霞沢岳西尾根 ~2018.4.21-22~

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山域:北アルプス 霞沢岳
日程:2018年4月21日(土)~22日(日)
メンバー:ムー(L)、すけちよ、ドリル、Qちゃん

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GWに向けて4月にも雪山に登っておきたいと考えていたが、なかなかライトなルートが見つからない。北・中央・南アルプスだけでなく、様々に調べている中で上高地へのバスが開通した直後の土日だと分かった。せっかくだから上高地から登る山・・・「!」・・・某雑誌で紹介されていた冬季限定ルートの霞沢岳西尾根を思い出し、参加メンバーで準備を進めてきた。

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しかし、今年は3月以降の気温上昇が大きく雪解けが進んだため、登り始めても雪が現れない。急登のササ藪漕ぎが続き、テント泊装備+登頂後の宴会仕様のザックを背負った我々は苦しむことになった。「こうなったら早めにテントを張ってしまおう。」と考えるが、事前調査でテント適地と調べていた場所は雪がなく藪となっていた(>_<)

「こんなに苦労して(宴会用の食材&飲料を)担ぎ上げてもテント場が無かったらどうしよう・・・」という思いがよぎる。精神的にも体力的にも鍛えられる展開になるが、「広~い山頂で泊まれば良い!」と割り切って、私たちは焦らずに凍った斜面等の難所をロープで補助・確保しながら確実に登っていった。

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取り付きから山頂までの標高差のちょうど半分の2080m付近にスペースを見つけ、少ない雪のため整地に苦労したがうまく設営できた♪ここまで標高差580mを登るのに5時間ほどかかった(*_*;

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疲れてはいるけど、ここから山頂へはアタック装備でいけるため、1時間で300mほど進む。しかし、そこから「やっと」雪稜、しかもノートレース!が現れた。雪解けが進んだと言ってもノートレースの雪稜を歩ける機会はなかなか無い。慎重に安全なルートを選びながら進む。そして唯一の岩場では、ロープで確保しながら全員が通過したためペースは遅くなった。しかし、快晴の中を全員で山頂を踏むことができた。無雪期に登ったことのない霞沢岳だが「穂高がどーん!」と聞いていた通りの展望♪、全員で記念写真を撮りテントへと戻った。

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翌日の下山時も、急斜面はクライムダウン(=バックステップ)し、それでも心配な箇所は懸垂下降をしたため、危なげなく下山できた。3月末に登った爺ヶ岳東尾根では、滑落してしまい怖い思いもしたが、同じことを繰り返さないように全員で対応できたと感じました。

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また、ロープを出す場面などで、ドリさんやQちゃんが積極的にロープを扱ってくれたことや、すけさんが常にしんがりを歩きルート確認やメンバーへの声掛けと、皆が様々にフォローしてくれ「楽をさせてもらったなぁ(^_^)v」と感じます。

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この冬はGWを目標にして、かなりの強行軍でレベルアップを図ってきたため、山行では危ない経験もしました。しかし、今回の山行では、単に登頂するという目的を達成したこととは違った、登山パーティとして1つの目標をクリアした気がしました。次回はいよいよGW!今回仕事で参加できなかったコーさんも合流し、さらに楽しい山行にしたいです(^^)/

ムー

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今回の霞沢岳はGWの双子尾根に先駆けての山行の位置づけでしたが、それよりも前回の爺ヶ岳での反省をどう活かすか、という自身の課題として挑んだ山行でした。

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ひとつ目の課題は難所での対応。これは、自分だけでなくおそらく同行したメンバーも同じ気持ちであったと思います。「チームでどう判断、どう行動すべきなのか。」霞沢は核心部を含め爺ヶ岳よりも難所が多く、行きと帰りで計4回ロープを使いました。爺ヶ岳の反省からなのでしょうか、勾配のきつい雪稜では最初はお互いが声を掛け合って「ここはバックステップ(=クライムダウン)で」と伝え合います。やはり皆、同じ気持ちで挑んでいるのがわかります。

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でも何度目だろうか、声を掛け合わなくても独自の判断で安全な下降姿勢をとるようになりました。雪稜でのバックステップは時間を食ってしまうかもしれないが、実際やってみれば安心感、安定感が格段に違うし、肉体的、精神的な疲労も少ない。

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ロープはホールドの少ないアイスバーン状の斜面と、森林限界を過ぎたあたりの核心(岩稜帯)で使用しましたが、ここでは安全というより、正直、ロープを使えたことに喜びを感じました。やはり本チャンで使うロープは独特の緊張感があるし、その緊張からミスもしたり、お互いの気づきもあったりするので、それが今後の安全に繋がればよいのでは、と思っています。ロープの経験値が増えればスピードアップにもつながると思います。

今回は爺ヶ岳の反省が糧となって、チームの判断、個人の判断がうまく噛み合い、終始安定感のある山行になったことがチームとして一番の収穫になったはず。自分個人としてもうれしいし、達成感を感じました。調子に乗ってはいけませんが、こういった経験を積み上げてもう少し難易度の高いバリエーションに今後チャレンジできたらいいと思います。

