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上越 谷川岳・マチガ沢本谷から東南稜

― 錦秋の谷川岳。沢登りと岩登りを同時に楽しむ贅沢さを堪能 ―


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■10月5日(土曜日) 快晴

マチガ沢出合(06:10)~第一見晴(06:45-06:55)~見晴下(07:03-07:15)~東南稜取付(10:30-11:05)~登攀終了(12:40)~トマの耳(12:55-13:30)~厳剛新道分岐(14:35)~出合(15:55)

 登山指導センターで朝食をとっていると、チカさんが「雨が降ってきた」と中に入ってきた。今シーズン雨男のNobさんの力には驚いてしまった。(^^;

 車でマチガ沢出合まで入る頃には雲も何処かに行ってしまい、稜線まですっきり晴れわたり紅葉がすばらしい。強力な晴女のチカさんのおかげか。6:10出合発。

 巌剛新道の第一見晴台に着く(6:45)と、雲ひとつなくなり東南稜がはっきり確認できる。
見晴台からマチガ沢本流に降り休憩となった。(7:03~7:15)

 Nobさん、チカさんは渓流シューズに、私は古い軟底クレッターに履き替える。ヘルメットをかぶり出発すると見晴台から二人パーティーが降りてくる。目の前にマチガの大滝が現れ、ここは左の階段状のスラブを登る。さらにナメ状の四段の滝のスラブを登るとゴルジュ帯の入り口が見え、ここでハーネスを着けることにした。先行する三人パーティーがゴルジュ帯の右岸を高巻いているのが見える。

 ゴルジュ帯の入り口から先を見上げると、細く狭まった流水に滝が連続していた。先行パーティーと同じように右岸のスラブを高巻く。ここは浮き石が多く緊張しながら、昨年のシンセン右俣を思い出してしまう。高巻いた地点からゴルジュの中に慎重に下り連続する滝を巻きながら進むとインゼルとなり沢が二手に分かれる。

 右の沢に入り、しばらく行くと20Mほどの滝が現れた。正面から登るのかと見ると、右にチョックストーンを持った凹角に残置シュリンゲがあった。

 ザイルを出しチョックストーンの下に念のためハーケンを打つが効きはよくなかった。思い切って残置シュリンゲに足をかけチョックストーンを乗越す、さらに上は濡れていて直登する気にはなれず右のフェースを登る。渓流シューズを履いている二人は直登したようだ。

 やがて東南稜が近づき流水も少なくなり源頭の様相となってきた。先行パーティーが東南稜のノーマルルートの1ピッチ目を登っているのが見える。正面奥に要の滝と思われる乾いた滝が見え稜線もすぐそことなった。要の滝から右にトラバースすると東南稜の基部だが、東南稜の右下のルンゼにしっかりと踏み後があり、そのルンゼを登り東南稜ノーマルルート取付きテラスに直接出ることができた。(10:30)

 山頂(トマの耳)から登山者の声が聞こえてくる。ここまでマチガ沢の登りの緊張が続き、さすがにバテぎみとなった。

 ここでゆっくりと休憩をとりクライミングシューズに履き替えて1ピッチ目の凹角を見ると、やはり濡れていて感じはよくない。気持ちを切替えて、私がリードでチカさん、Nobさんに続いて登ってもらう事にする。(登攀開始11:05)

 1ピッチ目、濡れた凹角に入り登るにつれて傾斜が強くなってくる。残置ハーケンは多いが濡れてすべり、登りづらい。濡れ雑巾のようなヌルヌルの残置シュリンゲに、そっと手をやり、ずり上がる。上がハングにはばまれ右のフェースに移りたいがシューズの底が濡れ、フェースにぶらさがっている乾いた残置シュリンゲを気持ち良く使わせていただきフェースに移り、直登してテラスに出た。Nobさんチカさんにコールして二人とも登ってきた。

 2ピッチ目、乾いた快適なクラックを登り階段状の岩と草付のフェースを右上して、テラスのビレーポイントに上がると錆びた二本のハーケンがあった。貧弱な二本のハーケンに二人を確保する気になれず、一本ハーケンを打つが効きはよくない、やはり谷川のリスは浅い。

 3ピッチ目、左上気味のリッジとなり小ピナクルが見える。左に10Mほどトラバースして直登して、さらに小ピナクルを目指して左にトラバースする。重いザイルを引きリッジの小ピナクルにシュリンゲを巻きビレーをする。二人も上がってきた。ここからはトマの耳が近くに見え、あと1ピッチで終了となった。

 4ピッチ目、易しいリッジとなり30Mほど登ると左の草付に踏み跡があり草付をトラバースして東南稜が終了(12:40)。

 15分ほど草紅葉に彩られた美しい斜面を登ると稜線に出て登山者で賑うオキの耳に立った(12:55)。ザイルを置くと雑誌社のカメラマンの方に「写真を撮らせてください」と頼まれ三人並んで笑顔で一枚、来年の秋には載るのかな?

 好天に恵まれ満足感の中、マチガ沢を見ながら西黒尾根から巌剛新道を下りていく。第一見晴台に着きマチガの本流から東南稜を見上げるとゴルジュ帯に目がいってしまう。東南稜の核心はアプローチのマチガ沢本谷であった。いつも同じセリフで気恥ずかしいが、来年は古き一ノ倉入門ルートの2ルンゼ・ザッテル越えをしたいものだ。
(記 Miya)                

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