奥秩父 小川山・西股沢 流星めぐりから火星人
― 5.8から10cのマルチピッチ? ―
■9月21日(土) 晴れ
例によって明け方近く回り目平に到着して仮眠する。
この半月ばかり睡眠不足が続いているのでモチベーションがわかないが、明日は天気もよくないようなので、西股沢の林道を歩きだす。30分あまり歩きフェニックスの岩場を過ぎると、シオサブ沢の手前右の尾根末端に、流星めぐり1Pの岩場がある。ペツルの立派なボルトルートだが、苔むけしているので1,2Pは割愛して尾根を右上して3P目から登りだす(3P目は1,2Pから離れている)。
ザックを置き、二人分の雨具・水・食料・靴をロープバッグに入れフォロアーが担ぐことにする。
12時50分ころ錦少年リード開始。3,4P目(5.8)は連続して30m以上登る。ボルトが15本ほどでヌンチャクが足らないのでところどころ中間支点を抜く。
終了点から踏み跡を歩くと5P目のスラブ(10C)となる。ここはMIKIさんがラインに注意しながら25mリード。核心部手前でピカピカの残置ヌンチャク(敗退用?回収忘れ?)を発見。 ザックを担いでフォローしたぼくは、けっこう緊張。
6P目(出だしが5.8?)は錦少年が20mリードして岩塔ピーク手前に。つるべでMIKIさんが10mリードして岩塔ピークに。
次の7P目を目指して歩いていると火星人の岩場に着いてしまう。7~9P目はどこにあるのだろう?
目標のフォボス(10c/d)は先行者がいたので、狼男と十字架2P(10a)を登る。1P目はよかったが、2P目は核心のハング越えでRCCボルトがまがり5mmほど抜けている。恐ろしくて上がれない。一旦降りてロングスリングを持ってあがり、岩頭でプロテクションをとってぬける。ハングを抜ける動作の後半がマントリングで、体の固いぼくは本当に大変。なんとかかんとか終了点に。
MIKIさんは「快適!楽しかった」と上がってくるが、ぼくは苦手なムーブで落ち込む。もう3時半をまわっている。懸垂下降30mで火星人の基部に。ギアをしまい、岩場の裾をまきながら尾根の踏み跡を注意深く歩く。迷うことなく時間のロスもなくザックを置いた場所に。そして、ほどなく林道に。
■ 感想
マルチピッチかと思ったが、文字どおり尾根上の30~50mの岩塔登りをつなげるものである。それぞれ2~3Pの5.8~10cのクライミングなので、秋の岩がよく乾いた日にクライミング&ハイキングと思って、でかけると気分も爽快なのでは?
一つ一つの岩塔は大きいし、終了点の火星人の岩場は、スケールもありルートに恵まれ、人も少なく見晴らしも良い。決して、意気込んで出かける場所ではないが。
(記 錦少年)