千葉の山巡り・房州のマッターホルン『伊予ヶ岳』 ~2019.11.30~

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山域:房州 伊予ヶ岳
日程:2019年11月30日(土)
メンバー:アッシー

雨続きの関東。久々に週末の晴天という好機を見つけ、房総の山へ足を向ける事に。有志の方や関係者が台風で荒れた道を手入れしていると話を聞きつけ、伊予ヶ岳に行って参りました。

伊予ヶ岳は『房州のマッターホルン』等々と言われている336メートルの双耳峰。平群天神社の鳥居を車ごとくぐり、しばらく進むとトイレ完備の立派な無料駐車場。千葉には海はあるが、山に関しては低山だらけでお世辞にも誇れない・・。ヒルとダニの棲み処でもあるので、お持ち帰りのリスクが高い夏は避け、奴らが活動休止中の冬が千葉の山開き。

それから房総の山を侮らない事。毎年、死者が出ています。道が細く険しく、山深い。関東周辺の人気の山のように整備が進んでいません。このご時世に反して千葉県では登山届も郵送提出。万が一、遭難したらアウトかも・・。と、散々脅して本題です。

平群天神社からのルートは、聞いたとおり倒木もほぼ片付いていました。頂上へ向かう途中のあずまやをかすめるように巨木が根こそぎ倒れているのには唖然。台風の力に抗えずに倒れた木の幹の太さを見て、その凄まじさを感じました。一方、道端には季節違いの秋の花と早春の花の競演です。温暖な気候、房州ならではの風景でした。

岩場を通過するのに、やはり倒木が少し邪魔していましたが、使用するのに問題はありませんでした。伊予ヶ岳の頂上で雪を纏った富士山を一人占め。冬限定ですが、晴れた日の東京湾に面した見通しの利く房総の山は『富士山』鑑賞にうってつけです。この日の夕焼け空に見える富士山の怪しい美しさはゾクッとするほど、セクシーでした。

鋸山・伊予ヶ岳は『富士見』展望台として最高の場所。男性がこちらに向かってきたので
お声をかけさせて頂きました。台風後の山々を調査しに来たという地元の山岳会の方でした。同じ山好き同士。富津のショウジさんとそのお仲間2人と暫くお話させて頂きました。

これから富山の踏破調査に行くとの事でした。双耳峰を踏み、下山開始の岩場では次々と人が登って来ました。今朝は出発が遅れ、10時前スタート。まぁ、3時間あれば往復できる山。遅出しても支障はないのかも知れませんが、運よく人を避けて登頂できました。
(コンパクトな山なので、山頂は広くないのです。)
帰路、倒木を迂回した為に分岐を見落とし、富山へ向かう道に誤って入ってしまいました。登山道の脇の支柱の鎖は倒木によって千切られ、斜面を迂回するしかありません。『こんな悪路通ったかな~?』往路では通ってない筈の、沢に架かる橋で、気づいて良かった。地図アプリで現在地を確認し、引き返して来ました。(コンパスと紙地図も持参したが、最新情報満載の確実で早い手段につい頼ってしまいます。)ショウジさん達はこんな道を調査に行ったのでしょうか・・。すべての登山道が復旧した訳ではありませんでした。だから、観光協会のHPにあるように『通行止め』が正しいのでしょう。台風後、あの状況と同じ登山道を有志や関係者の皆さんが木を伐採し、こつこつと修復されてきたことは、容易な作業でなかった筈。不安定な斜面の上で安全を確保しつつ、重いチェーンソーを操る大変さ。伐採した材木の処理等々、人力で危険な作業ときつい肉体労働の賜物です。道を整えてくれた皆さまに感謝申し上げます。花に心和ませられたり、登山道でヒヤヒヤしたりでしたが、行ってみないと状況がわからない事もあるものです。これからも、道普請は続く・・と考えると、とにかくお体を大切に、そして何よりもご安全に、と願うばかりです。
もう一つのお楽しみ♪お隣・富山の山麓でみかん狩り。伊予ヶ岳を眺め、間もなく収穫が終わる甘~いみかんに舌鼓。ブルーシートがかかった屋根が並ぶ海辺のまちを見てきたので収穫を半ば諦めていたのですが、山に守られ、みかんの木には台風被害はなかったそうです。

千葉では『千産千消』という言葉があります。食育方針の一環で、『千葉で作ったものを千葉で消費しよう』という合い言葉です。房総半島の海では美味しい魚が取れ、新鮮な花や野菜・ジビエを扱うお店もあります。これから、お隣・鋸南町は水仙や早咲きの桜の季節。花めぐりのハイキングも楽しい。壊れた建物が痛々しいブルーシートの目立つ海沿いの地域も、人気の飲食店にはお昼時に大行列が出来、ちょっと嬉しい光景でした。
今月、3回目の房総旅。折に触れ、『千産千消』に励もうと思う初冬の休日。

アッシー