山域:北アルプス
日程:2022.8.11~13
メンバー:osugi、コッシー
行程:
8/11(木) 室堂7:45-劔沢キャンプ場11:30-平蔵谷出合13:30-劔沢キャンプ場15:15
8/12(金) 劔沢キャンプ場1:50-長次郎谷出合3:00-VI峰Cフェース出合5:40-Cフェース頭8:30-八ツ峰の頭12:00-剣岳山頂14:45-劔沢キャンプ場18:40
8/13(土) 劔沢キャンプ場4:15-室堂7:45
昨年度、ガイドツアーにて剱岳・八峰Ⅵ峰Cフェース+上半縦走を予定していたが
天候不良や諸事情により直前に源次郎尾根ルートに変更となった。
源次郎尾根はアドベンチャー要素満載で楽しかったものの、尾根から見る対面のCフェースに『来年は絶対に登る!』そう誓った。
そして今年、コッシーからの『Cフェースに行きませんか?』との願っても無いお誘いに『行きます!!』と即答。
昨年度のQさん&レイさん大先輩のレポやYouTubeで研究を重ね、
満を持して出発日を迎えたその日、何とまさかの台風発生のニュース!!
アタック当日は何とか天気は持ちそうとの判断で決行する事となった。
先月の北岳バットレスで、私の体力不足により歩行に大分遅れを取ってしまったため
コッシーの気遣いでカムやガス類を持参してくれることとなり重量級の荷物となってしまった、、申し訳ない。
8/11 朝6時半 室堂到着、いざ剣沢へ。
夕食は剱岳を拝みながら、コッシーシェフによる超豪華ミネストローネ&フランスパンをご馳走になった。
至福の気分でアタックに備え早めの就寝。
8/12 0:00起床 1:50AM剣沢キャンプ場出発。
ヘッドライトを頼りに剣沢を下り第一の核心、長次郎谷へ。
昨年度のガイドツアーの持ち物を踏襲し、10本爪アイゼン(辛うじてある前爪)とストック(ピッケル不要と言われていた)で臨んだのだが、コッシーは諸先輩方のアドバイスにより14本爪アイゼン・ピッケルを持参していた。
長次郎谷の中盤にて大きなクレバスにぶち当たった。
クレバスを通過するには右側のカンテ状の雪渓を一度下り、更に斜面を登り返さなければならず、
私のひ弱な装備ではクレバスに落ちそうなことは目に見えていた。
コッシーの判断でピッケルを借りて下り、コッシーが上部で支点を構築し私はフォローで上ることとした。
コッシーがもしピッケルを持参していなければ、ここで敗退だったと思うと不十分な装備で挑んでしまった自分を猛省です。
7:45 Cフェース・剣稜会ルート取付き
奇数ピッチ:私 偶数ピッチ:コッシー
後続パーティーが気になり、3P目にてルートを右に取る痛恨のミス(間違われ易いとレポにも良く上がっている)
コッシーは4P目ハイライトのナイフリッジを安定の登攀。
対面には昨年度誓いを立てた源次郎尾根が美しく聳え立っていた。
Cフェース登頂、晴れ予報のはずが本降りの雨に!!
ここからが本番なのに、、と思っていたら雨はやみ上半縦走を決行!
レイさん・Qさんのレポを読み、今なら身をもって分かる、ここからが第二の核心。
地獄の岩稜登り下り&懸垂の繰り返し、ザレ場・ガレ場で落石させないように始終緊張の通過、、
途中、7峰下部にて高山植物が咲き乱れる踏み跡を発見し、迷わずそちらを選択(=巻き道)した我々でしたが
その後の本峰までの道のりは遠く険しく心が折れそうになりながら、なんとか剱岳登頂!!
最終核心は、剱岳⇒剣沢キャンプ場までの長い長い道のり。
既に心身ともに疲弊していて、一つの岩を乗り越えるのにも苦労し、最後は気力のみで歩いた。
18時半過ぎ、約17時間弱に及ぶ山行を終え、無事ベースキャンプに戻りコッシーと渾身のグータッチ。
今回、諸々の判断ミスをコッシーのカバーで乗り越える事が出来たことに改めて感謝です。
そして1年越しのCフェース登攀+上半縦走を成し遂げることが出来たこと、
数々の大きなアルパインの経験値を身につけられたこと、併せて充実した山行でした。
@osugi
■入山日
深夜バスで室堂に到着すると雨が降っており、雲行きを心配したがすぐに止んでくれた。
みくりが池で記念撮影!地獄谷、雷鳥沢と観光気分。
劔沢でテントを設営すると、翌日の下見のため劔沢を下り、平蔵谷出合いまで行く。
アイスのために新調したPetzlのアイゼンLynxの試し履きも兼ねて。なかなか調子は良いようだ(^^♪
テント場に戻ると、テントが増えておりその数おそらく100以上。これほど大人気のテント場だとは (Σ(゚Д゚)
天気が良いので外で食事、剣岳を見ながらの夕食はサイコー!
