常念岳東尾根 爆風の後はご褒美が・・           ~2022.3.20-21~

dakekanba-admin

山域:北アルプス

日程:2022.2.20-21

メンバー:すけちよ、Qちゃん、アーサー

行程:3/20 道の駅ほりがねの里(前泊)~(07:00)ほりでー湯駐車場発~              (13:30)2178m地点幕営地 着

3/21(04:00)幕営地発~(07:35)常念岳登頂~(10:30)幕営地発~              (15:00)ホリデー湯駐車場着


北アルプスの山は雄大だ

2月の山行後すぐにすけさんから
〝常念岳東尾根行きませんか〜難易度は低いですがそこそこ距離があります。途中でテン泊して翌日山頂アタック。入山者数も多いので踏み跡明瞭〟
と連絡があり、以前行った蝶ヶ岳のロケーションを思い出してすぐに参加表明をした。
レポを読み、写真を見ながら想像を膨らませワクワクしていたのに1週間前になり天気が大荒れ予報に(^◇^;)なぜこのタイミングで💢毎日のように天気サイトを確認し代替え案まで考えたが、直接になり回復傾向にあることから1日日程をずらして入山することにする。普段は平日仕事が終わってから夜遅くに現地に向かうので必然的に睡眠時間は短く、なかなか調子が上がらない。登山口で〝ここから今日の幕営予定地まで1000m近く登らなきゃならないんですね〟

とアーさんが言った途端ガックリ⤵︎重い荷物に足取りは重かったがいつものような辛さはなく睡眠は大事!と改めて感じた。予報に反し小雪が舞い樹林帯で展望もないので黙々と下を向いて歩き続けること8時間近く。ようやくテントが張れそうな場所に到着。

すでに何張りかのテントがある。少しでも明日に備えて山頂に近い場所へと歩みを進めるとグランドシートを畳んでいる人が目に入りあわよくば使わせていただこうと立ち止まると〝この先あまりいい場所はないですよ。よかったら使って下さい〟と言ってくれたのでありがたく使わせてもらう。我々のテントに合わせて少し整地するだけで済んだ。

トイレや雪から水を作ったりと小屋が側にない場所でのテン泊はやることが沢山あるがまたそれも楽しみの一つ(^^)
まだ日が高いうちから夕食の支度をしながら楽しい時間を過ごした

2日目
今日は山頂を踏んでその後下山しなければならない。昨日テント場を譲ってくれた方曰く山頂まで3、4時間かかったとのことで2時に起床し身支度を整えて歩き出すとすぐに樹林帯を抜けた。

目の前にうっすらと常念岳のシルエットが見える。トレースはあるが昨日の雪がうっすらと表面に積もり今日最初のトレースをつけるのは我々だ。こんな機会はなかなかないのでアーさんに先頭を歩いてもらう。白白と夜があけ
一面の雲海、山々、目の前には目指す常念岳がドーンと姿を表した

 

あまりの美しさに息を呑む。さぁ〜頂き目指して頑張るぞ!雪は締まり歩き易いが時折吹く風も強いので慎重に歩みを進める。

山頂への最後の登り手前であまりにも風が強く身支度を整えながら休み、後続パーティーに道を譲る。なかなかのパワーで消えかけているトレースをものともせずにズンズンと進んで行く。そのトレースを使わせていただきやっと山頂に到着!

強風を通り越して爆風に近く折角持ってきた会旗を出すことができず残念ではあったが間近に見える槍ヶ岳をバックに3人の写真を撮ってもらう。昨年末には見ることができなかった凍った滝谷も遠くに見え、暫し360度の大展望に暫し酔いしれ早々に下山開始。

途中あまりの気持ち良さにすけさん、アーさんは雄叫びをあげていた(笑)

テントを撤収してからの下山は腐った雪との泥んこの戦いと12時間以上となる行動に身も心もボロボロに…
下山直後にもかかわらず筋肉痛⚡️はひどく、まともに歩けない。皆ロボットのよう
😅 

