妙義富士~まさかの大沢! ~2021.4.18~

dakekanba-admin

山域:西上州
日程:2021/04/18
メンバー:レイザー(L)、アーサー


アーさんのバリエーション山行デビューで妙義富士へ (^^♪

バリの楽しさを満喫して欲しかったので、想定ルートにメモを記した地図を渡して
「GPS使っても何しても良いので、この想定ルートをオールリードで行ってみましょう♪」 (^^)/

スタート地点はきのこの看板が目印。登山口の標識や道などありません。


アーさん、鬱蒼と茂る森林に少し躊躇してましたが意を決して突入!
ほとんど踏み跡の無い杉林の急登をスイスイと登っていきます。

アーさんとの山行は初めて、体力面を少し心配していたがノープロブレム。
むしろ付いていくのが精一杯でした (^^;)

稜線にでると目の前に岩壁が!


アーさん:「これ、直登して良いのですか?」
私:「苔むしていて人が登った形跡が無いですよね。妙義特有の炭団岩は掴むとポロっと取れるので注意!
むしろ右と左に巻いている踏み跡があるので左右どちらかが正解では?」

結果、右に巻くが正解でした。
これぞバリエーション①「ルートファインディングの楽しさ」 !(^^)!

右に大きく下って巻いて支稜に登り返すと妙義富士が!
妙義富士ピークへの登攀はガバ、ロープ無しで快適に登れます。

そして本日の核心、P2のリッジ(50m、Ⅱ+)へ。
アーさん、鋸山南壁岩トレに既に3回参加しているのでロープワークはバッチリ!
あとはメンタルのみ (^^)

私:「1ピッチしかないし、ここもアーさんリードで行っちゃいますか?」
アーさん:「はい!初バリロープクライミング、リードやっちゃいます!」

なんとも頼もしい !(^^)!

終了(確保)点の立木とスリング支点の岩を見定め、確保手順をおさらいしてレッツゴー!
両側切れ落ちているリッジを颯爽とリードで攀じっていきます。楽しそう~ (^^)/

これぞバリエーション②「ロープを出す判断、支点・確保点構築の楽しさ」 !(^^)!

P2ピークからの下りは途中までコンテで。
コンテのメリット、デメリットを身体で覚えていただく。

その後、大沢下降点まで長い稜線歩き。右手に裏妙義のギザギザが見渡せます。


アーさん:「あのT字岩が丁須の頭ですか!観光目的で人が彫ったのでは?今度ぜひ登りたいです!」
次回は、昨秋ドリさんと行った木戸前ルンゼ~丁須の頭バリルートかな (^^)

そして大沢下降点の手前のルンゼから下って大沢に合流。
「あとは涸れ沢を下るだけ~♪」と思っていたのが大間違い!大沢下降が本日の核心でした (>_<)

ここ数日の雨で50m位下ったところから水がチョロチョロと、100mも下ると幅広の沢に!

右岸を巻いて、渡渉して、左岸を巻いて、、、途中「このトラバースで滑ったらアウトじゃ~(泣」の繰り返し。
アーさん、ここのルーファイとトラバースでかなり緊張していたようです (^^;

でも大丈夫。危険な数mのトラバースはお互いの240cmスリングを出して繋げて立木で確保。
50m×2本ロープあれば大抵の危険箇所は懸垂下降で脱出できるしね。
これぞバリエーション③「思わぬハプニングを克服する楽しさ」 !(^^)!

バリエーション、楽しくてやめられません! (^^)/
アーさん、懲りずにお付き合いくださいね。

レイザー

 


3:30起床
今日はレイザーさんと妙義富士へ、自分にとっては初のバリエーションコース
4:20自宅出発、少し早いが待ち合わせのマッド駅へ車を走らせた
まだ薄暗い空の下ガラ空きの道を飛ばす、前夜までの雨のせいで路面が濡れている
予報は晴れだけど登山道がまだ濡れていたら嫌だな、少し気になった
4:55待ち合わせ場所に到着。松戸は生まれてから25年前まで住んでいた街、ビルや店舗はすっかり変わってしまったがどこか懐かしい
感傷に浸りつつコンビニのコーヒーを飲んでいるとレイザーさんがやってきた
どこから見ても山スタイルの姿はこの街にとけこんでいてかっこよかった

ふたたび外環道から車を走らせ関越自動車道松井田妙義インターで降りる
途中コンビニで水2L購入し妙義富士取り付きへ
7時過ぎには現場到着し、駐車場にてヘルメットにローブや登攀器具を準備する
いやがおうにも気持ちは昂る

「今回はアーさんが先行してください、地図やスマホを見てよいので自分でルート選択をしてください」レイザーさんから指示を頂き早速スタート
取付部は特に目印といったものはないがキノコ工場の看板が目印、その周辺を探すと踏み後らしきものが見える
地図に従いまずは尾根を目指す、周囲は杉に覆われており陽の光はほとんど差し込まない
最初は緩やかだか段々と傾斜がきつくなり、30分程登る頃には一歩踏み出すと半歩ずり落ちるような斜度になってきた
心拍数は上がり気が付けば喉はカラカラ、振り返るとレイザーさんは汗一つかかず、平地を歩いているかのごとく息ひとつ切らさず平然と後をついてくる
「ゆっくりでいいですからね」と声が掛かる、自分では気が付かないうちにペースが上がっていたようだ、なぜだろう?まさかこれがメンバー間で噂になったレイザー氏の後続圧力か!
しかしこの目に見えない圧力?のおかげで独りでは萎えてしまいそうな気持ちも奮い立たせる事が出来た

