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奥秩父 瑞牆山十一面岩正面壁 翼ルート

山梨県韮崎市にお住まいの<杉>さんから瑞牆山(みずがきやま)・十一面岩正面壁[翼ルート]の写真入りレポートを送っていただきました。


【概要】 快晴に恵まれた晩秋の休日、瑞牆山(みずがきやま)でクライミングを楽しんできた。人工登攀のコースが多いこの山で十一面岩正面壁の翼ルートは人工要素が少ないルートである。 フレンズを利かせ、きれいなチムニーとクラックを十分に楽しむことができた。
【記録】 日時: 1999/11/21(日) 天気: 快晴 メンバー: M(42歳)、杉(46歳)<山域>奥秩父 瑞牆山 参考資料: 日本登山大系 <八ヶ岳、奥秩父、中央アルプス> グレード: IV+/A1(6ピッチ)

参考時間:
07:10 韮崎出発
08:15 グリーンロッジ先の工事中の林道脇に駐車
09:30 十一面岩正面壁 大洞穴左の取り付き点
10:00 登攀開始
14:00 十一面岩ピーク
15:00 取り付き点戻り
16:00 車戻り
17:10 帰宅



【詳細】
会社の友人のMが15年以上も昔ルートを拓いたこともあるという瑞牆山に登ることにした。ルート集<雪と岩121号の付録>を会社に忘れ、ちょっと古い資料をコピーして持参した。

大規模公園?の工事場所を過ぎて北ノ沢の右岸を登って行き、今年治山工事をやったばかりのガレ場を詰める。上部を右にトラバースすると、テントを2つ張れる岩小屋につく。この上がMが拓いたルートとのこと。ここから右の沢を詰め、左のケルンを上がると、正面壁の基部の大洞穴に着く。

取り付きはすぐ左のクラックである。10時になり朝日も射してきた。

最初の1ピッチはMがトップ。暖かいとはいえ、ビレーする間に手が凍えてしまう。1ピッチ目に、このルート唯一の人工登攀の個所がある。20m上のクラックの小ハングである。左のボルトにアブミをかけて休憩した後Mはなんとかフリーで乗り越す。

40分後私の番である。このハングはやはりフリーで越えられず左にトラバース。この後は快適な登攀で(しかし指先は凍え、息はハアハア)1ピッチ目めが終了。

2ピッチ目は30mのチムニーである。ザックはMが持ち、今度は私がトップ。体がすっぽりはいる、きれいで快適なルートである。フレンズも効き、気持ち良く登攀できた。このチムニーが今日のハイライトであり、海外での登攀経験が豊富なMも感心した好ルートである。

2ピッチで2時間近くもかかってしまい、大テラスで休憩。天気は快晴で南アルプス、八ヶ岳が見事に見える。

3ピッチ目は私がトップ。テラスを右にトラバースした後、3mのクラックが結構しんどい。以降はトラバースや短いクラック、チムニーを越え3ピッチ(105m)で稜線。

ここで一旦ロープをしまい、稜線のブッシュを登る。苔の付いたルンゼが最後のピッチであり、厚い氷をよけながらバンドに付き、ここから右にトラバースすると明るいテラスに出た。すぐ十一面岩のピークである。


4時間の登攀は疲れたが、ザックから水や行動食をとり出し、煙草の一服も最高に旨い。写真を撮った後下山。

最初に20mの懸垂下降があるが、あとは踏み跡のはっきりしたルンゼを下る。途中には固定ロープもある。

絶好のクライミング日和の週末であったが、今日一日誰にも会わず静かな山を堪能できた。午後3時に取り付き点戻り、遅い昼食を取って、満足しながら帰路につく。

車に戻る途中の道で正面の南アルプスに沈んでいく夕日を見ながら、残照に輝く十一面岩をバックに写真を撮って満足の一日が終わった。

ハンドジャムのために指先や手の甲が傷だらけになり風呂でもしみたが、日ごろのストレスが吹っ飛んだ、充実した週末だった。

(山梨/韮崎 <杉> 記)

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