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晩秋の二子山西岳・中央稜を訪れる

当初の予定では8人だったメンバーが、竜少年さんから送られてくる計画書の度に一人減り・・二人減り・・。ありゃ?5人にまで減ってしまった。

それでもクライミング楽しみましょう!・・と、前日西武秩父駅に集合した。ご好意に甘え、ヒロリン号で今夜のキャンプ地である「下吉田キャンプ場」へ出発。

ヨーコさん御自慢のきのこ鍋に舌鼓
こちらのキャンプ場はガス・水道・水洗トイレ・お風呂・・と、ライフラインはしっかりしている上に一泊1000円と良心的(コタツがあったのには驚き)。

お鍋をつつきながら、Nobさん差し入れの、解禁したて「ボージョレー・ビラージュ・ヌーヴォー」で乾杯。
(ご馳走様でした)クライミング談義に花が咲いたのはいうまでも無い。

今宵の星空が明日の晴天を約束してくれている。秩父の里は紅葉真っ只中、明日が楽しみだなぁ~。
 
■取り付まで・・
前日、同様に宿泊していたパーティーから明日は混みそうとの情報を得る。ならばなるべく早く取り付くべし、ということで7時出発となった。

かろうじて1台分の駐車スペースをGet!これはラッキーだった。(下山してみたら道路わきは停車している車が数珠繋ぎ状態だった)

登山口から股峠を越え、ローソク岩を目印に取り付きへ。すでに1パーティが到着しているようだが姿がなかった。まずは準備をすることに。

ヒロリンさんより「岩の下に着いたらまずはヘルメット」と指導が入る。ついた途端パンにかじりついていた私は大急ぎでヘルメットを手にする。(大事なのは食い気より安全確保!!)

そうこうしているうちに先着パーティーも準備し始めるが、初めてでルートがわからないということで順番を譲って下さることになった。

1P目をリードする竜少年
■1P目 40m0 9:15 ・・・パーティー編成;竜少年・T嬢
早朝、外の気温は1度。日当たりの悪い取り付き点の岩はまだ冷たい。

それでも皆が見守る中、本日1番、気合を入れ竜少年さんスタート。「体が硬いよ~」というものの安定して登っていく。直上後トラバース気味に右上。竜少年さんの姿が見えなくなった。しばらくして「ビレイ解除、どうぞ」の声。

同じく登り初めは体が動かない。さらに石灰岩の岩質がどうも滑りそうで足の裏にフィットしない。なんとかピナクルまでたどり着き、馬乗りになり越えて行く。かっこ悪いことこの上なし。

やっと小テラスにたどり着く。竜少年さんと言葉を交わす。「難しいっすー」・・。

2P目をリードするヒロリンさん
■2P目 30m 09:35
竜少年さんリード。出だしはやや右にルートをとる。

トポでは凹角左を行くとあるが、『スーパータジヤン』のペッツルが安定している為ついつい右に行き過ぎ、左に行くルートの手がかりを探している。

ややトラバースして左に安定したルートを取る。右のクリップをはずし、ルートの修正。

さらに左上し、ややかぶり気味のチムニーにはいる。登ってみると辛い。

思わず上からの指示を仰ぐ。

竜少年さんにしがみつきながら左に回りこみセルフをとり一息つく。しばらくするとヒロリンさん到着。「このルート結構しょっぱいよね~」と・・・。

■3P目 40m
核心中の核心。竜少年さんリード。ザックの中身を少々預かり、軽量化をはかる。

フレンズ各サイズ(この日のために『清水の舞台』からダイブするつもりで買った唯一私の#1キャメちゃんの出番ですぅぅ・・)、ヌンチャクも多めにもってスタート。

クラックに体半分入れながら丁寧に足を探して、慎重に登って行く。

残置ハーケンもあり「大きくてフレンズ使うとこないよ~」の声。(アレ?出番なし??)

