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北アルプス 剱岳・八ツ峰VI峰Cフェース

 昨年に引き続き、今年もまたCフェースに登ることが出来ました。前回の反省をもとにこの一年剱岳を目指してトレーニングしてきたことの成果があったのではないかと思っています。

 ザイルをスムースにくりだす練習や整理で、時間の短縮をはかっていくことも含めて、登攀用具の扱いに習熟すること。「雪と岩の世界」に慣れること。チームワークが大切だから意思の疎通を重要視してゆくこと。体力についてはそれぞれ個人差もあるでしょうが、上昇はのぞめないから現状維持していくこととする。前より良くなったというものの、右膝がやはり心配の種だから気をつけてゆく。
 上記のことをふまえて夏合宿に参加した。



■8月10日 晴れ

【コースタイム】
 4:45  別山平BC発
 6:00  長治郎雪渓出合
 8:50  Cフェース取り付き点
 9:50  登攀開始
14:50  終了点
16:50  56のコル下の雪渓
17:50  長治郎雪渓出合
20:00  テントサイト着

 「今年こそビバークしたくないな~」出発のときからこのことばかり。テントキーバー兼お目付?の荒井代表に見送られ出発する。(4:55)

 ガラ場を下り雪渓にはいるころ、まぶしいばかりの朝日がさしてきた。前後に何組かのパーティが見受けられる。源治郎尾根の取り付きには結構人がいた。去年の時は、私達のほか1パーティだけだったから良かったけど、二峰の懸垂下降に時間がかかるのではと余計な心配をしてしまった。

 平蔵谷の出合から雪渓の傾斜が増すと、ほどなく長治郎谷の出合に到着した。(6:00~6:10)
 さあこれからひとかんばりしなくてはと自分自身に言い聞かせ歩き出す。今日も雲ひとつなく稜線上はコバルトブルーの空、岩と雪、それらのコントラストが実に美しい。そして剱は大きい。こういうところが魅せられてしまうところかもしれない。

 途中若者二人組が近づいてきて「すみません。Cフェースはどこですか?」と聞いてきた。この方達とはこれから前になり、後ろになりとご一緒することとなった。アイゼンもピッケルもなしで登ってゆく。若いっていいなぁ~とヨダレを垂らしてながめている私。

この人達にタッチの差で取り付き点に先行されてしまった。どこでひろったのか、杖にしたらしい木をザックに差して登っていった。以前パソコン通信で得た情報では、1ピッチ目の半分は雪で埋まっていて、取り付きはシュルンドが開いていたり、スノーブリッジがあったりとかなり悪いと聞いていた。2週間くらいで随分とかわっていてビレイポイントも出ていたし、心配したほどでなくほっとした。しかし出だしのところに庇状のスノーブリッジがあり、先端からしずくがポタポタたれ、岩を濡らしている。こういうのがなんともいやらしい。(8:40~9:40)

 トップ錦少年、セカンドヤスコ、ラストNob、のオーダーで開始

■1ピッチ目  30m
 出だし2m位濡れていていやらしいし、スノーブリッジの一撃も怖いから、すばやく逃げた。フェースから直上してリッジのテラスヘ。

■2ピッチ目  40m
 リッジから凹角そしてフェース。割に大きなテラスに着く。とここまでは順調に来たが、先が詰まっていて動きが止まってしまった。錦少年さんも上のテラスの少し下の足場の良くない所で待機しているらしい。NobさんはBCの荒井さんさんと交信していた。上から「ゆっくりしていてください」と声がかかり、それではとどっかり座り込み、Nobさんとゆべしを頬張る。そうしているうち後続の2組も上がって来て、サロン状態と化した。
上の錦少年さんはひまつぶしに、あちこち電話をかけていたという。

■3ピッチ目  30m
 またフェースを登る。高度感満点で気分良い。テラスが狭くて足場が悪い。2人やっとの状態でNobさんは3mほど下で一度セルフビレイをとってもらい、錦少年さんが登っていってから上がってきてもらうことにした。まもなく次のパーティが見えてきた。
 つるべだから早い。

■4ピッチ目  30m
 直上して馬の背の水平トラバース。すこしガスがかかりと雲ってきた。ザイルがきれいにのびている。源治郎尾根を見ると懸垂下降の順番待ちの人がたくさん見えた。

■5ピッチ目  25m
 階段状のリッジからガラ場を発って登攀終了。3人で握手する。この気分は最高!
 ザイルを整理し、下る準備をして少し休憩しパン、ソルダム、ソーセージを食べた。荒井さんと無線交信して帰着予定などを連絡した。この時間ならテントに帰れる。うれしい。(14:50~15:20)
(記 ヤスコ)

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