GW【後半】涸沢岳西尾根+涸沢ベース「北穂東稜」

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山域:北ア 涸沢岳西尾根+涸沢ベース「北穂東稜」
期間:2014/05.02-05.06
メンバー:(西尾根隊:Bull、DG)、(本隊:竜少年、微苦笑、エミリン、Chokkonan)

GW後半・涸沢岳西尾根にBullさんと行ってきました。5/1夜新穂高深山荘前の無料駐車場に到着。仮眠の後5/2am3:30頃駐車場を出発した。翌日は天候が下り坂との予報の為、可能であれば今日の内
に奥穂高山荘まで上がってしまいたい。そう思って早出の出発となった。
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白出沢の出会いを過ぎ、西尾根取付きポイントには赤テープがあったので迷わずに取り付けた。大休止をとって6:00に取付を出発。ところがいきなりの急登で、藪漕ぎ、倒木越えの連続で難儀を強いられる。その次は残雪が融けて場所によっては太腿までズボズボ足を取られる始末。5日分の食料にテント、ギアなどそこそこの荷物を持っているので、ザックが肩に食い込む。
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標高2500mの幕営適地を過ぎたあたり、時計の針は13時を指していた。念のため予報をチェックすると、明日の悪天予報は昼以降にズレ込んだ模様。重荷でペースが落ちてきている状況を考え、このまま登り続けても山荘に到着が夜になるかもしれないと予想される事、この先幕営適地の確保が困難かもしれない等々を想定し、bullさんと話し合った結果ここを幕営地として今日は早めの就寝とすることにした。幕営地の整地に少々時間はかかったもののテントを張ってお約束の入山祝い。快晴無風の中、穂高や裏銀座の山々を眺めながら最高に美味しい酒をゆっくりといただけた。至福の時間をbullさんと楽しんで、18:00過ぎに就寝。
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5/3am2:00起床、朝食・水作りなど準備を整えて4:00過ぎに幕営地を出発。蒲田富士を乗越し、先ずは本日の核心ナイフリッジの雪稜歩き。冷え込んだ朝の気温で雪面はカチカチのアイスバーンとなっていた。雪庇のひび割れも目立ってきており、途中まではロープ無しで歩いたが、念のためロープを出すことにした。ここで滑ったら......なんてマイナスイメージは考えないようにして一歩一歩アイゼンとアックスを効かせて慎重に歩いた。GW前半に白馬主稜をやったが、それよりも緊張する場面が連続した。
bullさんと無線でやり取りしながら核心をクリアしF沢のコルにはam9:00頃に到着。予定通りだ。ここまで緊張したので、少し長めの休憩をとり二番目の核心に向かった。bullさんリードでルンゼの雪壁を登り詰め、僕はセカンドで登らせてもらった。
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ここまでくれば一安心と思い涸沢岳に向かったが、少し雲行きが怪しくなってきた。ここからの長い登りが想像以上に時間を強いられた。お昼前から風も強くなりガスも濃くなりホワイトアウト状態となった。先が見えないので時間はかかるがロープを出してスタカットで登ることにする。涸沢岳山頂付近は耐風姿勢でないと耐えられないくらいの強風となっていた。やっとの思いで山頂に到着、Bullさんとガッチリ握手交わした。ここからは下山だけかと思ったが、濃霧で先が見えない。メガネが曇って前が見えない。下山路を見失い20分程探し回った。
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なんとか見つかり穂高岳山荘には15:30分到着となった。いや~F沢コルから長かった。晴れていれば快適な登攀だと思うが、あの霧と強風では安全第一、ロープを出して正解だったと思う。二人共初めてのコースだったこともあり、時間的には余裕をみて計画したので冷静に対応できた。また、無線通信は有効だった。緊急時以外にも使い勝手が沢山あります。バリエーションルートでは携帯電話のつながらない所も沢山あるので、無線機を携行することは重要だと思いました。明日は本隊と合流だ!!Bullさんと登頂のお祝いをして早めの就寝となった。

5/4(日)上高地本隊(竜少年、微苦笑、エミリン、Chokkonan)と涸沢で合流です。早起きして涸沢に下山、先に到着していたyamatabiグループのテントを見つけ荷物をデポさせてもらった。急いで本隊荷揚げ補助のため空身で横尾へ向かった。
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待ち合わせの時間に30分遅れで到着、あたりを見渡すがを会のメンバーが見当たらない……。1時間程待ってChokkonan-sanが登場、ザックの上に更にザックをくくり付け、ゆらゆら揺れながら現れた。ど、ど、どうしたんだ---???聞かなくてもわかった。今回Chokkonan-sanが初の食当に抜擢され、かなり気合が入っていた。どうも気合いが入りすぎたせいか大量の食材(野菜中心)となり、昨日横尾まで辿り着けず徳澤泊となってしまった模様。そこから少し遅れて3人(竜少年、微苦笑、エミリン)が到着となった。ご苦労様です。空身で来た僕のザックは80Lだったが、皆さんから譲り受けた荷物(テント、食材、燃料)をパッキングしたらパツパツになってしまった。担いでみてわかった「これじゃ昨日は徳澤止まりだと」納得!!am9:00 chokkonan-sanと僕が先行して横尾を出発した。Bullさんに無線でその旨連絡。
Bullさんはテン場の整地を終わらせて、受け入れ準備万全にしておいてくれた。また、途中まで迎えにきてくれて荷揚げを手伝ってくれた。
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テントを設営して程なく本隊3名が到着となった。快晴の涸沢を満喫しながらテラスでビールとおでんをいただいた。夕飯はChokkonan特製の和風仕立ての鍋料理。かなりなボリュームで食べきれるのか?と心配したが生野菜中心だったので皆でペロリ美味しくいただいた。(さすがChokkonan-san)この日はとても解放感に浸たって深酒してしまった。
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翌5/5(月)朝から雪が降っていた。時折強く降る場面もあり、ヒュッテから雪崩の心配があるとの事でテントの移動がアナウンスされた。皆で協議した結果、移動なら撤収して今日の内に横尾まで下山
しようということなり、北穂東稜は次回の宿題として涸沢をあとにした。二股付近から雪が雨に変わり横尾につく頃にはズブヌレとなってしまった。テントを設営して暖をとり着干しして乾かした。今夜の夕飯はChokkonan-san特製のトマト仕立て鍋。これまた野菜とベーコンたっぷりでとっても美味しかった。
今回、Chokkonanさんとエミリンさんは残雪期の涸沢が初めてだったとの事でとても綺麗で良かったと話してくれた。その言葉に僕とBullさんは顔を合わせてニッコリした。
また皆で行ける山行を計画したいと思う。皆さん、有難うございました。

