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奥秩父 瑞牆山・大ヤスリ岩ハイピークルート


― すばらしい紅葉の中、乾いた岩の快適クライミングに終始する ―

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■10月27日(日曜日) 快晴

みずがき山荘(6:25)~富士見平小屋(7:00~15)~取り付き(8:15~50)~終了点(12:20)~取り付き戻る(13:00~30)~瑞牆山頂(13:45~14:00)~みずがき山荘(15:40)

 5時半起床。テントを撤収してみずがき山荘にほど近い無料駐車場を6時25分に出発。紅葉の登山道をゆるやかに登っていく。富士見平小屋を経て岩場取付には8時15分に着く。駐車場から2時間弱のアプローチである。韋駄天のvibramさん、若さの雲海さんとの山行では早足の私が先頭で歩いてもだれも文句を言わなかった。(^^;

 さて、取付の場所であるが登山道から左に約20mほど入ったところである。結局はインターネットで調べた情報どおりだったが、本道から派生した枝道を通っていきなり取付に着いた我々はいささか戸惑ってしまった。

 取付点のまわりにはクラックやフェースにいくつかのラインが認められた。1970年代の初期に開拓されたハイピークルートはそれらの中で一番登りやすそうなラインであり、すぐにわかった。
 今回のオーダーは、トップvibramさん、セカンドNob、ラスト雲海さんで、各自の間を10.5mm×50mロープをシングルで結んだ。
 登攀開始8時50分。

1ピッチ目(40m IV,A0)
取り付きからクラック沿いに登る。花崗岩なのでフリクションがよく効き、比較的楽に登れる。問題はその上だ。クラックが10mほど続いた後、右に2~3mトラバースしチムニーに移るのだが、その間ホールドがまったく見あたらない。丸くふくらんだ花崗岩特有のスラブ状を行く。途中残置のリングボルトがあり、これを掴んでA0で行けば問題ないが、フリーにこだわるvibramさんは潔しとせずに何度かフリーで試みていた。(でも結局はA0になってしまったようだが)

 チムニー内は傾斜が緩かったが、ザックのために背中が滑って結構登り難かった。10m程のチムニーを抜けると確保支点があるが3人集まるにはちと狭い。そのためかvibramさんはなおもロープを延ばしていった。確保支点からの2~3歩も微妙な急斜面であり気を抜けない。(私はもちろんA0でした)

ここを越えると大きな岩と岩の間の切り通し通路の中を15mほど進み、ようやくvibramさんの待つ確保支点に到着。ここは風の通り道であるためビュンビュンと冷たい風が身を切るようだ。


2ピッチ目(30m IV)
 まるで高層ビルのパティオ(中庭)を思わせるような庭園的な空間(四囲を岩に囲まれている地形)にある正面のフェースを登る。vibramさんは安全を期して右手にある左上するバンド状を伝って、正面左手のクラックを利用して上がった。

 上部のクラックはフレアしておりカム類は効きが悪いのでVibramさんは脇にある錆びたリングボルトに中間支点をとって越えたみたいだが、ちょっといやらしそうだった。
 クラックを越えると再びチムニー状の切り通し空間を10mほど進む。こういう地形は風の通り道となるため寒くてかなわない。ここから3mほど上がった右手が大テラスになっているはずだ。


3ピッチ目(5m III+またはA1)
 チムニーの底から燦々と陽光が降りそそぐ大テラスへのピッチである。ルートは二通りある。右手の垂直フェースをA1で登るものと、チムニーをフリーで登るものである。 

vibramさんは迷わずフリーで登り始める。続いてNob。チムニー苦手の私には短いけど辛いピッチとなった。両手両足をX字状に開いて這い上がるが、下は奈落の底なので気が抜けない。(もっともセカンド以下は安心だけど。)

 登り着いた大テラスは大ヤスリ岩の南東側基部にあたり、畳20畳敷き相当の気持ちのいい場所である。巨大な大ヤスリ岩が北西風を防いでくれるので暖かく、トカゲを決め込むのに最高の場所だ。


4ピッチ目(40m A1)
 いよいよ本日のハイライトである「40m垂直の旅」の始まりである。トップのvibramさんはまったく普段と変わらずに「じゃ、行きます」と言って登り始める。ジリジリと高度を稼いでいくvibramさんを見ているとまったく危なげなくむしろ楽しそうに登っているのがよくわかる。抜けるような青空に向かってザイルを延ばしていく様は惚れぼれするほどカッコイイ。

はるか下の登山道には百名山の瑞牆山を目指すハイカーの列が途切れることなく続いていて、下から「スゲー!あんなとこ登ってるよ!」「おい、写真!写真!」とか大騒ぎである。(^^;

事前の情報どおり、ボルト間隔は遠いようである。アブミの最上段に立たなければ次の支点が届かない箇所が少なくないし、全体的にも遠いようである。心優しいvibramさんは後に続く私のために、お助けヒモを垂らしてくれた。(感謝!)

 さあ、いよいよ私の番である。アブミの練習はゲレンデで2度しかないし、ほんの7~8m足らずしかないところでのちょこっとしたお遊び程度の練習のみである。「まあ40mもあれば登っているうちに慣れてきますよ。」とのvibramさんの暖かいアドバイス?もあってのぶっつけ本番である。たしかに支点間隔は遠くて私にはむちゃくちゃ難しかったが「幸せの黄色いスリング」のおかげでなんとか頂上まで登りきれた。正直言って途中の景色を楽しむゆとりはなく、ただただ目の前の岩肌と頭上のリングボルトしか目に入らなかった。

 ピースサインなどして余裕の表情で登ってくるラストの雲海さんを迎えて、はじめて周囲の景色を楽しむ余裕が生まれた。指呼の間にある瑞牆山頂には登山者が鈴なりにひしめいていた。
(終了点到着 12時20分)


 下降は大テラスまでそのまま戻り、大テラスからは来たルートとは反対側に約15mほどで登山道に続く踏み跡に出ることができた。そのまま歩いて取付点に戻り、ギアを整理してから瑞牆山頂上を目指す。大勢のハイカーに混じって黙々と登り山頂へ。
 登ってきた大ヤスリ岩を確認して満足感に浸りつつ、下山の途についた。



■感想

 私にとっては初めての本ちゃんルート人工登攀体験だった。欲を言えばもう少し短いピッチで且つボルト間隔の短いルートが良かったのだが…。しかし、ほぼ垂直に40mを登り切ったのは素直に嬉しかった。
 もちろん反省点は大ありだ。vibramさんがつけてくれたお助けスリングがなければ5割り増しの時間はかかったと思う。くやしいけど。

 アブミの架け替え操作は慣れればどうということはないのかも知れない。しかし、慣れなければならない技術であるのは確かだ。A1の技術を不安なくできるようにしつつ、フリーのグレードを上げていければいいなあと思っているのだが。さて、どうだろう?
(記 Nob)

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