越沢バットレス ~2021.11.06~

dakekanba-admin

山域:奥多摩
日程:2021.11.06
メンバー:ゆうこりん、レイザー
行程:8:30鳩ノ巣駅→10:00一般(右)ルート取付き→13:30第2スラブルート取付き→18:00鳩ノ巣駅


ゆうこりんのたっての希望で、越沢バットレス(第2スラブ+右ルート)にアタック! (^^♪

ガイド本(マルチピッチルートスーパーガイド引用)によると、
「奥多摩・越沢バットレスといえば関東周辺ではある意味最も有名なアルパイン系ゲレンデである。
その「ある意味」とは、なんと言ってもその緊張感。
高度80m、ほぼ垂直の露出度の高い壁に、チャートならではの滑りやすさと岩角の鋭さ、
さらにリスに乏しいがゆえの支点の少なさなど、この手のクライミングの「悪さ」がすべてここには揃っている。
実際に事故も多く、過去負傷者死者を信じられないくらい多く出している、、、」

いや~、怖ろしや! (*_*)
でも来年に谷川岳一ノ倉沢・烏帽子沢奥壁南稜アタックを予定している身として、最適な練習場ともいえる。
早速過去レポや動画をチェックするが、ほかのルートと比べて格段に材料が少ない、、、(ToT)/~~~

今回の共同装備は、
・ロープ:7.9mm×50mダブルロープ2本(ルートが屈曲しているのでダブル仕様でアタック)
・NP:カム#0.5~#2、ナッツ(未使用)

9:30、鬱蒼と木々が生い茂る谷間のベース(東屋)に到着、
滑り台状の広大なスラブ(第2スラブ)が異様な雰囲気を醸し出している (*_*)


既に2パーティがアイゼントレを始めていた、、、
このルートでアイゼントレとは、なんと猛者が多いこと!(*_*)

いつにも増してドキドキしながらガチャ装着、ゆうこりんと担当ピッチを決める。
まずは最も易しいとされる第2スラブにアタックする予定であったが
既に2パーティが取付いていたので、右ルートを選択。

■一般(右)ルート(3P,Ⅴ)
<1P(30m/Ⅲ):レイザーリード>
細かい階段状スラブを15mほど登り、左上の木の生えた凹角を登ると天狗の肩の大テラス。
途中注意しながら残置ハーケン等の支点を探したが見つからず、全て木にスリングで支点構築。
終了点にはペツルのボルトあり。

<2P(25m/Ⅳ+):ゆうこりんリード>
つるっとした短い凹角から左にカンテに上がりフェースを直上。
ロープ20m弱で、
ゆうこりん:「ビレイ点がありますがどうしましょ?」
レイザー:「トポでは25mと記載あるのでもう少し先に正規のビレイ点があるかも」
ゆうこりん:「もう少し先に行ってみますね」

<3Pリンク(20m/Ⅴ):ゆうこりんリード>
ロープ残り10m強で「ビレイ解除!」のコールあり。
攀じって行くと、頭に叩き込んでいた核心の3P目「滑り台」が現れる。


なんと!私の担当である3P目の終了点から、ゆうこりんが満面の笑みをこぼしながらビレイしているではないか!
美味しいところを持っていかれたー (ToT)/~~~

<懸垂下降:50m>
右ルート終了点傍の立木懸垂ポイントから、50m懸垂下降+5mクライムダウンで終了

東屋でランチ♪
「午後の第2スラブの核心はやらせてください!」とゆうこりんリーダに頭を下げる _(._.)_

■第2スラブルート(3P,Ⅳ+)
<1P(30m/Ⅳ):レイザーリード>
段上のフェースから右のカンテにトラバース、裏の凹角を登り檜テラスへ。
難しそうに見えないのだが、取付いてみると岩は濡れているし外傾フォールドが多く、緊張の連続。
ここで会長のコメント「なかなかいやらしいです」を思い出す。
先行パーティに追いついたため、暫し休憩。

<2P(35m/Ⅳ+):ゆうこりんリード>
檜テラスから左に出て奥のコーナーを直上、20mほど凹角を攀じると小テラスにビレイポイントあり。
一般的にはここは飛ばし、10mほど右のフェースを攀じったところにあるバンド状テラスのビレイポイントを利用する。
しかし先行パーティは手前でピッチを切り、しかも3P目の攻略に難航している様で更に1h程休憩。
(これで下山時刻が大幅に遅れてしまった…)

