心強く感じた。

【コースタイム】
十字峡(8:12)・・・丹後山登山口(8:48~58)・・・五合目(11:50~12:10)・・・七合目(12:45~50)・・・丹後山避難小屋(13:30)


■10月17日(日) 快晴
 翌日はこれ以上はないという快晴に恵まれた。
小屋のまわりはちょうど霧の通り道になっていて出発時にはガスおおわれていたが、歩き始めてすぐにガスは晴れ、眼前に兎岳、中ノ岳の大きな山容が姿を現してくれた。のびやかに笹原が広がる中を丹後山、大水上山を目指してゆったりと進む。
およそ20年ぶりに出会う利根川水源の碑は、かつての木柱から立派な石碑に変わっていた。
クマザサに覆われたゆるやかな山稜は残雪におおわれた時期とはまた違った美しさを見せてくれる。ただし、今回は新雪の雪解けのために見た目よりは歩きづらかったが。

 標高1926mを有する兎岳の山頂は越後三山の展望台。眼前の荒沢岳も凛としたたたずまいを見せている。いつまでもとどまっていたい場所だった。
兎岳を後にして小さなアップダウンの繰り返しで徐々に高度を上げていく。途中の小岩峰で大休止。テルモスのホットココアが冷え切った身体を暖めてくれた。
新雪の登りは意外にいやらしい。アイゼンを付けるまでもないが誤って滑ると大事故に結びつくので慎重に登る。
池ノ段(九合目)で荷物をデポして、中ノ岳頂上を往復する。およそ10分でたどりついた頂上の展望は兎岳の比ではなく、まさに360度遮るもののない大展望が待っていてくれた。
数え上げればきりがない程多くの山々が指呼できる。中部山岳地方のほとんどの山々が姿を見せてくれたといっても過言ではない。なかでも遠く富士山が南アルプスを従えて雲海の彼方に浮かんでいたのには本気で感動した。後で測ってみたら直線距離で約200キロの距たりがあるのがわかった。

 いつまでも留まっていたい山頂であったが、大展望をしっかり瞼に焼き付けてから下山の途につく。下りは日向山コースをとる。

いったん急降下し、日向山(五合目)へはゆるやかな斜面を進む。ところどころ池塘と湿原が点在していた。池には新雪をかぶった中ノ岳が映っていてとても美しかった。
日向山からは再び急勾配の下り道に変わる。千本松原を過ぎる頃には膝がガクガクしてくる。右膝の痛みがこらえきれなくなる直前になんとか十字峡観光センター前に降り立つことができた。

【コースタイム】
丹後山避難小屋(6:47)・・・利根川水源碑(7:07~10)・・・兎岳(7:55~8:00)・・・小岩峰で休憩(8:50~9:25)・・・池ノ段(10:25~35)・・・中ノ岳(10:47~11:10)・・・池ノ段(11:20~27)・・・日向山(12:38~13:07)・・・千本松原(13:56~14:10)・・・十字峡(15:00)



■感想
 腰は痛いし右膝も痛い。以前はこんな身体ではなかったのだが。
まったく情けなくなるがこれが今の状態なのだから仕方がない。現状を素直に受け入れて、その中で最善の登山スタイルの選択をするしかないと思っている。

 それにしても好天に恵まれた二日間だった。またこの山域に目が向きそうだ。
さて、次はどこに登ろうか。先ずは中ノ岳から見えた眼前の荒沢岳を訪れてみたい。
丹後山避難小屋をベースにして越後沢山を訪れてみるのもいいと思う。さらに下津川山、巻機山へと続く山並みにいつの日か挑戦できるだろうか。(記 Nob)

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