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ジョウゴ沢左方ルンゼ 2000/01/02

09:30 行者小屋BC出発。
竜少年が下山するとのことでお別れをして出発。ザイル45m2本・ツエルト・コンロを持つ。
F1は中央右寄り、階段状のところをフリーで通過。F2は左から高巻く。氷がやせて、バイルを打つと下の岩に当たりそうだし、水が噴き出しそうだ。あまり高さのないF3も同じく左から高巻く。快晴のジョウゴ沢は雪が眩しく、見上げる空は黒い岩稜に切り取られて青く澄みきっている。

11:15 左方ルンゼ出合。
踏み跡があるが、入山者は確認できない。それとも偵察に少し足を踏み入れたのか。今年は雪が少なくガレが多く露出している。少し登ったところで食べ物を口に入れ休憩する。

1ピッチ目 微苦笑がリード。傾斜のある氷のついた滑状を20m程登ると3mのガレにぶつかる。昨年は氷が張りついていたが、今年は全然ついていない。ここを突破するにはハーケンやフレンズが必要だ。左側から巻いて上にでる。雪に埋まった滑滝がしばらく続き、ザイルが一杯になり、立ち木にビレイを取りピッチを切る。

セカンドの確保に初めてGIGIを使う。ザイルを手繰り寄せる力はATCと同じだが、セカンドがスクリュウハーケンを回収している時など両手を使えるのうれしい。

2P目、錦少年がリード。10m先に4mの垂直な滝があり、其の下部まで移動し、フレンズなどで確保を作る。慎重にこなして上部に抜ける。順調にザイルが延びて、ビレイ解除のコールで微苦笑が垂壁に挑む。

スクリューを回収しようとしてセミチューブのバイルにフィフィを掛けて体重を預け、スクリューが半分くらい抜けたところでバイルを打ち込んだ氷が割れて30cmど落ちる。バイルの真下に重心がくるようにしないとだめだ。

3P目、微苦笑がリード。氷が盛り上がった傾斜の緩い滑滝を10m位登ると2mのベルグラの小さな滝に出る。できるだけ高い位置の氷が付いているところにスクリュウを捻じ込む。氷を突き抜けて下の岩に当たらないか心配する。

アイゼンを蹴り込む氷はなく、岩にアイゼンを引っ掛けて伸び上がり上部の平らなところに出来たアイスをめがけてバイルを打ち込んだ。幸いバイルがうまく刺さり体を引き上げることができた。

上部はザクザクの雪が被さった下に氷の張った傾斜の緩いところだ。とろがまたもや同じような小さな滝が現れ、今度は枯れて氷が殆ど付いていない。左右に逃れるルートも見つからず、思案にくれる。

1m位のところにある氷に短いスクリュウを捻じ込んだが気休めのようだ。右手のバイルを岩に引っかけ、岩の上にフットホールドを探し、伸び上がって左手のバイルを滝の出口にある氷に打ち込んだ。

バイルが効いて一気に乗り越す。少し恐かったが水の落ち口に這い上がることができた。後から考えるとこの乗り越すバランスは、フリークライミングのムーブが自然に出ていたようだ。少しはT-Wallの成果があっただろうか。上はやはりざくざくの雪に覆われたルンゼが50m続き、其の先にも5m程のベルグラの滝がある。3P目はここで切った。

錦少年と相談の結果、稜線に抜けることは止めて尾根伝いに懸垂下降でジョウゴ沢に戻ることにした。腹ごしらえをして、休息する。

ここからジョウゴ沢右俣20m大滝の上部が良くみえる。数年前TRでトライした滝で、必死でピッケルを打ち込んだ記憶がある。上の方は岩が露出している。又、赤岳天望荘が目線より少し上に見えるので、ここまでかなり高度を上げたようだ。

14:00 下降開始。
尾根に踏み跡らしきものあり、立ち木を支点にして4ピッチの懸垂下降で左方ルンゼ取り付き地点にたどり着く。
F2を下降準備中に10mと離れていないところをカモシカが悠々と歩いている。黒い体毛で子牛ほどの大きさだ。声を掛けたが全然振り向きもしなければ反応も示さない。赤い舌を出しながら我々の前を通りすぎる。

16:30 陽のある内にBCに着いた。

ベルグラのルンゼをクライミングするのは初めてで、バイルを使うにしろ、ハンドでホールドを掴むにしろ、ホールドを探すことが容易でない。文字どおり氷の壁ならバイルでなければならないが、ミックスしたところを攀るのは判断が容易でない。ただ体の動きはフリークライミングのムーブに通じる様な気がするが、どうだろうか。12月中句南沢・ジョウゴ沢でSさんから氷壁の攀り方を色々教えていただいたことが大変に役立ちました。この場所をかりて御礼申し上げます。

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