DG

<番外版・竜少年>「上高地、涸沢間の往復」

今年のGWはBullさん&DGさんが涸沢岳西尾根を登攀した後、涸沢で待っていてくれて、その上、横尾まで荷揚げのため迎えに来てくれる、というではありませんか。竜少年、微苦笑さん、ミエリンさん、そしてMikaさん一同、それならタダ涸沢へ行けばいいんですね、泪を流さんばかりに喜び勇んで参加することにした。多少の食糧の重さもそう言う事であれば横尾まで頑張れば、いいのだ。
 5/3 上高地で明神東稜を終えたMoさん一向に逢う。うー、幸先がいいぞ。しかーし、ズシリと重いザックは堪える、休みつつ、休みつつ、また休みつつ漸く徳沢に到着。もう4時を回っている。徳沢のテント村は100位あったように思う。草地に新品のエスバースナノを張り、早々に寝る。
5/4 我が一行が横尾に到着すると、既にDGさんが待っていてくれている。スゴイ。やっぱ若いっていいな、と思う。涸沢を7:30頃出たという、な、なんと一時間で横尾か。食糧、テントをDGさんの空のザックに入るだけ入れさせてもらい、先にDGさん、Mikaさんに行ってもらう。竜少年、微苦笑さん、ミエリンさんでまたまた休みつつ、休みつつ登る。
遥か彼方に涸沢ヒュッテの鯉のぼりが見えた時には、あー、もうすぐだ、もうすぐだ、とめげそうになる心を奮い立たせる。涸沢に着くと、な、なんとテントまで張ってくれてある、ありがたい、ありがたい。6人揃ったところで少し時間は早いが、涸沢岳西尾根の登頂を祝って乾杯した。明日の天気はどうなのだろうか?
5/5 予報に反して朝から降雪。周りにあれほど多かったテントが一つ減り、二つ減りして1/3以下になってしまった。涸沢ヒュッテから「雪崩の危険性がありますので、テントを移動してください。」とのアナウンス。では、と撤収して下ることとした。横尾に着くと、既に先行下山したBullさんDGさんがまたまたテントを張っていてくれた。もう、感謝のしようがない。今日は一日雨だった。
5/6 自家用車を新穂高温泉に駐車しているというBullさんDGさんと横尾で分かれる。また、休みつつ、休みつつ上高地へ下った。
 北アルプスの涸沢がこんなに大きいとは思わなかった。そう、山が大きくなった訳ではないのだ。ボッカしてくれたりテントを張ってくれたりしたBullさんやDGさんには大いに感謝している。が、振り返って、そうしないと登れなくなった自分に一抹の寂しさや、アキラメや情けなさが胸に迫ってくる。さて、これからどうしたものだろうか。  竜少年

<番外版・微苦笑>涸沢の感想

GW後半に涸沢へ入った。初日の天気は良く河童橋からの穂高は青い空を背景に、黒い肌に白い衣を纏い俊嶺な姿を見せる。少しでもあの嶺に近づき たいなと思う。バス停でテント・食料を分担し少し重くなったザックが肩に食い込み始める。遅れないよう必死であるいたが、だんだんと先頭から離れるばかり である。横尾までの予定が手前の徳沢でテントを張るというのでやれやれである。翌日は横尾でKさんの出迎えを受け荷は少し軽くなったが歩みは同じである。 こんな状態が最後まで連続して自分には苦行の山登りとなった。
山行の楽しさの一つはテントでの食事時である。疲れた体に適度のアルコールが入って、食器を前に鍋を囲んで、皆それぞれがささやかな自慢話を始 めるのである。笑いが絶えない。シュラフに入るまでのこの時間を過ごしたいがために登るようなものである。物事にはすべて終わりがあるようにどこかで区切 りが必要であろう。よたよたと歩いている姿をハイカーや登山者に見られたくないし、パーティの行動にブレーキをかけるばかりである。
今回の山行は、どこまで登れるか試したい気持ちもあり参加した。若い方々の応援もあり、何とか涸沢まで入った。降雪で一日キャンセルとなったが、自分の試登は納得しました。この経験を活かして次回の山行につなげたい。ありがとうございました。
2014.05.13. 微苦笑