ピリッと辛口! 小川山烏帽子岩左稜線 ~2021.5.30~

dakekanba-admin

山域:小川山 烏帽子岩左稜線
日程:2021/5/30(日)
メンバー:レイザー、ドリル

 


左稜線、昨秋に計画をしていたが天候不良で断念した、思い入れのあるルート。
総ピッチ数20。コースタイムは10h程度掛かると思われる。
日の長い時期で梅雨入り前となると今がベスト。
今回、やっと念願が叶いました (^^)v

行きの車中で「どのピッチをやりたい?」とお互いの希望を確認すると
ドリさん:20ピッチ目の「ラスボス、チムニー」
私:13ピッチ目の「美しいクラック」
あとのピッチはツルベでアタックすることに。

21:30頃、廻り目平駐車場に到着。
2人だし、テント張るのも面倒なので車中泊に。

翌朝4:30出発。
ここで早速珍事件①「ドリさん、渡渉に失敗」
アプローチシューズ&靴下がビショビショに (^^;

5:30頃、道迷いもなく(ケルンがあって分かりやすい)左稜線取付きに到着。

1P目(20m、5.6):ドリさんリード
木の間の汚れた溝を上っていく、立ち木で確保点を構築。

2P目(20m、5.7):私リード
右に少しトラバースしてから攀じっていく。
「これ、ちょっとキツくない?!」と思ったところに残置ハーケンがあり救われるが、
ここで珍事件②「私、ナッツを落とす」。ドリさんに回収してもらう (^^;

3P目(20m、5.7):私リード
2Pから繋げてダブルクラックをアタック。
ハンドジャムを決めてカムをセットして攀じり、バンドを右へ。立ち木で確保点を構築しようとした際
ここで珍事件③「私、ATCを落とす」。
ドリさんに当たって止まったらしく回収してもらう (^^;


ビレイ操作は半マストで実施

4P目(40m、5.8):ドリさんリード
階段状の岩棚から残置ハーケンに従って攀じり、立ち木で確保点を構築


この辺りから高度感が出てきた !(^^)!
一方風も出てきて、日陰でビレイしていると寒くてブルブル (T_T)

5P目(40m、5.4):私リード
アプローチシューズで岩稜とブッシュを上る、立ち木で確保点を構築

6P目(30m、5.4):ドリさんリード
岩稜とブッシュを上る

7P目(30m、5.5):私リード
アプローチシューズで岩尾根を上る

8P目(15m、5.5):私リード
7Pから繋げて右からリッジに上がり、狭い岩のテラスへ
終了点に立ち木が無く、岩溝にカムで確保点構築

9P目(35m、5.7):ドリさんリード
チムニーからカンテを攀じる

10P目(20m、5.6):ドリさんリード
9Pから繋げて、かの有名な「一瞬怖いトラバース」。
バンドの上でしゃがみ込むと目の前の壁の下にホールドがあるのを知っていたこともあってか、
ドリさん、「なんだか、評判よりも期待外れだなー。」と余裕の一言。
これが原因?で12P目に戒めを受ける…

11P目(45m、5.6):私リード
リッジを辿り直角に曲がり、二ノ盾の岩角にスリングで確保点構築。
始点・終了点が互いに見渡せ、景色もサイコー !(^^)!


ここで後続パーティ(2人2組の1組目)に追いつかれたので、ランチにして先を譲ることに。

12P目(30m、5.5):ドリさんリード
易しいリッジであっという間に終了点に着く。


私、「おっしゃー!13P目のクラック気合入れるぞー!」とクラックに向かったら
ここで珍事件④「ドリさん、会のトランシーバを無くす」
仕方なくランチ中の後続パーティ(2人2組の2組目)に「どーぞ、先に行ってくださーい」と叫んだら
ドリさん、「あ、あった...」終了点近くに落ちているのを発見。

13P目(15m、5.7):私リード
かの有名な「美しいクラック」。
12P始点から遠くに望んだ時は、「落ちたらヤバい、怖ろしい絶壁のクラック」の眺めであったが、目の前に来てみると
「なんだ、鋸山南壁のアイビークラックに比べれば距離も短いし大丈夫そうだね」と2人で頷く。
案の定、ハンドジャム+フットジャム+カムが気持ちよく決まり、労せずにクリア (^^)v
岩溝にカムで確保点構築

14P目(50m、歩き):コンテ
三ノ盾(本峰)頂上を越えて10mほど下ったところにある立ち木が降下ポイント

15P目(20M、懸垂):私リード
左右に振られないように気を付けながら、リッジを辿って懸垂下降

16P目(25m、5.5):ドリさんリード
クラックの走った小岩峰を左から回り込むように越え(分かりづらかった)、水平クラックを辿り、その先の大きな岩峰の真ん中にあるチムニーに入る。
チムニーを抜けてわずかに右へ上った立ち木が懸垂ポイント

17P目(10m、懸垂):私リード
下降点が分からず、更に5mほど降りてしまう (^^;

18P目(20m、歩き):コンテ
藪漕ぎして登り、終了点手前で正規ルートに合流

19P目(35m、5.7):私リード
ワイドクラックの登り始めと終わりがバランス悪くなかなか厄介。
チムニー手前の岩にスリングで確保点を構築
ここでチムニーに苦戦している先行パーティに追いつく

20P目(15m、5.8):ドリさんリード
かの有名な「ラスボス、チムニー!」
ドリさん、ザックを置いて空身で手足をプッシュ、プッシュしながらジリジリと攀じる


チムニーを抜ける辺りが核心で途中「レイさん、テンショーン!」と叫んでいたものの見事にクリア !(^^)!
正面フェース側からロープで荷揚げしてもらう
ここで珍事件⑤「ドリさん、お気に入りのアタックザックが破れる」
修理できると良いですね… (^^;

15時頃に20P終了点へ到着、ざっと10h弱のコースタイムでした。
先行パーティの待ち時間があったものの、ちょっと時間掛かりすぎたかな… (^^;

<感想>
想像以上に残置ハーケンが少ない、支点構築はスリングかカム、確保点の構築は全て立ち木か岩。
クラックでのハンド+フットジャム、加えて長時間に及ぶ集中力と体力、ミスした際のメンタルケアも必要。
昨秋にアタックしていたら、間違いなく途中リタイアしていたと思う。

トランシーバでコミュニケーションを密に図り、チームワークも終始安定。
今回共にザイルを結んでくれたドリさん、ここまで鍛えて頂いた会のみなさまに感謝します。

北岳バットレスの前哨戦に相応しい「痺れるルート」でした!
(´▽`)

レイザー

 


今回はハプニング連続の小川山左稜線に行ってきました。
早朝出発で取付きに向かう途中の渡渉でドボン。
水は冷たくありませんでしたがテンションダウン(^^;
12ピッチではザックに着けていたトランシーバ無いのをレイさんが発見!
登ってきたルートを戻って探そうしたとき、直ぐ近くの木に引っかかっているのを見つけ難を逃れました。
最後は20ピッチのチムニーを私がリードで登るも、道具をジャラジャラ付けたまま登ったために上手く突っ張ることが出来ずるずる落ちそうになる。
なんとか登りきりロープでザックを引き上げると私のザックが穴だらけ!!
色々ハプニングは有りましたが、パートナーのレイさんと解決しながら不安を感じることなく無事完登することが出来ました。
レイさんありがとう!!

ドリル