<3P(35m/Ⅳ+):レイザーリード>
ツルツル垂壁の核心ピッチ。
トラバース気味にフェースを右上、バンドの右端からフレークを左上するのだが、ややランナウトするので緊張する。


しかもガバはほとんどなく、カチでフットスタンスを探しながらハイステップで攀じる感じ。
しかもチャートでツルツルに滑るので、一手一手チョークバッグに手を突っ込み注意しながら攀じる。
手持ちのヌンチャク(10本)、カムをすべて使い果たして終了点へ。
ゆうこりんは「この岩、いやらしい!」と連呼しながらハイテンションで攀じって来た (^^)

<懸垂下降:50m>
日が暮れてきたので、終了点で休む間もなく早々に撤収。
右ルート終了点傍の立木懸垂ポイントまで移動し、午前中と同様に50m懸垂下降+5mクライムダウン。
ここで事件発生!

ロープがキンクして回収できず、、、
確認して下降したつもりがヤバい! 既に日は暮れて暗いぞ、、、 ( ゚Д゚)

後続パーティにキンクを解除頂けたので何とか事なきを得る。
神様仏様、ありがとうございます。
反省してキンクのリスク回避策を勉強します。

<所感>
今回ゆうこりんには、計画書作成からリーダまで務めて頂き感謝します。
ゆうこりんコメント「1年半前にアタックしたが、恐怖で記憶が飛んでトラウマになっていた」に納得。
ガイド本、そして会長コメントに違わず「いやらしい、緊張感のあるルート」でした。

さておき、1年半前に比べてお互いに技術・経験を少し積み、今回は楽しんで攀じれたのでテンション急上昇⤴ !(^^)!
帰りは鳩ノ巣駅前の釜めし屋で乾杯する予定であったが16時に閉店 (T_T)
我慢できず、青梅駅で途中下車。
和食の美味しい酒処で乾杯! 今日の喜びを分かち合う (´▽`)

越沢バットレス、電車でアプローチできるのも魅力的ですね。
また来よっと (^^)/

@レイザー


紅葉の進む11月の初め、奥多摩の越沢バットレスに行って参りました。
山行計画を提出した際、会長より『なかなかいやらしいです』と助言を頂きましたが、そのお言葉通り、本当にアプローチも岩場も実にいやらしい!!

1年半前に一度来た事があったため、今回リーダーを務めさせて頂いたのですが、記憶が心許なくアプローチの地図も不完全で結局レイさんのGPSに頼る、トランシーバー必須と自分で言いながら忘れた、などの詰めの甘さで最初から最後までレイさんにご迷惑を掛けまくりで猛省の1日でした。

何とかバットレス麓の東屋!?に到着。
先ずは『一般(右)ルート3P』を1P、3Pレイさん、2P私のリードの予定でスタート。

1Pはボルトやハーケンは殆どなく、立ち木にランニングビレイを取りながら安定した登攀でビレイポイントに立つレイさん。
いよいよ2P、岩質はチャートでかなり悪く、ホールドはあるものの体重を掛けると滑りそうで気が抜けない。
菊池敏之著『マルチピッチスーパーガイド』には
25mで支点と記載されていたのですが、25mより前(と、思う)でビレイポイントがあり『ここじゃないよね?』と更に進むと…
一般ルートの目玉『滑り台』に突入してしまった! 故に私は2P,3Pを続けて登ってしまい懸垂ポイントに行ってしまうと言う大失態…
ルーファイ不足を痛感した登攀でした。

午後から第二スラブルートへ
1Pレイさん、染み出しのあり滑りやすくバランスの悪いフェースを確実に登る。
2P私リード。コーナーを直上、小テラスにて渋滞にハマり暫くここで滞在する事に。
大理石の様にツルツルに光るスラブを僅かなホールドやスタンスを捉えて登りバンド状テラスで支点構築。
高度感もかなりあり怖かった…

3Pレイさん。横から見るとスッパリ切れ落ちたツルツルのスラブをトラバースしながら登攀開始。
私はフォローでしたがかなり恐怖で、これをリードで登ったレイさんはやはりスゴイ!!

一年半前のトライでは恐怖で殆ど記憶に無かった越沢バットレスでしたが、今回は考えながらの登攀が出来、とても楽しいクライミングでした。
反省点は多々ありましたが、今回もご一緒して頂いたレイさんには感謝いたします!

@ゆうこりん