〝また行きたい?〟とのすけさんの問いかけに〝暫くは遠慮します〟と即答したのでした…

Qちゃん


約2年前に計画した東尾根が今回ようやく実現に至りました。
まずは一緒にトライしてくれたQちゃん、アーさんに感謝です。
 
感想としては「とにかく長い」。長い長いとは聞いてましたが気絶するほど長い。
後から調べてみれば、標高差が森林限界のテント場までは約1400メートル。山頂までは約2000メートル。
距離は往復にして23キロメートルと半端ない。
これを日帰りにしてしまうハイカーも多かったのがびっくりです。
 
天候が思わしくなかったため1日ずらしての日程となりました。
初めての道の駅での前泊に驚くアーさん。アーさんからしたらまさに「未知の駅」だったのかもwww。
今回はその2年前に東尾根対策として買ったワカンを持って行ったものの不発でした。残念。
そんな登りは終始ツボ足でOKでしたが、一部は藪漕ぎと踏み抜き跡もあって
リンボーダンスと落とし穴に苦戦。なんとか森林限界のテント場までくると
撤収しかけていた若いお兄さん2人が「どうぞ僕らの跡地を使ってください」とありがたいお言葉。
ナイス兄さん!感謝!
 
テント設営後、さっそく水を作る。久しぶりの水作りにいかにも雪山って感じがしてきた。
持ってきた茶こしに妖精たちも姿をみせて歓迎してくれているようだ。
冷えたビールで乾杯し、夕食はQちゃん特製の鍋。いつも美味しい食事ありがとうございます。
テントってやっぱりいい。話は尽きませんでしたが明日のアタックに備えて19時には就寝しました。
 
2時に起床。昨日と同様に風もほとんどなくむしろ暖かいと思えるほどで先月の八ヶ岳とは大違い。
出発して5分後にサングラスを忘れたことに気付き取りに帰る。早く気付いてよかった。
 
夜が明け、遠くに富士山を背負いながら前常念岳を過ぎると時折強い風が吹きはじめてきた。
山頂がはっきり見える距離にさしかかった時に先行していたソロの方が引き返してきた。
強風でトレースが消えているので途中で引き返してきたという。
あらら、ここまで来て帰っちゃうの?でもそんなに手強いのかなー?などと躊躇していると
後からきた5人パーティが先行してくれて我々もそれに続き登頂する。
 
山頂は風が強くて会旗は出せませんでしたが、感動のグータッチ!いた時間はほんの数分でしたが、
久しぶりに見る槍ヶ岳をはじめ北アルプスの銀嶺に引き込まれる最高のトキを楽しめました。
 
帰路は雪に埋もれた石室(避難小屋)に立ち寄って大休憩。
ちなみに石室は分岐した尾根の先にあるので石室を出てそのまま下ってはいけません。
トレースがあったので我々も下ろうとしましたが先行して下った5人パーティのトレースでした。
(5人パーティは誤りに気付いて後から引き返してきました)
 
途中もうひとつご褒美があって、ボカポカ陽気の中の気持ちのいい稜線下り。
なんて気持ちいいんだ。これはかなり「エモかった」。
 
テントを撤収してザックを背負うと体力が落ちているせいなのだろうか。あんまり変わりない(汗)
下りは登りと違って既知のルートとなるので更に長ーいと感じるのがツライ。
さすがに疲れも出てきて何度も休憩をはさみ、全員何度も転んだwww。
ちなみに疲れ切ったアーさんと私がびっくりしたのはQちゃんが何度も尻セードをキメたことだ。
 
目印となる鉄塔や63番標識を過ぎやっとのことで林道へ。
ふと振り返ると高く遠くにそびえる常念岳が見えた。
あの頂に行ってきたんだ、と3人、感慨深くも達成感がひしひしとこみ上げてくるのでした。
 
ゆるく楽しく安全に。楽しめましたね、東尾根。やっぱりテント泊がおすすめです。
 
こうして高くて長ーい東尾根を楽しめたのもメンバー、会の皆さんのおかげです。
今後ともよろしくお願いします。
 
@すけちよ

 


すけさんよりお誘いを受け常念岳へ行く機会を得ました。

コロコロと変わる天気予報に振り回され予定より1日遅れの出発となった。

仕事終わりの深夜に出発するよりもその方が断然ラクチンでした。

 

