リベンジ!武尊牧場から上州武尊山 ~2019.4.7~

dakekanba-admin

山域:上州 上州武尊山
日程:2019/4/7(日)
メンバー:Koo(L)、ドリル(SL)、Qちゃん、ムー


昨年の同時期に山頂を目前に敗退した経験を活かし、今回は登頂できたのか!?
12時間超の行動の末に参加者が経験し感じたものとは・・・では、どうぞ!


ラッセルと言うよりは踏み台昇降でした。

去年のイメージが強すぎたみたいです。詳しくはこちらの記事を。
4月に入ってすぐに、水上に積雪を伴う降雪が降ったのに、これがアンテナに引っかからなかった。

中ノ岳手前の急登を攻略し、そそくさと帰ってくるイメージ画像がモニターに薄っすらと焼き付いていたみたいだ。
あんなに使いたがっていたスノーシューを吾妻のカリカリバーンで使って、「ま~こんなもんでしょう」とそそくさとカラーボックスに沈めてしまったためか持って行くという選択肢がぜんぜん浮かばなかった。

牧場下の駐車場に車を止め6時30分、舗装路を和気あいあいと登って行くと、明らかに去年より雪が多い。キャンプ場に着くと去年は地面がむき出しだったのに、アスファルトと雪面の段差が胸元まである状況に「ラッセル訓練出発!」なんて言っていたのも束の間、4月の雪面の洗礼を受けました。

踝までの沈み込みは涼しい顔。脛までの沈み込みで汗をかく。膝まで沈むと息が上がる。この時期の雪は一度に沈まず、股に体重を乗せると10cm沈み、そこから立ち上がろうとするとさらに10cm沈む、2段踏込。この動作がじわじわと股に効いてくる。交代で進むも避難小屋に着いた時には4時間経過。すでに90分オーバー。予報と違ってそよ風と上空の青空に、近くて遠く感じる山頂。

とにかく進んで、去年引き返した急斜面に着いたのが6時間後。ここでやっとアイゼンの出番。去年は装備が無く躊躇して引き返した斜面も、「ロープが有るとあっさりと登れるもんだなー」と感じながら右側面の樹林帯を1時間で無事クリアー。

山頂に着いたのは8時間後。いや~きつかった~。読みの甘さで時間はかかったが、今回は天気が味方してくれて無事登頂することができた。山の一期一会を噛みしめながらの長い下山でした。
Koo

武尊牧場スキー場から武尊山のルートは去年の同じ時期に登り、私の体力不足と装備不足で中ノ岳手前で撤退した山です。
登山口の有るキャンプ場への道はこの時期はゲートが閉じていてクルマは入れません。スキー場も廃止されているためリフト等も使えないため駐車場から登り始めます。アスファルトのしっかりした道なのですが、所々ブラックアイスが有り油断すると転ぶので慎重に進みます。

登山口からは雪が結構残っていて、武尊山まで殆どラッセルしなければ進めませんでした。

四人で交代しながらラッセルしていたのですが、避難小屋を過ぎた辺りで私の足が痙ってしまいラッセルが出来きないので、申し訳ないと思いながら、三人でラッセルしてもらいました。

中ノ岳手前に着くとハーネスを付け、向かって右側からロープを出して稜線まで上がりました。なんとか武尊山に着き下山を開始しましたが、去年と同じく私の体力不足で足を引っ張ってしまいしまいました。

日が落ちる前になんとか登山口まで降りてこれましたが、駐車場に着いた時には辺りは真っ暗でした。
ムーさん、Kooさん、Qちゃんには色々助けて頂いて本当に有難うございました。
ドリル

最近、いろいろな体験をさせてもらっている。前回の吾妻連峰縦走ではホワイトアウトの怖さ、強風での体力消耗を体験するとともに積雪期に利用させていただける小屋のある事の有り難みを痛感した。今回はラッセルをすることの大変さを体験した山行となりました。とは言ってもほとんどむーさんの頑張りでしたが…(・_・;

ほとんど人が入らない武尊スキー場跡から山行は始まった。むーさん、kooさん、ドリさんは昨年のリベンジ、私は積雪期に川場スキー場、武尊神社から登った事はあるが今回のコースは初めてだ。出だし昨年スキー場を横切り痛い目にあった3人は〝急がば回れ〟と迷わず車道を選択。

このことわざを考えた人は相当痛い目にあったに違いないね。と話しながらダラダラと続くアスファルトの道を歩き、やっとリフトトップに到着。さてここからが試練⁈の始まりだった…
昨年スノーシューを持参したのに雪が少なすぎて使わなかったけど今年は雪が思っていた以上にあり、平坦な場所でもスネまで潜り「今年こそスノーシューが必要だった」と3人は嘆いている。

トレースは無くスネまでとはいえ、その高さまでの足の上げ下げは結構しんどい。起伏もあり細かいアップダウンが続くので尚更だ。しかも雪は重く無風快晴。日焼け止めを持って来るのを忘れたため、ハンカチで顔を覆うがあまりの息苦しさに日焼けしても構わないや(・_・;とすぐに外す羽目になる。
予想以上に時間がかかっているので、ほとんど休憩を取らず常に歩みを進めた方がよいとのむーさんのアドバイスに従い、しんがりになった時に水分補給や行動食を摂るが、先に行くメンバーに追いつくためには早足で歩がなければならずおちおち休んでもいられない。やっと昨年3人が撤退した場所に着いた時には昼を過ぎていた。

