
日程: 2025/07/31〜08/01
山域: 南アルプス 北岳
メンバー:群草(L)、レイザー
行程:
7/31 広河原(6:30)→白根御池小屋(9:00)→第五尾根支稜2P終了点(14:00)→白根御池小屋(16:30)テント泊
8/01 白根御池小屋(1:30)→第五尾根支稜取付きスタート(4:00)→第四尾根取付きスタート(7:00)→第四尾根終了点(10:00)→北岳山頂(11:00)→白根御池小屋(13:30)⇒広河原(16:15)
主な装備: 50mダブルロープ×2、カム(#0.2〜3×1セット)
いよいよ決戦の日がきた。

一月前から緊張し、逆に考えないようにしていた位だ。
ザックも重い。16キロを超えていた。計らなきゃよかった。

それより頭を悩ませたのは台風9号の進路。
小笠原近海で停滞していたが出発時に予報が悪い方に動いた。
それでも昼までは曇一時折り畳み傘マーク
午後はビミョーな雲マーク
傘マークが夕方から。

前回会員がトライしたときは小雨の中だったと聞いていた群草は、レイさんが一緒だから…と、実は深く考えないようにしていた。
レイさんは勿論、様々考えてくれていた。

ギア類の一切をデポしに行った際レイさんから「究極の3択」問題が突然出された。

1 予定通り戦いに挑む ただし、時短が全て
2 明日、4尾根の取り付きを拝むところまで行き、撤退する
3 今日この場で数ピッチを楽しみ“このまま”ギアを持って帰る

群草の中では先ず2択になった。
1・2案と3案
群草悩む 3は無い。
敵前逃亡だ…が、天気がさらに悪い方に変化した場合、雨の中ギアの回収だけのためにまたここまで来なければならない
とても大きいリスクだ。だが消去

レイさんに確認する。
1案と2案の判断は、今ではなく、4尾根取り付きに到着した時点でも良いのか。
その通りだとの返事
では今は悩まない。

時短の為の準備をする。
下部岩壁2P登ってフィックスロープを張る。
明朝これを使ってヘッドランプで登る。
3P目で日の出のタイミングがくればいい。
1P目。晴れて2年半の思いを胸に群草リード!

2P目終えて振り返ると、オベリスク、八ヶ岳までくっきり見える。
雲も無く気持ちのいい景色。

よし!今だ。明日は無いかもしれない。
シャボン玉タ~~~~イム

レイさんもしみじみと景色を堪能している。
いつまででもここに居られるが、明日がある。
帰ろう。

まだ仕事は残っている。
明朝暗闇の中、この下部岩壁の取り付きまで迷わないようにしなければならない。
そのために群草 赤い生地を裂いてリボン状にしたものを3枚持参していた。
目印にするためだ。
これを石に縛り付けたものでケルンを3か所に作った

午前1時起床 天気予報は少々好転。
究極の選択の中の1案になるだろうと話し合った。
お湯を沸かすことすらせず、ポットのお湯でインスタントコーヒーを淹れ、パンを齧り、起床から20分ほどで出発。

下部岩壁に到着。
まだ真っ暗だ。
レイさんがフィックスで登り、私を引き上げる。
3P目でようやく空が白み始めた。とにかく時短での登攀が始まった。

それでも4尾根取り付きに着いたのは7時

快晴で空は宇宙藍(山屋さんなら理解してもらえると思いますが、青い空、なんて生易しい色ではなく「ウチュウアオ=群草色事典より」)

雲一つない。
午後に傘マークの予報なんて想像もつかない

それでもサクサク時短時短

マッチ箱の少し前から雲が急に湧いてきた。
霧雨、というか、ガスの中にいるときの水滴かで少し濡れる。

ギリギリのタイミングで4尾根終了点にたどり着く(10:00)

ハイマツの間を歩くとじっとりと濡れていた。
本当に間一髪のタイミングだった。

これで後は何が起きても満足すべきところだが、テントでの雨の不快さ、翌朝濡れたテントを担ぐことを想像してしまった。

山頂、肩の小屋を過ぎた頃、もしかしてバスの時間に間に合うようだったら、今日中に撤収しようか、と、どちらからともなく話が出て、実際そうすることができた。
広河原を乗り合いタクシーで出発すると間もなく大粒の雨が降り出した。
レイさんと顔を見合わせる。撤収してきて本当によかった。

今回は時短最優先でリードのチャンスが少なかったが、そうしなかった場合を想像すると、、、
結果オーライ、憧れのバットレスを堪能できたと言える。

この山行を許可してくださった会長、同行してくれたレイさん、応援メッセージをくれた会員達に感謝。
お天気も味方してくれて感謝。
これからの日ごろの行いには気を配りたいと思う。

<オマケ>
山頂についたときに先に休んでいたご婦人二人が、私たちのいで立ちを見て、「バットレス行ったの?凄い!素敵!」とハイタッチしてくれて物凄く喜んでくれた。
記念写真を一緒に撮りたいとまで言ってくれ、本当に感動してくれた。
私が自分のためにしただけの事なのに。
こんな事ってあるんだなぁと、ジ~~ンと来てしまった。

@群草
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三度目のバットレス、
今回はバットレスを夢見て入会したグンソウと2人でアタック (^^)/

過去のレポはこちら参照↓↓
北岳バットレス第4尾根 ~2021.7.22-24~ – 山の会「岳樺クラブ」 (千葉県勤労者山岳連盟加盟)
念願の北岳バットレス第4尾根 ~2022.7.16-18~ – 山の会「岳樺クラブ」 (千葉県勤労者山岳連盟加盟)
懸案はアタック日の夕方から雨予報、
時短計画をグンソウに提案し賛同いただく

2週間前にコッシーとアタックした屏風岩、
1パーティ目がアタック前日にフィックスロープをセットして夜明け前から登攀していた
第五尾根支稜の攻略はこれで行こう !(^^)!

4:00 第五尾根支稜取付きをトップバッターでヘッデンスタート

2P終了したころに朝日が射し込んできた。

6:30 第四尾根取付き到着
既に先行パーティが2ピッチ目に取り掛かっていた、ビバークしたのかな
我々は2番手かなと思っていたら後続の2パーティがやってきた
みな強者のいで立ちだったので1パーティに先を譲り、我々は3番手スタート(7:00)

今回の4パーティは皆バットレス経験者だったので、スイスイとピッチをこなし3時間(10:00)で終了点へ !(^^)!

北岳山頂に着くとギャラりー(登山客)が称賛してくれた、
この達成感がたまらんっ!

グンソウ、
今回の時短計画に賛同してくれてありがとう
お陰で夕方のスコール被害に遭わず無事に下山できました
そして、3年越しのバットレス達成おめでとう! (^^♪
次回はバットレスを目標としている後輩たちを、ぜひリードで引っ張ってください (^^)/

会の皆様、
グンソウの応援、そしてお見守りありがとうございました

@レイザー