翌日に備えて早めの就寝。
■アタック日
出発時に時計を見ると1:50。長い一日の始まり。
長次郎谷出合いに到着すると3:00。既に何パーティーが雪渓を登っているのが見える。
しばらくすると大きなシュルンドが現れ先行パーティーが慎重に越えているところだった。
今回ピッケル持参を△にしたのが悔やまれる。もし2人とも持っていなければここで敗退かという場面。ロープを出し、下りだけピッケルの受け渡しを行い、何とか通過。アイゼン前爪+ピッケルは、必須です。
その後も長次郎谷は長く続き、かなりの重労働。熊の岩が見えてきた頃には、ようやく辿り着いたかという感じ。
事前に頭に叩き込んできたVI峰A〜Eの各フェースが見えてきて、テンションアップ⤴
Cフェース剣稜会ルート取り付きは、先行パーティーがいたが先を譲ってもらい、この日の一番乗り。
1P目osugiリード、難なくクリア。
2P目コッシーリード、調子上がってきた!
3P目osugiリード、フェースのルート取りを少し右に行ってしまい固まってる。ゆっくり左に戻り何とか越える。どうも波線ルートを辿ったようで、緊張感ありの登攀となった。
4P目コッシーリード、苦手だったナイフリッジも少し慣れてきたかも。
5P目osugiリード、Cフェース頭へ。
後ろからは数パーティーが取り付いているのが見え、熊の岩にはテントが10張りほど確認できた。
カムは、残念ながら使う機会がなかった ( ノД`)
9時を過ぎたら引き返した方が良いとレイさんのアドバイス時間より、少し早くCフェース頭に到着する事ができ、ここから核心と言われた上半縦走にいざ出発!
始めに出てくるVI峰懸垂ポイントには、既に2パーティーが準備中という状態。
上半縦走は、懸垂とIII級程度の登りが繰り返して現れ、体力勝負となってくる。
VII峰は、巻道があるのを見つけ、簡単に巻けたので、その後が少し楽になった。
VIII峰とは別にVIII峰の頭があるのは知らず、驚いた (゚Д゚)
長い岩稜登攀の末、剣岳本峰頂上の祠が見えると、さすがにホッとした。遅い時間にも関わらず、山頂には多くの人がおり、その後も登ってくる人が何名か。さすが人気の山の連休という感じ。
その後の下山がまた長い。早朝出発のためか、途中から睡魔に襲われ、ボーッとしてしまった。「30秒だけ立ち寝させて!」と何度かお願いしたり。劔沢小屋ではテント場まですぐのところスルーしてしまい、道間違いに気づくのに約10分のロスしたり。こんな初歩的な間違えしたのは、初めてかも。
結局、劔沢キャンプ場には18:40到着。行動時間17時間弱は、なかなか盛りだくさんな内容となった。
その日は、疲労のため泥のような眠りに朝まで起きることは無かった。
■振り返り
ビバークセットは、幸いにして使わずに済んだが、何か事があれば、このスケジュールで行動するのは難しいので、ビバークセットの必要性をつくづく感じた。わずかな睡眠でも体力回復には、効果的なこともあるなーと実感!
素敵な出合いが二つ。
①稜線上でオコジョ登場!少しの間ついてきてくれた (^^♪
②大きな鳴き声が聞こえ、見ると白い羽が少し残った雷鳥が!
Osugi曰く「おっさんが叫んでるかと思った」(笑
雷鳥が羽ばたいて滑空するのを初めて見た (^O^)
雪渓登攀、クライミング、岩稜縦走と現れ、岩と雪の殿堂と言われる所以を正に経験できたので、満足度MAX。とは言え、やっぱり山は総合力が必要だと痛感する良い機会となった。
Osugi、大変なルートでしたが完登できて感激です。同行してくれてありがとう!
@コッシー