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伊豆周辺 岩たちとの対話 in 幕岩

 2週続けて週末土日のどちらかが雨だった。あいにく計画した休日ばかりが雨だったので、幕岩を訪れる機会がなかったが、久しぶりの好天に恵まれて楽しい一日だった。
 この時期、幕山は山裾すべてが梅の花々に彩られる。紅梅、白梅、若木、老木に囲まれて香しい梅の花の香りで満たされる。
 宿敵・竜少年との幕岩訪問も今年で4回目。そろそろ決着をつける頃にきたようだ。(^^;
さて、どちらが最優秀9アンダークライマーなのか??



■朝一番。錆びたRCCボルトに身が縮む ~トムソーヤ(5.8)~

錆びたボルトがいやらしいトムソーヤ 前回、朝一番のクライミングに10aのルートを選び、えらい怖い思いをしたので、今回はウォーミングアップとして、シンデレラ(5.7)を登ることにした。このルートは美しいフェースで二人の好きなルートである。

 ところが、あいにく先客で一杯だった。仕方なく、裏手の不人気ルート(トムソーヤ)へ。このルートは支点がすべて錆びたRCCボルトのため、いまいち気乗りがしない。そういう時はトップを代わるのが一番。
Nob「竜少年さん、いつも私が先に登ってるから、たまには先に行きませんか?」
竜少年「ああ、いいよー」
シメシメ・・・(^^;

 竜少年トップで取り付く。こわごわ登っているのがわかる。それでも着実に高度を稼ぎ、最後の小ハングは右から回り込んで、終了点へ。
 続いてNobがリード。やっぱり朝一番、しかも錆びたボルトのルートは緊張する。竜少年以上に萎縮してしまい、冷や汗たらたらで終了点へ。フー。
 この勝負、判定で竜少年の勝ち。(^^;

 お隣のシンデレラではヘルメットをきちんと被った正統派クライマー達がしっかり登っている。ああ、われわれもいつから幕岩でヘルメットを被らなくなったんだろう?錆びついたボルトに恐れをなすなんて…。これでいいのだろうか?よし!次回はメット持参だ!


■こんどはバッチリ ~アブラカタブラ(5.10a)~

アブラカタブラ(5.10a)を登る竜少年 トムソーヤで身体が動くようになってきたので、前回空中ダイブしたアブラカタブラに挑戦。このルートは丁寧にフットホールドを拾っていけば特に問題ない。

 竜少年スタート。トムソーヤと違って、ハンガーボルトなので、思い切って身体が動く。きれいな登りであっという間に終了点へ。「おお、やるなー!」

 このルートは適度にでこぼこもあって、岩壁らしい岩壁である。森の中にひっそりと立っていて岩肌がいとおしく感じる岩壁だ。
 二人ともまあまあ余裕でクリア。身体が馴染んでくる2回目以降に登りたい。


■会心のレッドポイント ~フック船長(5.10a)~

 2月に初めて取り付いたときは、あまりの寒さと濡れた核心部に閉口して、途中で退却した苦い経験がある。

 今回は乾いているし気温も暖かい。「よっしゃ、リベンジするか!」
 気合いを入れてNobトップで取り付くが、やっぱり浅いシンハンドクラックに手がかからずに苦戦する。ガバかなあ、と思ってかけたホールドも以外に甘く苦しい。3本目のボルトにどうしてもクリップ出来ずにラーク!やっぱり今日もだめかあ。

 続く竜少年もスタート前から緊張している。
Nob「ホントにやるの?」
竜少年「やる!」
Nob「ファイナルアンサー?」
竜少年「ファイナルアンサー!」

 気合いを込めて竜少年スタート。順調に高度を稼ぐ。Nobの最高到達点に達した。よし、クリップ出来るか?ああー、手が震えてるー!ああー、フォール!
「惜っしいー!」
足に十分乗り込んでいなかったため、クリップする手が離せず痛恨のフォールとなった。残念。