クッラクをほぼ登りきったところで「A0やっちゃったよA0」と笑顔の竜少年さん。

後続のヒロリンさんより「いいのーいいのー、アルパインは何でもありー」と励ましの声。

ビレーポイントはまたまた日陰で寒さが身にしみる。ボチボチかなと思っていたら声がかかった。T(私)スタート。

寒さのため指に感覚が無い上に、足がかりが無い。初めからかなりの苦戦。数m登ると階段状にハーケンが打ってある。迷わず踏み込み、まずはA0。

あまりに登れず泣けてきたその直後、天からひと筋の光が・・御助けヒモだ・・。

ピンクのシュリンゲに兎に角しがみつき苦境を乗り切る。(のちのちこのピンクのシュリンゲは大活躍)
さらにかぶった凹角にはいるとようやく足場が見えてくる。フレンズで取った支点をみて、思わず"オッ、仕事してる"と声をかけてしまう。

大バンドに出て、大休止。喉の渇きを癒す。日当たりもよくとても気持ちのいい場所だ。
ここで後続パーティーの到着を待つ。

ヨーコさん頑張る!
■4P目 30m 12:10
前日から、ここより上はT(私)リードと決定していたものの、これまでの登りからして私には無理じゃないかと弱気になる。

しかしこれじゃあ一向に成長しないと普段の強気を呼び起こす。

確認できるボルトはわずかペッツル1つのみ。

途中、支点を取ることができたが(中央稜は鍾乳石のような柱状の窪みが所々にあり、シュリンゲを通し支点を取ることができる)ペッツルまではすんなり登ることができた。

問題はその先の小ハング。

小さなピナクルに乗り込むと右手、左手とホールドがしっかりしていた為思いの外、間単にクリアーできた。

■5P目 30m 12:30
引き続きTリード。スラブを直上後、左へトラバース。細かいが足はある。もう少し左に行けばクラックに入り、足場も良くなるのに、高度感たっぷりで踏ん切りがつかず、行きつ戻りつしてしまう。

そうこうしているうちに左足の土踏まずが攣りだした。おかげで踏ん切りがつき前へ進むことが出来た。クラックでフレンズを架けるがどうもサイズの選択がうまくいかない。なんとか一つ架け右上する。もう少し行こうかと思ったところで「そこで切って」の指示。

え~ここで?支点あるかなーときょろきょろすると、手一杯伸ばした先に2個のハーケンが打ってある。助かったー!

上から懸垂してきたお兄さんから「僕たちもそこで切りました」とのアドバイスをもらい安心する。ロープの引き上げにかかるが、ジグザグで最悪の流れだった。

ヒロリンさん
■6P目 40m 13:00
更にリードに挑戦するが3歩踏み出したところで、急に恐怖感にかられ敢無く敗退。

4・5P目の緊張を6Pまで持続させることができなかった。

情けない私に代わり、竜少年さんすんなりスラブを登って行く。

スラブの終了地点にはピカピカのハーケンが打ってあった。

その後足場はあるものの次の支点まで距離があり、尚且高度感がありチョッと足がすくむ。

■7P目 30m 13:20
気持ちも新たにTリード。階段状の岩を快調に登る。

無事終了点に到着。竜少年さんをむかえお疲れ様の握手。ようやく笑顔が出るようになった。

■頂上 13:40 全員集合 14:20
後続パーティーもしばらくして到着。(皆様、お疲れ様でした~!)

竜少年さん、「Nobさんにおこられちゃうョ~」といいながら途中撮れなかった写真をバシバシ撮っていく。
全員集合で記念撮影。

帰りは上級者コースの下山道は避け北面の股峠に降りるコースを行く。わずか30分で股峠に到着。思わず登りの数時間をふり返ってしまう。

またまたヒロリンさんに西武秩父駅まで送っていただき、電車チームは無事の登攀を祝ってビールで乾杯した。(渋滞の中運転して帰るヒロリンさん、ごめんなさい。)

■感想
ガイドブックに、"中央稜だけでは物足りない方はローソク岩など付近の岩もついでに登ってみたら"などという一節があった。

物足りない~?? とーんでもない!私には十分すぎるほど難しく、クライミングを楽しむというよりも必死に登ったというのが感想だ。

しかし、登り終えての充実感はたっぷりだし、自分の弱い部分(信じられないが精神面など・・)もみえた。途中パートナーの竜少年さんには多大な迷惑をおかけしたが、登りの随所に勉強させられた。

課題もたっぷりできたことだし、今後も水曜日…宜しくお願いします。

(T嬢 記)



■それぞれの二子山
二子山頂上にて
何時もそうなのだが、外岩のクライミングに行くときは、フリーの色合いが濃い場合は、緊張の度合いもそれほどでもないのだが、アルパイン的なクライミングは殊のほか緊張する。

