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オジサン達の八ヶ岳定着山行を振り返って

■ なぜ八ケ岳西面か
岳樺クラブの山行にとっての課題は、基礎体力とパートナーである。Nobさんのように30kgを背負って、夏の標準タイムに近いスピードで歩けるメンバーもいるが、大部分のメンバーの体力はそんな状態でない。ラッセル、惨めな生活条件も苦手である。

それに3日以上山行を同行できるパートナーを探すのは一苦労である。クライミング要素のある山行を行うなら、アプローチが楽で、ラッセルもあまりなく、独りで入下山可能、ルート豊富、高い晴天率の、八ケ岳西面に限定される。また、横岳や赤岳の西壁かと食傷気味だけど再び出かけた。

■ メンバー構成
メンバー構成は、お互いに対等の関係でツルベで登れることを第一とした。連れていく連れていかれるでなく、お互いにアドヴァイスしながらいつでもトップを代われることが、山行を充実したものにし、経験として身につき、何よりも安全であるからである。

また、これは余計なお世話かもしれないが、メンバーがそのルートに相応しい生活条件か身体条件なのかを考えてみた。冬の時期にクライミングを楽しむとしたら、いわゆる冬期クライミング、アイスクライミング、海辺のフリークライミング、海外でのクライミングと実の多くの方法がある。

それを会とか自分のため、本人もその気だからといって、やみくもに冬期クライミングに誘うのはフェアーでないし潔くない。

私の倫理観からすれば首を傾げるものである。もっとも、これは私の感性の強要かもしれないが。

結果として岳樺クラブの会員のみとなったが、あくまでも結果である。山行はあくまでも個人のものであり、その後社会性が附随する。始まりは純粋に個人の意志であり、メンバー構成を会にこだわることは、山の世界の現状をみれば可能性をつぶしていくことになる。と洞察するのだが。

■ ルートの選択
ルートは、小同心クラックがNobさんから、中山尾根が竜少年から、ジョーゴ沢左方ルンゼ が錦少年・微苦笑さんから出された。いずれも、冬期グレード2級のルートで、過去会のメンバーが経験しているルートである。

いまでは中級ルートに格下げになっているが、ひと昔まえなら中上級ルートとして緊張して取り付いたルートである。

メンバーが決まった後、次のごとく考えた。


  • 小同心クラックは、風雪の時は避けるとしても、雪がつき風の強い時も可能であろう。
  • 4級の滝が続くというものの、いったいどんな状態か正確な情報の無いジョーゴ沢左方ルンゼは、プロテクションと敗退の方法が課題である。エイリアンとピトンを準備した。

■ 事前準備
敏速に標準時間以内に各ルートをこなせるよう、各人、早くからアイゼントレを開始して、広沢寺、日和田山に3,4回通った。とりわけ、小同心クラックの出だしをリードすることになっていたNobさんの意気込みはなかなかのものであった。

アイスクライミングは、12月中ごろに八ケ岳で稜渓山岳会と合同でトレーニングを行った。そこでS氏からいろいろアドバイス頂いた。

■ 結果
12/27 地吹雪の小同心クラック (錦少年・Nob)
12/31 快晴の中山尾根 (錦少年・竜少年)
01/02 快晴の左方ルンゼ (錦少年・微苦笑)

結果は、いずれも、冬期グレード2級のルートを基本的にはつるべで、標準時間以内に登ることができた。錦少年の中山尾根の第2岩峰リードにおける2mの墜落を除けば、ようやくある程度の水準に、八ケ岳に限定していえば、達したことになる。

地吹雪の小同心クラックをNobさんと風にあおられながら横岳山頂に抜けた。クライミングより耐風姿勢をとって歩くほうが辛かった。

中山尾根は、快晴にめぐまれ、竜少年は念願を果たすことができた。

左方ルンゼでベルグラの張った4級の滝を微苦笑さんがリードしたことは特筆ものである。それに左の尾根の懸垂下降は意外と緊張した。

これらは、4年間の経験、ロープワーク、基礎体力の向上、アイゼントレーニング、つるべが可能なパーティー編成などの積み上げの成果である。

我々の年齢でもどの程度の体力と技術があれば、安全圏で登れるかが少しわかってきたようだ。

文責:佐々木貴之

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