 竜少年の奮闘を見て奮い立ったNob。集中力をためてリトライ。
1本目、2本目のクリップを順調にこなし、問題の3本目のクリップ。足をしっかりクラックにねじ込んで、素早くクリップ。やった。
あとはじっくり慎重に高度を稼ぎ、とうとう登り切った。これは嬉しかった。「フック船長」が「よくやったなあ。おまえの努力を買うよ」と言ってくれたような気がした。


■積年の課題をクリア ~スィング(5.9+)~

積年の課題をクリア
 ここは、二人ともどうしてもクリアできない5.9ルートだ。ここを登れないかぎり正式の9アンダークライマーを名乗れない。(^^;

 ここだけは今日中にやっておきたい。と行きの電車の車中から宣言していた竜少年もやる気を出している。

 先ず竜少年スタート。核心は下部の2本目のボルトクリップ。身体をうまく右にずらしながら右上にあるポケットホールドを捉えた。ススーと上がって無事クリップ。あとは、順調に高度を稼ぎ見事レッドポイント。おめでとう。
 後発のNobも竜少年の登りを参考にして、なんとかゲット。やったー!


■とりつくシマもなし ~ノーリプライ(5.10a)~

 アイル・ゲット・ユー(10a)をやりたかったのだが、あいにく先客がいたため、裏手にあるノーリプライにトライする。

 スタートラインは落ち葉で埋まり、フェースも苔むしている。なぜか竜少年がグランドフォールして3ヶ月の骨折事故を負った時の雰囲気そっくりだ。(^^;

 竜少年は当然いやがっている。仕方がないのでNobトップで登る。つるつるでおまけに苔むしたスラブである。途中まで登っていやな感じがしたので降りてきた。竜少年もおなじく途中断念。このルートはリベンジする気が起きないなあ。


■久々のオンサイト! ~アイル・ゲット・ユー(5.10a)~

 テントウムシロックの端っこ。正面壁に向かう途中にあるこのルートは短いながらも、美しいフェースで挑戦意欲をそそる岩である。先客は何度も墜ちていたが、なんとなくムーブで解決できそうなので、トライしてみた。

 取り付いてみると、適当にホールドスタンスともにあり、インドアクライミング風のムーブ(思いっきり左足を上げて、その反動で乗り込む)で簡単に解決できた。さらに上部ののっぺり岩への立ち込みだが、あれこれ考えてこれもインドア的ムーブで解決できた。久々のオンサイトに気持ちも晴れる。今夜は赤飯で祝おうかな。

 続いて竜少年。下部のムーブに苦労し、2、3度テンションがかかったが、こつを掴んだらあっけなく越えて、さらに上部も余裕でクリア。よかった、よかった。これで帰りのビールが旨いぞ。(^^)



■感 想

 今シーズンは腰痛に悩まされ、本来なら雪山に向かっているこの時期を幕岩でのフリークライミングで過ごすハメになってしまった。

 満50歳という節目の年齢まであと4ヶ月。腰は痛いし、身体は重いし。いいところはどこもないが、それでも練習した成果は徐々に出て、4ヶ月前まではリードで7アンダークライマーだったのが、どうやら9アンダークライマーにまでなることができた。

 グレードなんて所詮はただの目安、といっても登れる数字が大きくなることは正直のところ嬉しいものだ。ようやく5.9とか10aが登れるようになっただけだが、これから腰痛を克服して本チャンルートに戻った時、フリーの経験は決して無駄にはなるまい。

 4回の幕岩訪問を通じて、乾いた岩肌の感触を存分に楽しませてもらった。Nobも竜少年もやっぱり岩が好きなんだなあ。岩のもつ様々な表情を身近に感じることで一層岩に親しみが持てるようになった気がする。
 さあ、こんどはヘルメットにスリング持った正統派クライミングを目指すぞ!
(記 Nob) 

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