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北アルプス 残雪の奥穂高岳を訪れる

■6月15日(晴れ・稜線曇り)
上高地~明神~徳沢~横尾~涸沢小屋

 冬、蒲田川の林道から見上げた白出のコル、奥穂の圧倒するような高度感に、今年は穂高に登ろうと決めていた。
メンバーは岳樺クラブ親友のカナさん、それに妹のドリさんと、私Miya。

残雪の穂高連峰を背に(涸沢小屋にて)
 14日新宿発の夜行バスで上高地に向う。つゆ入りしたばかりで天気が心配だったが、朝、上高地に着くと、18年ぶりの上高地はすばらしい晴天だった。
 岳沢から前穂に登るNobさん達に連絡をとると、朝早く車で千葉を出発したようだ。

 今日は涸沢小屋泊りと荷物も気持も軽い。明神、前穂の景色を楽しみ、カナさん姉妹とあれこれと話しながら横尾に向う。横尾から本谷橋に行く途中、懐かしい屏風岩が見えてきた。20代のころ自分が登ったルートを眺めれば「もう無理だな」とあっさり思ってしまった。T4尾根の取付下部に人が見える。12時を過ぎているのに何処を登るのだろうか。

 本谷橋を渡った所で昼食のラーメンを作り休憩をとる。夏道入口にロープが張られ通行禁止なのだろうか。雪渓の上を歩いていると「ビシッ」と音が、自分の足元にひびが入り「やばい」と思い、3人の間隔を開け雪渓の端に待避したと同時に、ひびの入った場所が1mほど陥没した。

 これから先の雪渓も細くなっているため本谷橋まで引き返すと、小屋の人が上がってきて夏道が開通している事を教えて頂く。小屋の人はそのまま雪渓を歩いていった。夏道を登り涸沢のカールが見え始めると、道が雪渓に中に消えてなくなる。やがて涸沢ヒュッテの屋根が見え涸沢カールに到着。今日は北尾根の眺めのよい涸沢小屋泊りとする。涸沢小屋は新装中で、部屋の畳も新しく新築の家のような香りがした。今日の泊りは私達と単独の人の4人であった。


■6月16日(晴れ・稜線曇り)
涸沢小屋~ザイテングラード~穂高岳山荘~奥穂高岳~穂高岳山荘~あずき沢~涸沢小屋~横尾山荘

 7時、奥穂高往復のため涸沢小屋を出発。今日も晴天、前穂の北尾根から吊尾根と奥穂のパノラマが見える。アイゼンを着けカナさん先頭に小屋の左斜面をトラバースして、あずき沢に向って登って行く。あずき沢は6月の中旬だというのに穂高岳山荘まで雪に埋まっていた。ザイテンバットレスまで来ると傾斜が増してきた。カナさんドリさんも緊張しているのか口数も少ない。ザイテンの夏道は雪がないようなので、あずき沢をやめザイテンを登る事にする。ザイテンの夏道に到着しアイゼンをはずし2回目の休憩をとる。

あずき沢を登る 下から私達のトレースをたどり男女2人パーティーが登ってくる。2人パーティーも私達と同じザイテンを登るようである。夏道を5分も登ると道が途切れ30mほどの雪の斜面が表れた。キックステップで登っていると、あずき沢を下降している5人パーティーの先頭が「アイゼン持っていないのか」と呼びかけてきた、「持ってるよー」と返答して、また夏道の登りとなる。ザイテンの夏道が終りアイゼンを着け最後の雪の急斜面となった。

 カナさんを先頭にゆっくり確実なステップで登行する。山荘の屋根が見え始め左にトラバースして穂高岳山荘に到着、時間は10時前であった。6月だというのに山荘のまわりは2m近い雪があった。山荘の中に入りコーヒーなど注文すると山荘の人がストーブをつけてくれた。奥穂までの様子を尋ねると「これから登るのですか」と言われた。意味がよくわからない?2人パーティーも到着した、やはりここでゆっくりするようである。

 稜線はガスにおおわれ風もあり雨具を着込み山頂に向う。山頂までの登りは途中のルンゼに雪があるぐらいで夏道となった。11時20分奥穂山頂に到着、山荘から山頂まで40分と快調なペース。ガス中でジャンダルムも何も見えないが、カナさんドリさんも嬉しそう。携帯が圏内となったため、前穂に登っているNobさん達に連絡するがつながらない。仕方なくiモードでHP会員の部屋の掲示板に「奥穂山頂にいます」と書き込み、風があり寒いので記念撮影をし早々に下ることになった。

 途中2人パーティーとすれちがい挨拶をして穂高岳山荘に戻ったのは12時30分。短い休憩をとり、すぐに涸沢に下ることにする。下降はザイテンではなく、あずき沢を下りる事にする。
 あずき沢の出だしの下りは急斜面で涸沢まで長い、カナさんドリさんに「緊張して腰がひけるのも危ないから、時間もあるのでゆっくり下ろう」と気やすめのようなアドバイスに、よけい緊張させてしまったか?

 自分が先頭になり午前中下りたパーティーの踏み後をたどり、あずき沢を下りてゆく。振り返り二人の顔を見れば緊張した様子だが、カメラを向けると「笑顔に変身、ピース」に、「おいおい余裕あるんじゃないの?」。

 ザイテンを横目に見えるところで軽く休憩、ザイテンバットレスまで下りると傾斜も落ちバットレス上の広いテラスで、ゆっくり休憩と記念撮影となった。14時40分涸沢小屋に到着、3人笑顔で握手。

 今日は横尾山荘泊りのため、ゆっくり下山の準備をしながら涸沢の景色を楽しむ。小屋のアルバイトの女性が、カナさんドリさんに嬉しそうに話しかけてきた。OLを辞めてこの小屋に11月までいるそうだ。
 ビールを飲みたかったが、ここはじっと我慢の子で横尾までかんばることにした。横尾山荘に着きビールにありつけたのは17時50分、乾杯!


■6月17日(晴れ)
横尾山荘~徳沢~明神~上高地

 今日もすっきり晴れわたり、前穂北尾根のすばらしいスカイラインが見える「来てよかった、また来よう」そんな思いの中、横尾から上高地に向いゆっくり歩く。

 先月、カナさんドリさんもプロガイドAさんの雪上訓練に参加。あずき沢の下降に緊張したかもしれないが、雪上訓練のおかげか安定した登下降であった。

 明神まで来ると平日にもかかわらず観光客が多くなってきた。明神池に行ってみようかと思ったが、生ビールが目に止り2回目の下山祝いをしてしまった。
 つゆの最中三日間も好天に恵まれ穂高に登ることができました。「空に感謝」です!
(記 Miya)

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