Day1

土曜日午後すけさんに迎えに来て頂き千葉を出発、途中駅でQちゃんをピックアップ。

現地へ向かう最中、ずーっと雨が降ったり止んだりを繰り返す。明日の天候が気になった。

車中で登山ウェアの話になり、○○○○のレインウェア性能は良いがダボダボのデザインがおっさん臭くダサイww(死語)全体的にスリムなデザインを作ればもっと売れるはずとか〇〇-〇はカッコいいけど高すぎだ等々好き勝手なおしゃべりで盛り上がった。

そんな自分は全身○○○○でコーディネートされておりリュックも同メーカー製を新調したのだった(笑)

すっかり暗くなった頃麓の前泊地である道の駅に到着、すけさんQちゃんは何か獲物を探すかのような鋭い視線であたりを見回している。

どうやらテントを張れる場所を探しているようだ

早速ハンター達は適地を見つけたようで速やかに設営

自分にとってこのような形での前泊は初体験だったのでとても衝撃的だった(゚Д゚;)

ドキドキして眠れないと思いながらもシュラフに潜り込み気が付くと朝を迎えていた。

Day2

駐車場はすでに何台か停まっており入山している人は結構いそうだ。

荷物を準備し出発、猿に先導されながら歩き始める。

長い林道から登山道へ入る、積雪はそれほどなく歩きやすかった。

標高が上がってくると雪深くなり斜度もそこそこ急になる、木の枝を跨いだり四つん這いでくぐったり、徐々に体力が削られる(*´Д`)

長い登りの中、天気は一向に回復せず、終日雪がちらほら降っていた。

幕営地に到着すると帰り支度をしている二人の若者が跡地を使ってくれと声をかけてくれた、おかげで整地する手間が省けた。

テントを設営し雪を溶かして水を作る、こんなひと時が楽しく贅沢な時間だ。

食事はQちゃんに準備して頂いた熱々の鍋料理、相変わらず美味しくておなか一杯、美味PFCバランスが最高なのもうれしい。

一杯飲みながら山の話や会について等々夜が更けていくzzz

Day3

シュラフが暑過ぎたのと花粉症で鼻水が止まらずに中々寝付けないまま朝を迎えるが不思議と眠気は無かった。

朝食の熱々ラーメンを食べて準備支度をする。

4時スタート、テントの外はまだ真っ暗だ。

我々が一番乗りのようで前日のトレースに雪が積もった状態、ヘッデンの明かりを頼りに進む。

5時を過ぎると徐々に明るくなり、周囲の山々が見えてきた。

振り向けば登ってきた尾根、その先に夜明け前の空が赤く見える、言葉に表せない美しさにしばし見とれ写真を撮る。

前常念辺りから風が強まり、雪が飛んできて顔が痛い。

先を行っていたすけさんQちゃんが風避けで待機してくれていた。その間後続パーティーに先を譲り後に続く。

山頂直下、強風の中雪煙の先に霞んで見える頂きがとても幻想的だった、まるで時間が止まったような不思議な感覚を覚えた。

最後の急登を上り詰め山頂へ到着!

先行パーティと互いにシャッターを押した。

風が強くて早々に下山することになったが雪の北アルプス初登頂、雪を纏った山々の美しさが素晴らしい。

山頂を降り前常念手前辺りで風がピタッと止んだ、空も晴れてきた。

穏やかな尾根歩きは山からご褒美を頂いたようで嬉しかった。

避難小屋に立ち寄り休憩、アンパンを頬張りながら中を見渡すと4~5人が寝れそうなスペースだった。

樹林帯に降りるとすぐに幕営地に到着。

テントを撤収し重い荷物を背負って長~い下山開始、終盤で脚が痛くなりペースが上がらない。

Qちゃんは元気に楽しそうに尻セードで降りていくが追いつけない。

終盤雪は解けてドロドロ、ヌルヌル、ツルツル斜面。

転ばないようにするが何度か尻もちをついて、下山する頃には泥だらけになってしまった(*´ω`) 今回の核心部はまさにここだった。

帰りに寄ったお風呂でさっぱりとして帰路へ、全身が筋肉痛でロボットのような動きになってしまった。

積雪期の北アルプスに初登頂出来ました、これも素晴らしい仲間のおかげです。

すけさん車だしありがとうございました。Qちゃん美味しい料理ごちそうさま。

お二人には感謝ですありがとう最高でした!

アーサー