.トップページ -> 雪山・雪稜 -> 八ヶ岳 赤岳~硫黄岳縦走

*掲載内容についての注意がございますのでこちらをご覧下さい→

八ヶ岳 赤岳~硫黄岳縦走

■12月30日

 午前4時起床
 無風ではあるが、厳寒に吸う息が冷たく途中何回か目が覚める。前夜の荷揚げの疲れがまだ残る。テントの外は満天の星だ。大晦日前日だけあって夜明けは遅い。
 空がようやく白み始めた7時前テントをあとに文三郎尾根に向けて雪を踏みしめる。

 朝日に映える阿弥陀岳とは対照的に赤岳はその山肌を薄暗く隠している。途中赤岳主稜への取り付きの分岐を左に見ながら中岳のコルに着く。

 小休止もそこそこに、体温が奪われないうちに赤岳を目ざす。上り下り各5人位の隊列で道を譲り合う。南側に回り込み、頂上直下の岩稜帯に踏み込むと朝の陽光が突如視界をおおう。
梯子を慎重に上り頂上に立つと、にぎやかな人だかりと春のような日ざし、360度の大展望にしばし唖然とする。

 北、南、中央アルプス、奥秩父連峰といった峰々の中でひときわ輝く麗峰富士。しばし目をなごませる。

 頂上小屋は明日から営業とのこと。赤岳を辞し下山にかかる。地蔵尾根分岐を過ぎ、横岳にゆるい傾斜ですりつく杣添尾根を眼下にしながら三叉峰にたどり着く。
奥の院は二山程先にある。また、山麓に目をやると行者小屋の幕営地も見える。

この先進むか戻るか、ここで一寸思案。

 トレースがあるのでラッセルを強いられることなく軽快そうだが、先へ進むと帰路にあたる中山乗越の登り返しが頭をよぎる。荒井さんには無理をいって硫黄岳方面をとってもらう。
 赤岳を仰ぎ見ると両裾が切れ落ち壮観だ。この方面のルートを踏む人は少ない。岩頭を巻いたり、鉄梯子が多く慎重を要す。

 高々と積まれたいくつものケルンを道標に硫黄岳への登りにさしかかる。硫黄岳山荘は約30年前の夏に雨で2日間沈殿して以来でとても懐かしい。広々とした頂は意外と風は強くないが、寒いので、少し下ったところでくつろぐ。

 たどった稜線を目で追いながら、今日一日の山行を振り返る充実したひとときだ。
 行者小屋のテント場へは15時を少々まわる。自分の体力回復に自信がついた冬山だった。
(記 オカベ)



BC(7:00)---文三郎経由---赤岳山頂(9:20~40)---横岳(11:15)---硫黄岳(13:00)---赤岳鉱泉(14:00)---BC(15:05)

雪山・雪稜の最近記事(5件)

上記以外の記事は「雪山・雪稜」のカテゴリーページをご覧下さい。

PageTop

Copyright © 2006-2024 山の会「岳樺クラブ」 All Rights Reserved.