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奥秩父 小川山・マラ岩JECCルート 

― 誰でもイレブンと煽てられ? ―

■ ことの始まり
 有名クライミングエリアで、著名なクライマー(インストラクター)にお会いしたときの話から、

● よくお会いしますね!生徒のXさんは、今日は来ておられないのですか?
★ Xさんね!Xさんは、最近はイレブンです。この前はトップロープだけど、アルピニスト(12)を登りました。
● げえー!12ですか!!!私は、どうしても、10から脱出できないのですが!
★ 何かが、間違っていますね!現在のクライミングシューズなら誰でも11です。足で立つことと重心移動ができていないのですね!まずスラブで11にトライ。


■ 10月下旬、とある日小川山へ
 誰でもイレブンに勇気づけられ、MIKIさんはアナサジベルグロを新調し、ぼくはお古の先端の痛んだアナサジレースを調達。深夜高速道路をバンバン飛ばし周り目平に、そして、翌日マラ岩に向かう。


― 届け手のひら(10c)、残念ワンテンション ―

 晩秋の曇りの日にも関わらず、マラ岩にはクライマーがいる。JECCルートは1本目のRCCボルトがかなり高い場所に設置してある。まずは、届け手のひら(10c)でコンディショニング。快調にクリップして攀じると最後のボルト上の核心部となる。さすがにスメアリングのみが頼り。オンサイトを目指してじりじり攀じるが、なんか足に乗らないなーと考えると、ズルズルと滑りワンテンション。ビレーしていたMIKIさんは、もったいない!とお叱りのお言葉。再度スメアリングにトライして無事終了点に。

 次はMIKIさんがリード。するする攀じのぼり、最後のボルト上で意外と苦戦。昨年のデロリンマン(11cd)レッドポイントから軽くオンサイトと予想していたが、アナサジベルグロの調子が悪いようだ。ワンテンションとなり、おおお、惜しい!と何故か安堵の錦少年。


― JECCルート(10d)、無事オンサイト ―

さあ、次は本命のJECCルート(10d)だ。一本目のRCCボルトがやたらに高いので出だしのフレークにエイリアンをセットして攀じる。高くて緊張する1本目にクリップしてから、2本目RCCボルトにも快調にクリップ、リングが痛んで変形したリングボルトにもクリップ、そして核心部手前のペツルのボルトにきわどいバランスでクリップ。よし、右上にトラバースだ!まてよ、ダイレクトに攀じればイレブンだ!だれでもイレブンという言葉を思い出し、ダイレクトに上がるルートにトライするが、ずるずる、おおっー!オンサイト、オンサイトが逃げる!ダイレクトを諦め右上ルート(10d)に変更。ポケットを利用して無事突破。11a敗退、10dオンサイトとなる。

 MIKIさんは、どうも新調したシューズの調子が悪いらしい。それでも慎重につぎつぎクリップして、核心部に至る。やっぱりダイレクトは諦めて右上ルートを選ぶ。ぼくがポケットと指力を頼りにしたのに比べて、スメアに頼るところがおおきい。無事に終了点に達し、オンサイト。

 今年の目標であった10dオンサイトを達成して気が抜け、他のルートに移るもどうも上の空。はやばやと引き上げる。



■ 感想

 JECCルート(10d)は往時のアルピニストが拓いたルートらしく、ボルトが遠く緊張感に溢れ、ラインも巧みである。ただ、ムーブだけでみると「届け手のひら」の方が少し難しく感じられる。よく考えてみると、今年オンサイトした、幕岩のヘイジュード、小川山の完璧な父、JECCルートは、スメアとエッジを併用する緩い傾斜のルートである。スメアとエッジの併用は、登山靴で岩登りを始めた私には馴染みの技であり、この手のルートとの相性は悪くない。

 山を再開した後覚えた、フェースでのフリ・横向き、ハンドジャムもなんとか使い始めている。
 しかし、スメア、ハング、フィンガージャム、フィストジャム、アームロックなどはおぼつかない。不得意の技を克服しないとそれがネックになって伸びないのは全てに当てはまる原則だが、ボチボチやっていくしかない。
(記 錦少年)

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