丹沢 表尾根~鍋割山
海の日の3連休には剱岳のトレーニングの一環として御在所岳でクライミングをたっぷり楽しんでくる予定だった。
しかし、長梅雨が明けずあいにくの天候のため、御在所岳藤内壁クライミングはあえなく中止に。だからといってこの3連休を家の中で悶々と過ごすのは忍びないので、雨を覚悟のハイキングに出かけた。
場所は、先月も歩いた丹沢表尾根である。
■7月21日(月) 雨
行く前から雨だと分かっていたので、ヤビツ峠に降りたった時、予報どおり雨が降り出しても全然気にならなかった。むしろ、雨を歓迎する気持ちで稜線歩きを楽しんだ。
雨降りの予報だったので登山者はまばらかと思いきや、それがなんと結構歩いているではないか。出会う登山者の表情も意外に明るい。まるで蒸し暑い雨の歩きを積極的に受け容れて楽しんでいるようだ。
今回は先月とちがって4人連れなので久しぶりの雨具に身を包み、皆でおしゃべりしながら和気藹々ののんびりムードで登り始める。それでも、二ノ塔への登りは長くて辛い。いつの間にかおしゃべりも止み、ただ黙々と下を向いての忍の一字的登行となる。表尾根もこの登りさえもう少し快適なら楽しいのに。
ようやく登り着いた二ノ塔で一休み。雨は小止みなったり降り出したりの緩急のリズムをもったしつこい降りを見せている。
三ノ塔では避難小屋に逃げ込み一休み。でも屋内の湿気に堪らず雨降りの屋外に避難する。お天気ならば表丹沢随一の大展望が待っているのに残念である。
しかし、山々も雨の日ならではの表情で迎えてくれるようだ。雨粒だって霧雨っぽいヤツや結構ボリュームのあるヤツなど、気をつけて見ているとそれなりに興味深い。
雨で滑りやすい行者ヶ岳の岩場を慎重に通過し、書策小屋を過ぎたころからブナの樹林も現れ高山の雰囲気が醸し出されてくるのがうれしい。
塔ノ岳では昼食もそこそこに鍋割山めざして歩をすすめる。乳白色のベールに包まれた霧の鍋割山稜では、しばしば立ち止まって見入るほど幻想的で美しい空間が広がっていた。
鍋割山頂から後沢乗越に下り着くころ、皮肉にもあれほどしつこく降っていた雨があがり薄日が差し込んできた。二俣からは大倉まで青空が広がってきた林道を坦々と歩き下った。
【コースタイム】
ヤビツ峠(9:15)・・・二ノ塔(10:20~30)・・・三ノ塔(10:43~47)・・・書策小屋(11:58~12:10)・・・塔ノ岳(12:51~13:05)・・・鍋割山(14:05~17)・・・二俣(15:46)・・・大倉(17:00)
■感想
楽しみにしていた藤内壁のクライミングが中止になったのは残念だったが、雨だからといって家にこもってなくてよかった。
この時期に低山で雨具を着るのは蒸し暑くてかなわないが、たまには雨を覚悟のハイキングも楽しいものである。(記 Nob)