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奥秩父 小川山・屋根岩3峰南稜神奈川ルート 他

■10月9日
 千葉組、神奈川・埼玉組に分かれて、深夜に廻り目平に到着。
 メンバーは、竜少年、錦少年、微苦笑、遊少年、小林青年、オカベ、ヒロリンさん(N山の会)の計7名。
 広域山岳会で、みんながサラリーマンでは、バラバラ入山、バラバラ下山は宿命である。おまけに、ワガママな人間が多く、個室テントが並ぶ。ゆっくり寝て、10時過ぎに出勤。小川山ならではである。小林さんの案内で兄岩上部のクラックを登る。八王子ルートを登りトップロープをセットする。もみじと八王子ルートで、フレンズのセットを練習する。

■金太郎
 5.9(コーナークラック)
■八王子ルート
 5.7(クラック)
■ もみじ
 5.10a(クラック)

 全体に城ヶ崎に比べるとグレードが甘い。もみじ(10a)は、城ヶ崎フナムシロックのフラッシュダンス(5.9)より易しく感じる。

■ウォーリーを探せ
 5.11a(フィンガークラック)
 「ウォーリーを探せ」は、直上すると下部は11aである。上部は易しくなる。全員でトップロープで挑戦。下部は直上が2名、右にまわりこんだ者が3名。テンションの嵐の後、終了点に辿り着く。その夜、意気が大いにあがり、お酒もすすむ。


■10月10日

★竜少年パーティー
 屋根岩2峰南面セレクションに向かう。 1ピッチ目はクラックで難儀したようで、左手のフェースから登る。
 この5.8クラックは短いのだが、グレード以上に難しい。もみじ(5.10a)に匹敵する。
 筋力か柔軟性かどちらかあれば、フットホールドの問題は解決するのだが。荒井、塚口のリー ドでスムーズにトレースして、佐々木パーティーが屋根岩3峰南稜ルート3ピッチ目ワイドクラックでもがいているころには、2峰の頭に到達する。そこから、「気を付けて!」「落ち着いて!」の声がかかる。

★錦少年パーティー
 屋根岩3峰南稜神奈川ルートでは取りつきで1時間、途中で2時間待たされる。
 ヒマなので、テラスで他パーティーの初心者にインクノットを教えてあげる。なんだか変だけど小川山なら許されるか?3ピッチ目のワイドクラックで渋滞するのだ。

 半分位しか入っていないリングボルトが唯一のプロテクションで、体を少し外に出しリードするリーダーも怖いが、サブザックをかつぐフォロアーも大変なのだ。先行パーティーのフォロアーがもがいている。インクノットも結べない初心者がなんだか訳のわからない格好でズリあがっていく。これを見て、フォロアーは落ちないのだから何とかなると考えたのが大失敗。

 3ピッチ目ワイドクラックをリード始めたのが、2時5分。ここで1時間30分かかったとしても、4時過ぎには終了点につけると判断してリード開始。17分でリ ード終了。サブザックをかついだフォロアー、1時間奮闘するもザックが邪魔で上がれず。一旦おりてサブザックなしで、疲れ切った体ではあるが20分で登る。

 3番目のフォロアーは、ザックを途中まで吊りあげ、15分で登る。ラストの女性はサブザックをやや横にかついで6分で登る。

 このワイドクラックは、相当な難物で、前回はリードに苦労したし、フォロアーも途中からザックをぶらさげてテンションかけつつ登った。同じグレードのワイドクラック・城ヶ崎フナムシロックのネッシーの経験からして、岳樺クラブのメンバーはザックをぶらさげてテンションかけつつ相当苦労して登ることになると予測される。唯一の例外は小柄なヨリコI姫ぐらいである。

 しかし、前日は兄岩上部で調子が良かったのと、先行パーティーのザックをかついだ初心者のフォロ アーが全員20分足らずで抜けたので、わがメンバーも大丈夫と勘違いした。そのため、フォロアーにザックをぶらさげてテンションかけつつ登る指示を明確にしなかった。結果は「中高年は何かができても他の何かに応用きかない」という、典型的パターンになった。このパターンは当会では毎度のことで、当然予想できたのにしなかったのはリーダーの深刻な判断ミス。30分かかって登れないなら、15時の段階で懸垂下降を開始すべきであった。上から、ザックをつり下げプルージックでゴボウと指示をしたが、一旦おりる必要があったようだ。

 ラストの落ち着いた態度とスピーディーなフォローに助けられて、日没寸前に屋根岩3峰からの懸垂を終了。またサードの用意してくれたヘッドランプと同氏の的確なルート判断で無事終了。小川山だから助かっているが、アルパインルートなら深刻な事態です。

 要求される技術ごとの能力を正確に把握する必要を改めて痛感しました。ハンドクラックが登れたからワイドクラックが登れるわけではないのです。我々の年代では体力で技術をカバーできないのです。ホント、応用がきかないのです。

 衰えた能力を技術と経験というカンニングで誤魔化すしかないのです。ショートピッチでできないことは、マルチピッチでできないし、アルパインクライミングでは事故そのものなりかねない。

 某国製の大型カムはすわりが悪く、2ピッチ目5.8の後半は前回同様の大ランナウト、3ピッチ目ワイドクラックもカムのサイズが足らず、先端だけ入ったリングボルトが頼りという、不健全なリードでした。キャメロットの4番とチューブが欲しいところです。不健全なリードは、やるべきものではありません。
 屋根岩3峰南稜ルートはボルトルートでないので、セレクションより難しい代物です。
(記 錦少年)

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