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伊豆周辺 湯河原・幕岩クライミング(その3)

嗚呼、幻のレッドポイント

■ペツル外れて空中ダイブ ~アブラカタブラ(5.10a)~

 本日最初のトライである。
 最初、下から見た感じではホールドも豊富そうで、われわれ若葉マーク付きのクライマーでもなんとかオンサイト出来そうな感じだったので取り付いてみた。

 例によってNobトップで取り付く。見た感じよりもずっと難しく、クリップに手こずる。やっぱり最初のリードは5.9以下にすればよかった、と思ったが後の祭りである。
壁にしがみつき、ヒイヒイ言いながらもロープを伸ばしていく。

 3本目のボルトにクリップし、さらに上に行こうとしたのだが、ちょっと怖じ気づいたので、右隣にあるルート上のペツルのハンガーにズルクリップ。ロープの向きを変えようとして、ボルトからロープを外そうとした瞬間、「アー!レー!」。

気がついたら空中をダイブして3本目のボルトにぶら下がっていた。確保者の竜少年も、まさかここで落ちるとは予想していなかったらしく、ほんの一瞬確保が遅れた。おかげで、さしたる衝撃もなく墜落したのだが。(^^;
あとで外れたハンガーをよく見ると、アンカーにボルトで締め付けられているのではなく、ただぶら下げてあっただけだった。ボルトが抜け落ちていた。クワバラ、クワバラ。

 フツーだったら、ここで選手交代となるところであるが、Nobにも意地というものがある。「おっしゃ、やったろやないかい!」と、再度登り始める。集中力を切らせずなんとか終了点に着いて「ビレーカイジョー!!!」。ほっ。


■やっぱ、9アンダーは楽 ~シャワーコロン(5.9)~

 ここは先日、ヒサさんがS氏のスクールで登ったところだそうだ。アリババの岩場でコンマクラックの左手にある。
幕岩特有のしわしわのホリゾンタルが走っている。傾斜もゆるくボルト間隔も適当にあり、われらビギナーのリード入門にはもってこいのルートである。
Nobも竜少年さんもなんなくオンサイト。5.9と10aにはかなりの差があることを実感。


■幻のレッドポイント ~アリババ(5.10b)~

 亡くなった平島靖子さんが元気だった頃から、このルートにはお世話になっている。いずれもトップロープでのトライだった。
今日は、クライマーも少なく幕岩には珍しくがらんとしている。アリババも誰も取り付いていない。「チャンス!」

ビギナーがリードにトライする時、後続の人がいるとやはり気後れするものだ。しかし、今日は空いているのでリードに挑戦するチャンスである。(^^)
 ここは上部が垂直に立っていてクリップも微妙で辛いので、あらかじめヌンチャクをセットしてからリードにトライした。

先ず、竜少年さんがトライ。2本目と3本目の支点間で惜しくもテンションがかかる。しばらくレストのあと、核心である3本目支点上の斜めフレークを見事に右手で掴み、終了点へ。
ところが、急に怖じ気づいたらしく「ひぇー!怖いよー!!」と傍らにあった木の幹を思わず掴んでしまう。「あー!やだー!あと一歩なのにー!」「ばっかみたい!」と下で笑ってやった。
せっかく一番難しい核心をきれいに乗り越えたのに勿体ない。

続いてNobがトライ。竜少年さんの轍は踏むまいと気合いを込めて登り始める。なんら問題なく進み、例の核心もばっちり越えて、最後のボルトを足下にしたとたん、急に怖じ気づいてくる。「ここで墜ちたらどうしよう!」あとちょっとで終了点、しかも問題ない箇所なのに急に怖くなり、やはり木にしがみついてしまった。

あー、もったいない。10bレッドポイントという千載一遇の機会を自ら摘み取ってしまったのでした。(^^; ばっかみたい。


■見物ギャラリーに囲まれて ~ヘイ・ジュード(5.10a)~

 てんとうむしロックにあるヘイ・ジュードは美しいフェースである。ボルトラインどおりに忠実に登れば10cだという。われらにそんな実力はないので、右に左に逃げながら、おっかなびっくりリードする。右のクラックを一部使うと10aらしい。

まあ、10aが登れればバットレスのピラミッドフェースもなんとかなるかな?ということで良しとしよう。
ここの核心は上部にあるバルジ状のもっこり岩をマントリングで越えるところかな?これが結構難しい。今回、Nobはなんとかノーテンで登れたが、あとの二人はフォール、テンション。

特にクライミング久しぶりのヒサさんは何度も墜ち、そのたびに梅見見物のギャラリーたちから「きゃー!」とか「かわいそー!」とかさかんに声援や悲鳴をもらっていた。
ここで、クライミングをするときは、心臓に毛が生えていないと登れない。



■感想

 幕岩クライミングも今年に入って3回目となった。少しずつであるが、登れるようになってきている。初見オンサイトも5.9ならなんとかできるまでになった。10aもルートによってはオンサイトできるまでになってきた。しかし、登攀の確実性となると5.7レベルだろう。私にとっての確実性とは「鼻歌まじり」に登れるグレードである。

ボルト間隔がちょっと長く、ランナウトする箇所では急に恐怖心が襲ってくる。そういう恐怖心に対して、確固とした意志の力で対抗できるまでの力が備わっていない弱さがある。
支点の整備されすぎた幕岩でさえこれなのだから、本チャンルートではどうなることか。(^^;
もう少し暖かくなってきたら今度は三ツ峠で登り込んでみたい。
(記 Nob)

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