山域:北アルプス 錫杖岳
日程:2025.11.22~11.23
メンバー:ナナチ、A氏

初雪とともに冬季シーズン再来、今期初の北アは錫杖岳にきてみました。本来11月初旬に企画した左方カンテは雨で今日になったわけですが今週はそれが雨から雪に変わったということ。根雪になろうこの時期の降雪は荷物の選定に頭をごちゃごちゃにしてくれます。最初の予定だった早月のテン泊縦走装備からアルパイン装備へ転向。靴はアプローチも含め3足用意し、寝床は厳冬期仕様、整地も考えてスコップも持参。まぁまぁフル装備で車中はいっぱいです。厳冬期の左方カンテ、ミックスの度合いによっては自分には手の届かないレベルかもしれず今回は降雪量が核心となりそうです。
さて駐車場はわれらの貸切り、沢出会いテン場も然り。想定内でしたが誰も来ないことへの違和感と未知数への期待感が同時に上がります。一方でクライミング復帰したてのA氏は苦笑。

翌朝初日、曇り予報はまさかの雨。出るか待機か悩む。山間の雨雲はレーダーに反映しないこと多々あり。予備日があったので待機。2日目は夜から終日雨で待機。土曜になりようやく回復して出発しました。この日は晴天無風、最高です。待った甲斐があります。もし予備日がなければ雨雲レーダーにうつらなかった「曇り」を信じ予定通り20日に入山、そして翌、終日雨の中下山撤退を強いられたかもしれないので予備日に助けられました。もっとも歩荷で入れた笠が岳山行を潰した結果ではありますが。
朝食を食べて駐車場をスタートします。(余談ですがこの間は温泉~甲箱ツアーなんぞしながらそれなりに飛騨や富山を堪能しております。駐車場から富山湾までなんとたったの90分には驚き)
久しぶりの冬期アルパインフル装備は苦にならずテン場に到着することができました。設営して昼ご飯を食べたら偵察へ向かいます。
しょっぱなの渡渉ではあちこちに積もった雪を警戒しながら慎重に進みます。おそらくピンクテープがなければ終始GPSを片手に歩かなければならなかったと思います。水没のリスクも減ってありがたやピンクテープでした。例の白いヘルメットで半分くらいでしょうか、雪で踏み後は不鮮明ですがピンクテープあり、上がると取付きです。

爪とアックスで登攀できても核心ピッチでは確実に頭打ちだろうとなと判断。明日はアプローチを厳冬期靴にし登攀はクライミングシューズと素手で行くことに決めてテン場に戻りました。ところでこの途中にある目印へっちん、私的に「なんでヘルメットなんやろ??」説明のつかん残地人工物に異様な怖さを感じるのは私だけ・・・ぶるぶる
取付きからの下山ではA氏、渡渉(くだり)に懸念を示すも自分のトレースで下ることができて問題なし。
翌朝、歩きづらさは否めませんがこの自分たちのトレースとピンクテープの誘導で難なく取付きへ着くことができます。

厳冬期用の靴はここにデポしてクライミングシューズに履き替えます。岩肌はなかなか冷たそうですがポケットにマグマ、そして太陽のおかげで少しずつ気温上昇を肌で感じながらの登攀を開始。
左方カンテはほぼオールナチプロなので今回カムを#.2~4を2セット各自用意。
私は奇数Pを、A氏は偶数Pをいきます。雪、ベルグラ、水滴があり薄い手袋は秒速で水浸しです。ポケットのマグマがなかなかいい仕事をしてくれます。
P1:ルンゼ。特に難所無し。最初なので雪付の上に体重かけるのに慣れがいりました。積もった雪を手足で掻き出してホールドを探したり作ったり、、、あーたのし。。

P2:ルンゼ。特に難所無し。振り返ると穂高連峰ばーん!

P3:A氏いわく「前半の核心らしいよ、気を付けて」。ピナクル上からフェースを右上のピッチです。ここで少し時間を取られることになりました。ピナクル上からフェースを少し右上へいくとクラックがあります。その上にある古いピトンに、リーチ全く届かず。ここは軽く被っており落ちたくないな~と思ったのでクライムダウンして今度はさらに右方向へトラバース~からのカンテを超えてみようと苦戦するもカンテの向こうに超えるだけの手はなし、はて。トポにある“右上トラバース”ではないような気がした。最後これはないだろうとピナクル上から最初に見上げた直上っぽいのを行くことにした。ここしか弱点が見えない・・・。なんとか支点につきコール。ここはA氏が動画を撮っていたので後で見返してみようと思う。クラックが正解だったのかな。。。
P4:ワイドクラック。ここは実は滝谷のP1と似ており私のボディサイズだと手足有り余るワイドクラックと化し、ザックも背負ったまま生体で快適に攀じれました。ですがA氏は背が高く体も大きいためザックを後上げでこちらに挑んでいました。いい運動になったそうです。
P5:ワイドから左フェースへトラバースするところ。雪とランナウトで重心移動にけっこう度胸がいりました。ランナウトするところです。足場の雪を足で掻き落とすと左足を置きたいその岩はちゃっかり濡れておりそこへ置いた足に「おい大丈夫か」と自問自答します。なにせここまで支点とれていませんので。右足に重心を変えると今度は確かな左手がほしい、が無い、代わりに目の前にクラック。ここで#1が欲しかったが弾切れ。往生際悪く#2を手に取るも視覚的に無理なことはわかっていて・・・。そしてため息とともに#.75を入れます。まったくもってこころもとない。けっこう難しいと感じたピッチでした。ここを抜けると左上にしっかりとした大木がありそこに残地スリングあり、そのもうひとつ上をいけば大テラスです。

大テラスから見上げるP6は興味深い大きなクラックがすこーんと走っていますがここでタイムオーバー。
手つかずで帰るには後ろ髪惹かれましたが駐車場までの下山を考えると急いで懸垂です。下山~からの取付き&冬靴ピック~からのテン場&片付け~からの駐車場はもちろんへッデン下山となりましたが無事下山できてなによりです。
今回は11月後半に降雪があり錫杖岳そのものは貸切でしたが私自身ここをオールミックスまたはドライできる技量はなく、ゆえに降雪後とはいえクライミングシューズで登れたことはラッキーでした。
下山連絡が遅くなりお見守りいただいた会長にはご心配おかけしてしまいました。また事前に錫杖の情報をいただき参考になりました。れいさんとこっしーに感謝です。ありがとうございました。
P6以降の課題と装備やルーファイ課題を回収しに、次回また錫杖、楽しみにします。お付き合いいただいたA氏には車出しから運転、暖かい鍋までお世話になり、ありがとうございました。錫杖壁から見る焼岳~穂高の北ア、最高でしたね、また!
@ナナチ