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奥秩父 小川山・小川山シャンツェ、デロリンマン


― 一つ一つのルートの危険の要素を見抜く目が必要なことを痛感 ―


 この2ヶ月世俗事でよたよたになった体を、新車に積み込み、半年ぶりに小川山に向かう。毎日10時間以上眠ってやっと健康を回復したが、反省することしきり。


■5月 3日 晴れ

午前0時に周り目平に着くつもりが首都高大渋滞で朝方の4時になり、テントをはりビ
ールを飲むころには夜も明ける。

 数時間眠った後、マガスラブラに向かう。ウルトラセブンから始まって、左の方に空いているルートをつぎつぎにリードする。体が慣れたころに、デロリンマン(11c/d)をトップロープで登る。
 MIKIさんは最初からノーテンションだが、ぼくは靴をモカシムに履き替え親指で登って2度目でノーテンションとなる。次回は1本目をプレクリップしてリードしよう。今シーズンはどこかでイレブンをレッドポイントしたい。

 最後はオウエンのための祈り(10c)。ワンテンションとなりやれやれ。睡眠不足なのに今日は良く登った。夕食もビールもそこそこにシュラフに。


■5月4日 晴れ後曇り小雨

 カモシカサイドロックの「発熱の街角」に向かうが、先行者がいてかなり時間待ち。
それではと、昔から憧れていた砦岩方面の「小川山シャンツェ」に向かう。

 1ピッチ目は乾きの悪い苔の付いたスクイズチムニーの海中エレベーター(5.8)で錦少年リード。プロテクションがキャメロットの3.5番、4番の2つでは、20mリードするのは恐ろしい。ヘキセントリック10番を携行する。4m程のぼって立ち木にスリングをかけ中間支点とする。登り方がよく解らないので恐い。恐い恐いとなきながらのぼり、真ん中あたりでヘキセントリック10番をセットする。サイズが足らないのでセットに一苦労。またも、恐いよーと叫びながら、キャメロットを上にずらしながら登る。

 後半はニーバーの使い方も解ってきたが、3.5番は無用の広いサイズになってほんとうに恐い。
 いよいよ最後の4mで3.5番は役立たなくなる。やっとひっかかる場所を見つけたがこれで4mをリードする気にはなれない。『降りたら!』と下から声がかかるが、高価なキャメロットの残置もしたくない。

 しずかにテンションをかけて降りて4番を回収して登り直してセットする。これで安心、ずりずりと登りやっとボルトに届く。ここまで20m、恐かったなー!その後、スラブを登りトンネルを通ってビレイ点に。MIKIさんもぜいぜい言いながらフォローしてくる。

 つるべで小川山シャンツェ1ピッチ目終了点までMIKIさん10mリード。そこから始まる小川山シャンツェ2ピッチ目(5.9+)もMIKIさんリード。ボルトの間隔も5mと遠いが、気にしないで快調にリード。30mのぼったところでスラブは終わりクラックとなる。クラックの上に立ち木がありそこからスリングが垂れている。どうもお助けスリングらしいが、それを使わずに上ろうとして落ちる。

 クラック、スラブを8mくらい落ちたが、ロープも30m出ていたしヘルメット・チェストハーネス・長そで長ズボンで完全武装だったので、打撲と擦り傷で済んだのは幸い。 再度クラックにトライして、今度はお助けスリングを使い、立ち木にスリングをかけて中間支点とする。さらに上のクラックに合うフレンズがあったのでそれを使って中間支点として終了点に。40mの長いルートである。錦少年フォローするがけっこう厳しい。

 クライミング開始12時35分、終了14時15分。砦岩基部に懸垂で降りその後砦岩に向かって右に歩き谷を下り取り付きに。ギアをしまい傷の手当てをして歩き始めるころには雨がふってくる。


■5月5日 雨のち晴れ

 MIKIさんの打撲はそんなにひどくはなくクライミングできるが、ぼくは過労が原因の腰痛なので、みずがき周辺のハイキングとボルダリングとする。超高名クライマー一家に出会い、いっしょに写真をとる。長男のためにつくったボルダーの、最初の再登者となる。



■ 感想

 小川山シャンツエ80mはなかなか手厳しいルートである。「海中エレベーター」初登時の木の楔はなくなり、お助けスリングも古くお助けではなくなっている。しっかりとギアが必要である。

 フリークライミングの岩場とかアルパイン岩場とかいう一般論でなく、一つ一つのルートの危険の要素を見抜く目が必要なことを痛感した。

 二人とも反省することしきり。危険を、錦少年はギアの使い方で、MIKIさんはクライミング能力で切り抜けたが、お互いの方法をマスターする必要あり。
(記 錦少年)  


 

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