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ところで、今回驚いたのが、Qちゃんの懸垂下降でした。経験は浅いと聞いており、一週間前の日和田トレーニングでも、やはりおぼつかない感じでATC、PAS、バックアップ(マッシャー)、セルフのやり方を習ったばかり。おそらく本チャンで初の懸垂下降だったと思いますが、今回はそれをテムレス装着のままで難なくこなしていました。自宅で練習したのでしょうか。自分も見習いたいものです。(あんまり褒めると某ムーさん、某ドリさんに、俺たちはどうなんだ!?となるのでここまでにしておきましょう)

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二つ目の課題は前回の爺ヶ岳での右ヒザ痛の対策。結果として終始問題ありませんでしたが、あれから毎朝毎晩欠かさずトレーニング、ストレッチを続け、当日ヒザにはテーピングを施し、ストックも装備しての山行となりましたが、なにより故障してから登る山はとてもイヤなもので、またヒザ痛が再発しないかとビクビクしながら歩くのはもうこりごりです。自分のカラダを知ることと、日頃のトレーニングとストレッチは欠いてはいけないものだと思いました。

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今回は雪解けにより積雪が少ないため薮漕ぎも大変でしたが、焼岳を背にして木漏れ日の差す稜線を歩くのはとても気分のいい行程でしたし、初夏の陽気で冬山と夏山を両方楽しめました。山頂からは穂高連峰が丸見えで去年の合宿で行った岳沢もはっきりと見ることができました。

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核心の岩稜帯では私にリードを任せてくれて嬉しかった反面、帰りの道で何度かマーカーを見落としてムーさん(リーダ)任せにしているのは反省です。夜は、雪で冷えたビール、手の込んだ特製の鍋料理に贅沢な時間を過ごさせて頂きました。メンバーに感謝です。お留守番のKOOさん、申し訳ない。

それと、ドリさん。シャリバテ病?なのかバテ気味でしたが、気にすることはありませんよ。徐々に力をつけていけば大丈夫です。自分も首、手首、腰、ヒザが壊れかけていますが、長持ちするように努力だけはしましょう。

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最後に薮漕ぎでも楽しく登れたのはこれまで築きあげてきた会の皆さんのおかげです。今後ともよろしくお願いします。

すけちよ

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今回、初めての上高地からの山行です。

有名な河童橋は渡れませんでしたが、綺麗な大正池を見ることが出来ました。

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何とか登れた霞沢岳からはアルプスの山々が見渡せ、最高のご褒美を貰うことが出来ました。

山行中はムーさん、すけさん、キューちゃんに色々なアドバイスを必要な時に受ける事ができて大変勉強になりました。

ドリル

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笹のバカやろ〜(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

今回は笹藪に泣かされた山行だった。事前に大体のことは予想してはいたが、あんなに雪が少ないなんて…

いきなりの急登。

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荷物が重いから笹を束にして掴み、身体を持ち上げるように登る。藪は深くかき分けながら歩くが、跳ね返りで顔や、足、腕に鞭のように当たってくる。私なんか悪いことした?ってな感じだ。足元も踏まれた笹が倒れているので滑る。が、笹薮って不思議だ。見た目にはルートなんかありそうにないのに、かき分けると道がある。これが藪漕ぎ好きにはたまらないんだろうな。私は好きになれそうにないな〜💦所々出てくる雪にアイゼンを付けたがこれがまた厄介で、引っかかり何度バランスを崩したことか…そうこうしているうちに、やっとテントを張れる場所を見つけ重たい荷物を降ろすことができた。今回は慎重に前回の反省を元に分担を決めてテントを設営する。何回か同じメンバーで設営すると手際もよく「時間も早くなってるな。」と感じているのは私はだけ?

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さて、天気も良いし今日のうちに登っちゃいますか。汗ばむ陽気にグズグズの雪&踏み抜き。と色々ありましたが、核心の岩場に到着。全く雪なし。ロープ無しでも登れそうだが、遠目にも脆そうな岩。話し合いの結果、ロープを出すことになった。リードをしてくれたすけさんから「ロープ出して正解!」の声が聞こえてくる。実際自分も登ってロープ出してもらって良かった。と感じた。

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登れそうだから登るのではない。安全に通過する為にはどうするのか。なのだ。

そこから目指す頂までは難所もなく、今回も快晴ほとんど無風の中、メンバー全員が頂きを踏むことができた。正面に鎮座する穂高の勇姿は何の日にかバリエーションにチャレンジしたい!そう思わせる山だった。今回は参加できなかったKOOさんにもこの景色見せてあげたかったな〜

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何回かロープを出す機会があった。ロープを出すと時間はかかる。天気も良く、足場も凄い悪い場所ではなかったが、これが違ったら?致命的だ。順番待ちをしている間にムーさんをみると、コールがかかれば直ぐにでもセットができる場所にガチャが準備されている。こういった、ちょっとした事の積み重ねでいくらでも時間短縮になり、安全に繋がるのだと感じた。

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上高地から高速道路までの沿道には、桜、芝桜、ヤマブキに水仙etcと、春を待っていた花々が咲き誇りお花街道で思いがけないサプライズつきの山行だった。

今回の山行の前の週に岩場トレーニングがあり、懸垂下降の練習の際、会長直伝の方法を教えて頂き、不安なく降りることが出来ました。ありがとうございます。GWで、暫く雪山とはお別れですが、別の山の楽しみがたくさんあると思います。諸先輩方、これからもよろしくお願い致します。

Qちゃん

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