中ノ岳直下の斜面はロープ無しでも登れるかな?とも思うが、練習も兼ねロープを出し安全に通過し稜線に出る。山頂まではまだある。結局山頂に着いた時には15時少し前だった。記念撮影もそこそこに休憩も、ゆっくり景色を楽しむ余裕もなくすぐに下山する。

が、中ノ岳直下の場所では、安全第一!ロープを出すか皆に確認してくれるむーさん。バックステップで降りれば大丈夫と意見は一致し、ロープを出さずに通過する。
難所通過後に休んだのは一回だけ。登ってきた半分の時間で下山出来ないだろうからヘッデン下山は逃れられない。途中で暗くなるからヘッデンを直ぐ出せるとこに入れておき、会にも一報入れ車に戻ったのは19時過ぎだった。

無事に下山し、途中連絡がとれたから良かったものの、会長はじめ色々な方に心配をかけてしまった。長時間歩き通せたことは自信に繋がったが、何時にどこまで達していなければ下山する。などの判断も必要だったと反省する山行となりました。
Qちゃん

武尊牧場から上州武尊山のルートは、距離は長い代わりに急こう配が無くスノーシューの使用を想定していましたが、昨年登ってみると(昨年の記録)雪の状態はカチカチで、スノーシューを使う必要はなかった。そして山頂まで僅かという場所にある岩壁&雪壁の通過には登攀具が必要だが持ち合わせておらず、無念の敗退をしました。

今回は、昨年の経験を活かし登攀具を用意し、足回りについては2週間前の吾妻連峰縦走でも雪はカチカチだったので、スノーシューを装備表から外しました。絶対に登頂したかったので、朝早めに武尊牧場スキー場跡地の駐車場に着くと、ヤマテン予報では朝から天気はイマイチで午後には吹雪くとのことで、雲は出ていますが山頂が見えています。

歩き出してまず、雪がしっかりとあったことに驚きました。リフトトップ(跡)からカチカチの雪をスタスタと歩いた昨年と比べ、歩くとザクザク埋まったので「ずっとこの雪の状態だと難儀しそうですね~♪」とネガティブ発言が自然と出ます。

しかし「何だか身体が重いなぁ(^-^;」と感じた体調も、先頭でラッセルをしていると「今日は調子よいかも(*^^*)」と思えます。おそらくはルートに登り斜面でのラッセルが少ないからでしょう。とは言え、昨年の「道路を歩くように進んだ」のと比べると相当遅いので、山頂までの距離と現在時刻を確認して、「全員同時の休憩は取らずに、ラッセルを交代して後ろに回ったときに個々に休みましょう」と、みんなにちょっぴり厳しいことを言います。天気は悪くなるどころか快晴無風となり、アンダーシャツだけでも汗をかき喉が渇き、ラッセルを交代する度に水分補給をします。

スキー場跡地では足首程度だったラッセルも、進むにつれ脛から膝を行ったり来たりし「足首で済ませてくれー!」と祈りますが、積雪状況は変わらず我々の体力は減り疲労度が上がっていく。これ以上のラッセルとなると今回の敗退原因となりそうな状況でしたが、全員で先頭を交代した甲斐もあり昨年敗退した雪壁まで辿り着きます。

すぐに登攀具・アイゼンの装着を済ませ、コーさんのリードで雪壁に挑みます。ロープで確保されているのと、昨年と違い雪が柔らかく階段状になるため、100m以上ありましたが安心してクリア。

あとは中ノ岳を通過し山頂を目指すのみ!で、中ノ岳の岩場から見える上州武尊山までの稜線が、とてもアルパインチックなもので「ここまで来た甲斐があった!」と思う・・・が、岩稜部以外は相変わらずのラッセルが続く。雪庇とハイマツ帯の踏み抜きにも気を付けてルートファインディングするのは面白かったです。そして、予報通り黒い雲が北の方から近づいて来るのが確認できました。

最後の急斜面を登ると念願の上州武尊山に到着です。これだけの積雪の中を8時間かけてラッセルして来たのに、山頂の標識は雪に埋もれておらず、地面が出ているほどです。全員で記念写真を撮るのみの滞在で、15時少し前に下山を開始すると、それを待っていたかのように強風が吹きだしたので、風の落ち着いた場所(中ノ岳の雪壁よりも下)で、登攀具・アイゼンを解除し下山の遅れを会に連絡しました。会長である竜少年や、今回は参加できなかったすけさんからも元気が出るメッセージが返ってきたので、「(心配をかけて)申し訳ない」気持ちと「ありがたい」と思いながら、疲労した足を一歩ずつ前に出しました。

ヘッデン下山となると、出来るだけ明るいうちに歩を進めたいところですが、全員の疲労も激しかったので、まともな休憩は登りのリフトトップ時と、この時の2回だけとなる休憩を全員一緒に取り、スキー場跡地でヘッデンを点けて駐車場まで下りました。
今回は12時間超の行動時間のうち10時間ほどがラッセルとなり、体力的に厳しい山行でした。

しかし、4人の力を合わせて登頂したということに満足です。そして、来年は「スノーシューのありがたみを体験」しに、また登りたいと思います。その時は「どんな山が現れるのか!?」今から楽しみです♪
もちろん、一緒に登ってくれる仲間も大募集しています。ラッセルしたい方、スノーシューを楽しみたい方は、こちらをクリックください。
ムー