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上越 東黒沢~ナルミズ沢

【目 的 地】上越 東黒沢~ナルミズ沢
【日時】2002年8月31日(土)
【メンバー】vibram(単独)

 東黒沢とナルミズ沢の継続遡行は昨年も計画したが、天候に恵まれず中止になったもので、今年はどうしてもやり遂げたかった。
 いろいろ声をかけたが、どうも私にはランニング登山というイメージが定着していて敬遠されているのか同行者が見つからず、結局、単独で行くこととなってしまった。

 沢はのんびりとしたいので一泊のつもりであったが、日曜日に仕事が入ってしまったため、どうしたものかと思案してガイドブックの参考タイムを検討したところ、ヘツデン覚悟ならば、別に急いで登らなくても日帰りが可能であることがわかったので、小さい荷物ひとつで出かけることにした。



■8月31日(土) 晴れ
 前夜、会社から駅に直行して鈍行を乗り継ぎ、水上駅からはランニングで土合に深夜に到着してステーションビバーク。アルコールの助けを借りてぐっすりと寝入る。

 朝5時にサッと目覚める。今日は長丁場なので、簡単な食事をとってすぐに出発。土合橋の手前から東黒沢沿いの道をしばらく歩いてから沢に降りる。

 水とたわむれながらノンビリ歩いていると、足早に行く単独の登山者に追い抜かれる。ひとりで山を歩いていて追い抜かれるなどということはめったにないが、今日はのんびりと歩いていくつもりなので構わないのだ。その登山者は白毛門沢に行くとのことであるが、かなり沢に慣れているようで、眼前に聳える20メートルのハナゲの滝をあっという間に越えて姿が見えなくなる。

 次に私がハナゲの滝に取り付く。難しくはないが、スリップすると、一気に下の方まで水に流されてしまうので気持ちを集中させて登っていく。それから後も滝とナメが次々と現れて退屈しない沢である。滝はいずれも容易に直登できるものばかりであるが、単独ということもあり慎重に登っていく。

 やがて稜線が近づき、水流も細くなってくるが、よくぞこんな所にと思うほど、最後の最後になっても10メートル程度の滝がいくつも現れて楽しませてくれる。

 水が消えると、ちょっとしたヤブ漕ぎがあって、白毛門からの支尾根上に飛び出る(10時)。展望もきかない上にジッとしていると、無数のブヨが集まってくるので、すぐにウツボギ沢を目指してブッシュをかきわけて降りていく。

 やがてウツボギ沢に合流して高度を下げていく。ウツボギ沢自体は平凡な沢であるが、1カ所の滝だけはクライムダウンできず、高巻き道を捜すが見つからないため、ヤブを強引にかき分けて降りる。

 ウツボギ沢の下降に思いがけず時間を要したので、ナルミズ沢の合流点に達したのは12時となってしまった。当初予定よりも1時間の遅れである。この調子では土合最終に間に合わないかもしれないので、少しペースを上げることにする。

 ナルミズ沢の遡行を始めるやいなや、その美しさに目を見張る。神秘的な青い水を湛えた釜とそこに流れ込む滝の水流の美しさ、遠くに望める稜線の草原と鋭峰の岩肌のコントラストの見事さに何度も歓声をあげる。技術的な難しさは全くないが、その美しさは今まで登ってきた沢の中ではピカ一である。人気のある沢だけに入渓者も多く、大石沢出合、二股、源頭付近にはテントが張られているのが見えた。今度は私もテント持参で行きたいものである。

 右又を詰めて水流が消えると、そこは一面の草原であった。「天国へ続く道」という表現が全く違和感なく受け入れられる見事さである。草原も多少色づいて秋の気配が漂い始めていますが、一面の草紅葉となったときは、どんなに素晴らしい景観となるのか、ぜひこの目でみたいものです。

 稜線に着いたのが3時半。この時間ならば、充分最終に間に合いそうです。ここから先は6月に巻機から縦走したときに通っているので、暗くなってもなんの問題もありません。案の定、白毛門からの下りで暗くなってしまい、ヘツデンをつけるハメに。

 夜道のため最後は多少時間がかかったものの、8時前には土合に下山。上りの最終は出てしまっているが、下りの最終で越後湯沢まで行けば新幹線で今日中に帰れるので、下りホームへの486段の階段を下る。昔、一ノ倉へ通っていた頃はしょっちゅう登っていた階段ですが、下るのは今日が初めてです。ようやく重くなってきた両足に最後のガンバリをしてもらって、日帰りの継続遡行登山を無事終えることができました。 
(記 vibram)
                    

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