やがて岩稜地帯に到着、それほど傾斜はきつくないが掴んだ岩は取れる、岩だと思って掴んだら土の塊だった、そして木や根を手掛かりしようにも死んだ木ばかり
特に木は見た目では分からない、しっかりと地面から生えていてもグズグズになっていたり、地面がもろいが故つかんだ木が根っこもろとも抜け落ちて力を掛ける間でもない
岩稜登り事態は一見簡単そうに見えても実際の難易度はこちらの思いとリンクしない
レイザーさんの「3点固定でいきましょう」基本だが焦っている時こそ基本を忘れがちになっている。そんな時のアドバイスがありがたい。
いくつかのピークを越え、明らかに無理そうなピークは巻いていく、一般登山道ではないのでコースを導く目印は無い、自ら目標に向けて最適なルートを見出し選択する以外の方法は無い
行った先が崖だったり、そのまま沢底へ転げ落ちそうな斜面だったり
方向に迷っているとレイザーさんは言葉に出さないまでも何気にコース方向を向いて導いてくれる(笑)もし単独行だったら道迷い遭難間違いない、そんな思いがよぎる

今回目的の一つ妙義富士が目の前にそびえたつ、表面はゴツゴツとしていて姿かたちからはどこが富士なのかわからない、しかし青空をバックにしたその山容は厳つくカッコいい
深呼吸しつつ一歩々豊富なホールドを掴みながら登るとピークに立った
2~3人立てる程度の狭さでこの日は風が強い、風に煽られながらバランスを取りつつお互い記念撮影をした。うれしかった。
最高のひと時を味わうのもつかの間、背後にはさらに高くそびえたつ岩とその頂点へ至る背びれのようなリッジが視界に入る、それがP2だった
妙義富士を下って、何度か行き先を迷いながらP2の取りつきに到着
傾斜はそれほどきつくないが両サイドはスッパリと切れ落ちている
慣れた人ならロープは必要ないがレイザーさんから「ロープ出してリードしてみますか」の問いにはいと即答した
ロープを出す安心感とリードで登る高揚感でワクワクした
途中の岩や木に支点を作り振り返ると素晴らしい景色が眼下に広がった
最終点の木にセルフビレイを取りATCをダイレクトビレイにセット、レイザーさんに登って頂いた
レイザーさんのペースに急いでロープをたぐるが間に合わず、レイザーさんにはロープ無しで登っていただいたようなものだった
ここでビレイグローブを装着していないことにレイザーさんの指摘で気が付いた、些細なミスが重大事故に繋がる、何事も確認が大事だと痛感した

基本的に登りはここまで、あとは気持ちのよい尾根伝いを進み沢へ下る
ここからが自分にとって核心だった
おおまかなルート自体は沢に沿って下るだけだが、途中には小さいながらも滝があり岩の垂壁があり、その上部をトラバースする必要が出てくる
足元はいままで経験した事のないぐらい土が緩い
ほんの3メートル程度のトラバースが出来ない、一歩足を置けば簡単に土もろとも奈落の底へ落ちていきそうな感覚、頼りになりそうな固定物はなにもない、バランスを崩し掴んだ木は簡単に折れる、岩は単に土に乗っているだけなので掴もうと触れた瞬間に土もろとも崩れ落ちていく、岩は斜面を土と一緒に流れその先の崖を落ちていく音が静まり返った山にこだまする
聞こえるのは心拍音とざれた斜面が落ちていく音だけ
緊張と恐怖が入り混じり一歩足が出ない
ほんの3メートル程度のトラバースが出来ない
そんな自分を見かねたのかレイザーさんがスリングを出して確保してくれた
最悪滑り落ちてもスリング分の距離だけでその下に見える垂壁へ落下することは無い
たったそれだけでもすごい安心感、精神的な余裕が出ると足が身体が安定する
さっきまで踏み出すごとにざざっーと崩れ落ちた斜面がなぜか崩れない、まるで山と一体になったような不思議な感覚だった
まるで山が自分の精神状態を読み取っているような、精神的に未熟者をからかうようにあざ笑うかのごとく脅しにかかってくる
一方こいつはからかっても面白くない奴だとなれば山は受け入れてくれる
そんな場面を2度ほど味わいながら沢をひたすら降りる
水は豊富に流れ樹木から時折除く青空が気持ちい良い
ただし足元は落葉がふかふかに積もってて夏場はヒルの巣窟だと聞いた

いよいよゴール地点が見えてきた、最後にレイザーさんと妙義富士をバックに記念撮影
帰りには妙義を見渡せる道の駅ならぬ道の風呂にて汗を流し、さっぱりして帰路についた

今回は独りでは決して味わえない貴重な体験が出来た
これも岳樺という素晴らしい山岳会に巡り合えたからこそ経験出来たことです
バリエーションデビューとして120点満点の山行となりました
最後に、今回同行頂いたレイザーさんには感謝です、記念に頂いた手袋は大切に酷使いたします(笑)

アーサー