GW山行【後半】明神東陵-明神主稜線-前明神沢下降 (同行:1名)

dakekanba-admin

山 域:明神東陵-明神主稜線
期 日:2014.5.2(金)~2014.5.3(土)
参加者:Nobu<記>、Sさん
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連休後半は明神に向かった。
同行者のSとは仕事の関係で20年以上の付き合い。
本職?はマラソンだが運動神経が良く、山のセンスもかなりのもので2月に横岳西壁石尊稜を一緒に登ったばかり。

5/02: 松本で落ち合い、沢渡経由上高地へ。
5:30BT、 写真を撮りながらゆっくりと明神目指す。
6:30明神館で一休みし、梓川を渡り信大ステーション脇より下宮川谷の道に入る。
宮川のコルに向かう支沢は雪が残っており、キックステップで登る。荷物が重いせいもあり、無雪期に較べ時間がかかる。
宮川のコルでアイゼン装着。上宮川谷のトラバースの頃には雪が腐ってき、一歩毎に沈み込み時間がかかる。途中からトレースを辿るがそれでも疲れ果て9:15やっとの思い出ひょうたん池にでる。
大休止。
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ハーネスなど、念のため装着する。持参のビール缶が1本、穴が空きザック内がビール漬けになっているのに気づく。ショック。9:45明神東陵登攀開始。第1階段は木登り、草付き急斜面を上がり、短いが急な雪壁を越え稜線に戻る。稜線沿いに黙々と登るが、所々雪面に亀裂が入り、微妙な登攀、あるいはトラバースを強いられ腐った雪の登攀で精神的に疲れる。
それでもザイルに頼ることなく、なんとかラクダのコル手前のピークを越え、慎重に後ろ向きに下降してラクダのコルに12:50到着する。テント跡を整地し、小テント(ツェルト?)を張る。明神東陵バットレルは目前。
主峰から前穂までの稜線が迫力を持って迫る。残った1缶のビールを分け合い、早めに夕食をとり、18時前に就寝した。
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5/03快晴。風が強かった訳でも寒かった訳でもなかったためか、寝過ごす。
あわてて起きて朝食を?き込み6:00TSを跡にする。バットレス下部のmix壁は落ちると止まりそうにないので慎重にザイル出し登る。核心部のバットレス上部壁は、下1/3程が雪に埋もれ、取り付いてすぐに凹角に入る。
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無雪期はそのまま凹角を上がれたが、さすがにアイゼンでは難しい。中間で、若干微妙な右へのトラバースをして、フェイスを登りビレーする。
バットレス登攀終了7:00。
終了点でザイルをほどき、締まって快適な上部雪壁を登り7:15主峰頂上にでる。強烈な西風にたじろぎ、休む間もなく下降に移る。急な雪壁を後ろ向きで下り、主峰?2峰間のコルにでる。2峰の上りはザイルなしでも問題なさそうだったが、雪まじりでもあり慎重にザイル出し、20m 2ピッチで登る。
ザイルを再びしまい、3峰に向かう。3峰の登りは頂上岩壁下の雪壁をトラバースし、頂上にでる。雪壁のトラバースは一見、ヨーロッパアルプス並みの雰囲気で、雪も締まっており緊張はしたが快適だった。
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頂上稜線にでて問題の下降に移る。尾根筋が若干複雑に入り組んでおり、ガスると迷いそうなところだ。岩の弱点を縫って下降する。
西面のためか雪は締まっており、短くても雪壁がでてくるとペースを稼げる。やっとこのことで3-4峰のコルに出て、本日初めての休憩をとる。
出発後既に3時間近く経っていた。風は相変わらず強く、飛騨側は雲が湧いて来ている。4峰を越えた先で、早めに前明神沢に下降することとした。
4峰に巻き戻るような形で小雪渓を乗り越え、下方まで連続する比較的しっかりした雪渓に出る。跡は後ろ向きでひたすら慎重に下降、下降、下降・・・。
本谷手前で亀裂が入り、懸垂下降…と思ったがなんとかうまく騙し込んで微妙なバランスで本谷に降り立つことができた。
さすがに暑くなり、雪も腐ってくる。本谷のデブリの上を駈け下り、よれよれになって岳沢登山道に11:30出る。
吊り尾根はガスに見え隠れし、地震で足元はグラグラする。
明神主稜線と前明神沢下降で痛めつけられ、ここからだけ沢小屋まで登り直す気力も失せ、翌日の奥穂南陵はあえなく中止、と決定。
小屋に宿泊キャンセルお詫びし、ガチャを外して一路上高地へ向かう。
前明神沢出合い12:00、上高地BT 12:45。
ほっと人心地ついていると竜少年に声かけられびっくり。
岳樺クラブ本隊のメンバーと思わぬところで遭遇となり嬉しかったが、奥穂南陵断念の言い訳を探すのに苦労する。
やっぱりちょっと後ろめたい、というか根性なしを実感する。来年への課題、ということにして岳樺クラブの面々と別れ、松本に向かった。

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3-4のコルより、3峰

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前明神沢上部

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前明神沢本谷