小さな宝篋山の秋 ~2019.9.29~

dakekanba-admin

山域:筑波連山 宝篋山
日程:2019年9月29日(日)
メンバー:アッシー

9月9日、台風15号の通過により、千葉県民の私は身をもって台風の怖さを知りました。幸い、私の居住区は短い停電程度で済みました。今も尚、不自由な生活を余儀なくされている方々には、心よりお見舞い申し上げます。

9月29日。茨城県の気になる山、年間約10万人が訪れる宝篋山へはマイカーで約2時間。460.7ⅿの低山ですが、地元や多くの署名運動で国土地理院の電子地図に今年『宝篋山(小田山)』の表記を実現させたと、新聞でも話題になった山。15年程前、荒れた里山を整備したのがはじまりだとか。紙地図には記載はありません。(笑)8時30分にコスモス咲く小田休憩所付近の駐車場に到着。2カ所ある無料駐車場はほぼ満車。早朝登山を終え、退出する車と入れ違いにかろうじて駐車。往路は常願寺コース・4キロCT2H弱。復路は小田城コース・3、2キロ・1H20。高低差も420ⅿ程度。体に優しい山です。

8時50分出発。ぶらぶら散策するとこんな可愛らしい花に出合いました。
山の傍には射撃場。気になるのは途切れることない『パンッ、パンッ』という銃弾の音。熊は出ないし、日中獣たちも身を潜めている筈、と信じたい。経路図が道の角々に設置されているので、山道に入るまでは間違える事はないです。稲刈りを終えた田圃の情景。薄や萩の花を見つけ、秋へと移ろう季節に思いを寄せながら、今回の目的は購入したコンデジの撮影練習。最新機種は機能がありすぎて、使いこなせない。のんびり花を愛でる為、後から追いついた女性に先頭を譲って、実はTG-6と格闘。
HPで見つけてダウンロードした宝篋山トレッキングマップを片手に道を進む。小鳥たちの大合唱を聞きながら沢の小道は途中で常願寺コースと別れ、程なく合流する筈、だった。天狗岩へ向かう手作り看板を見つけたので、薄い踏み跡を辿り尾根道を進む。木にピンクテープがあったので疑うことなく進んだ。しかし、様子がおかしい。尾根の上は歩く場所も定まらないほど草木が茂る。廃道となったのか?地図にはないルート。外れたルートを軌道修正する。低山にありがちな薄い踏み跡と地形の罠にはまってしまった・・。
尾根伝いに歩くのは無理。隣のピークへ行くには沢筋へ一旦降り、猪のヌタ場にもなっている水場を登り返す。あら、またピンクテープ。踏み跡を不承不承探ると本来のルートである、尖浅間山頂に出た。時間は10時20分。藪漕ぎではひなたぼっこでまどろむ蛇に会い、何匹もの蜘蛛たちの端正こめて作った巣を破壊した。蜘蛛さん、すみません。我が身は、棘のある小枝で傷だらけ。久々に人の手が行き届いていない道を歩いた。
本来なら、快適な通過が約束されている登山道を歩くべきだが、道迷いの為やむを得ずのバリエーション。手入れの良い森を過ぎると、宝篋山山頂へ差し掛かる。麓から延びる3つのルートが合流するので見かける人の姿も増えてきた。山頂からの展望は素晴らしい。霞ケ浦と関東平野の大地。お隣には、日本100名山でお馴染みの双耳峰、筑波山。凝った造りの山頂テーブルには老若男女、賑やかな声が聞こえる。皆さん、楽しそう。早々に小田城コースへ向かう。

往路で『お先にどうぞ』と道を譲った女性が、正規ルートですれ違った。『あれ?早いですね。』と声をかけられる。山頂目指して自分が先行していた筈なのに、知らぬ間に追い越されて『ワープしたのか?』と思うくらい不思議な感覚なのだろう。正直に『道を間違えた』と伝えると怪訝そう。バリエーションなんて言葉すら知らないですよね?
硯のようにくぼんだ石、『硯岩』を通過すると『七曲り』にさしかかる。七曲り→七曲署のキーワードが頭の中で変換されて『太陽に吠えろ』を連想。テーマソングが、頭の中で鳴りやまない。

この山の良いところは、お手軽なのに展望の良さと、至る所に愛情の込もったベンチが設置されている点。高度を下げていくと曼殊沙華の花にお地蔵様。愛らしいつくばの里山。
11時50分に小田休憩所に到着。途中、興味本位で看板にあるポイントに寄り道しながら降りてきたので、時間的にはコースタイムより少し早く到着。帳尻があいました。
アッシー