一番ドキドキするのは、朝一番のスタートの時、ロープを結んでいるときなのだ。

取り付きに着くと先行者がいたが、ルートを知らない、というので、先行させてもらった。

7,8人の目が一斉に見ているなー、と背中に感じつつ一歩を踏み出す。後はもう自分の世界になってしまうのだが。

今回はレール&レンタカー(実際にはヒロリンさんの自家用車一台になってしまったが)による渋滞からの回避およびキャンプ場(といっても普通の自宅と同じで、風呂あり、ガス、流し台、電気、水道、水洗トイレ、コタツ、レンジなど完備)利用により目に見えない疲労の排除と体力の温存をはかり、自宅からあたかも、来たような感覚でクライミングに臨んだ。

この方式は今後のアプローチに活用していくべきだろう。いい試金石となったと思う。天気にも恵まれ気持ちよく登る事ができたし、全員無事に帰宅できた事が一番嬉しい。

急に不参加となったNobさんからは、パーティオーダーやルートの注意点のアドバイスが事前に克明にあったので、本当に嬉しかった。いい仲間とまたいいクライミングが出来た。(竜少年)



秩父の山村の風景を観ながら岡根さんの運転する後部座席に乗っていると、昨夜の「しらたまの はにしみとおる‥‥」のT嬢さんとヨーコさんのお二人は共に夢の中の秋を彷徨っているようでした。

トロンとした眼に二子山の聳え立つ岩肌が見えると眠気がすっ飛び体を起こす。ザックを担いで晩秋の落ち葉を踏んで二子山に向かい中央稜の取り付きに向かう、

竜少年は昨夜、よほどワインが美味しかったのでしょう床に付くなり直ぐに高いびきでした、今日は調子良さそうです

取り付きに着くと既に2名のクライマーが来ていましたがルートが判らないらしく、「お先にドーゾ」で体調の良い竜少年をリーダーに昨夜の酔いからさめたT嬢と2名のパーテーにアタックを開始してもらい、こちらのヨーコ、ヒロリン、JJ組は立ちはだかるルートを見上げる。

竜少年さんは後続のグループを考えてルートどりをしている様でした。不安のないムーブでセカンドのT嬢を迎えている。

日当たりのないここは段々身体が冷えてくるのでT嬢の後を追うようにして続く。岩はしっかりしていましたが身体が硬く緊張しながらの1ピッチでした。

JJ-ヨーコ-ヒロリンが交代でリードをしながら登り、要所々々に先行の竜少年パーテーがカムを残置してくれている3ピッチ目のクラックは、竜少年のフィックスとは知らずにテープスリングに掴まり核心をクリアしたつもりでした。

後続のパーテーに残置スリングの回収をお願いするも誰もが竜少年のスリングは回収せずにそれを使って登って来てしまう。もうあのスリングは「残置」と決まった様です。ルートグレードは少し下がったかな。

すみませんがどなたか回収をお願いします。(^^;

14:44に終了点着き秩父の晩秋の紅葉を堪能し一般ルートを竜少年を先頭に無事下山しました、帰りも車中うとうとしながらヒロリンさんの運転する車で秩父駅に送ってもらい帰宅しました。

二子山は中上級者向けの良い山でした、皆様のお陰で楽しいクライムをさせてもらいました、有難うございました。(SuperJJ)



快晴無風の絶好のクライミング日和に恵まれました!

ヨーコさん、JJさんとは初めてロープを繋いだのですが、三人でガンバって登ったあとに待っていたのは、心地よい充実感でした。

晩秋の山々を眺めながら、クラシック・ルートをじっくり味わった6ピッチでした。リーダーの竜少年さん、どうもありがとうございました。(ヒロリン)



思っていたより傾斜が急、岩の冷たさで指先の感覚が無くなってくる・・こんな状態が6ピッチも続くなんて私には無理、と1ピッチ目でもうギブアップしそうになりました。

でも下から私を励ましアドバイスをして下さったヒロリンさん、JJさんのお蔭でなんとか攀ることが出来ました。いつものことながら竜少年さんにも陰ながらサポートして頂き、ありがとうございます。

青空と紅葉とクライミング、最高でした。Tさんを見て日々の努力がどんなに大切かということを改めて思いました。(ヨーコ)

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