念願の北岳バットレス第4尾根 ~2022.7.16-18~

dakekanba-admin

山域:南アルプス
日程:2022.7.16-18
メンバー:レイザー、アーサー、osugi、コッシー
行程:
7/16(土) 6:50広河原→10:00白根御池小屋→12:30バットレス偵察→14:30白根御池小屋(テント泊)
7/17(日) 3:20白根御池小屋→5:00バットレス下部岩壁→10:00第4尾根取り付き→17:00北岳山頂→19:30白根御池小屋
7/18(月) 6:40白根御池小屋→8:30広河原



いつかは行ってみたいと憧れていた北岳バットレス。
コッシー、レイさん、アーさんの強者トリオに加えて頂ける事となり、今日まで練習を重ねてきた。

しかし…三連休は全国的に雨模様>_<
それでもアタック予定の7/17だけは回復の兆し。
天気予報を見ては一喜一憂しつつも晴れ間を期待して新宿を出発!

憧れのアルパインルートではあったものの、ロープやギア、食料等々を背負って十数時間に及ぶ行程を歩き続けられるか?体力不足でメンバーに迷惑を掛ける事にはならないか?それだけが心配だった。

白根御池小屋に到着しテントを張った後、ルートの偵察とギアのデポのため第5尾根支稜取付きへ向かった。
軽々と登る3人の後をゼーゼー言いながら必死で追いかける私…ますます翌日の登攀に不安がよぎる。

登攀当日、午前1時半起床。
予報では晴れのハズが、小雨が降っている。
長丁場で皆に迷惑を掛けないように、こっそりアミノバイタルでエナジーチャージし、ヘッデン装着でいざ出発!

小雨が降り続くなか、第5尾根支稜の取り付きに到着。(付いて行くのに必死すぎてルーファイは全て3人任せ申し訳ないです…)
今回はレイさん➕私、コッシー➕アーさんペアでトライ。
バットレスの岩質はチャートで逆層が多く、全てのピッチが濡れてフリクションが効かず恐怖の連続でした。

その後も雨が降ったり止んだりが続く中、dガリー〜横断バンド〜ヒドンスラブと順調に進み、いよいよ第4尾根取付に到着。

1P目、私リードで以後はつるべで登攀。

我々を祝福してくれるかの様に一瞬太陽が顔を出したのも束の間、途中本降りに見舞われる。
ここまで来たらもう進むしか無い!

ヌルヌル滑る岩の僅かなスタンスを探し、終了点へ!
やった!!4人揃ってグータッチ!!
靴を履き替え、いよいよ北岳山頂へ。

私自身実は南アルプスは初めてで、初南アルプスは北岳バットレスを経て頂を踏むという何とも贅沢で感動的な瞬間でした。

最後に…
テン場やバスの予約から、常に先頭で頼もしくリーダーシップをとってくれたコッシー。
今回4人分✖3日間の食担を引き受けてくれ、ヘビー級の荷物を背負い、かつ毎回ゴージャスな食事を(ハンバーグや牛すじの煮込みなどなど!)振る舞ってくれたレイさん。
体力不足でヘロヘロな私を常に気遣ってくれたアーさん!(コッヘル貸してくれてありがとう!)

夢だった北岳バットレスに一緒に登ってくれた頼もしい3人の仲間に心から感謝です。
ありがとうございました(^^)

@osugi



昨年から連チャンでバットレスへ♪
前回のレポはこちら参照↓

北岳バットレス第4尾根 ~2021.7.22-24~

今回は2回目でメンタル的に安定していたので、食担に名乗りをあげました (^^)v

「最後の晩餐」ではありませんが、ビッグウオールアタック前後は美味しいもの食べたいじゃないですか!
気合を入れて、以下メニューを考案。

<アタック前夜>
ビーフシチューハンバーグ+高級フランスパン(byコッシー)
ビールと赤ワインが弾む♪

<アタック当夜>
おでん
ビールと芋焼酎が弾む♪

お陰でザック重量は初の28kg!  (>_<)
白根御池小屋までの道中、苦しくて声が出ず、、、

これが一つ目の核心でした(笑

前回は第4尾根取付き手前でルートミスしたが、今回はバッチリ「4」の字を発見してヒドンスラブへ (^^)/

しかしこのピッチ、直前の雨で岩はヌルヌルのドロドロ
フェースはツルツルなのでクラックを選択したがボロボロでコケだらけ、カムを決めても信用できず (//∇//)

これが二つ目の核心でした。

三つ目はマッチ箱手前の小垂壁、この辺りで一番雨に降られた(泣
ハーケンベタ打ちされているが、フェースはツルツルで全くフリクション効かず (゜o゜)
ハーケンにヌンチャク掛けて、A0しまくりパワーで乗り切った感じ

四つ目はマッチ箱懸垂後のピッチ。
ここもフェースはツルツル、途中からワイドクラックに移り何とかクリア

今年はワイド重点的に練習しておいて良かったあ ( ^ω^ )

コッシー、
安定しない天候の中、判断が難しいところもありましたが、見事にリーダーをやり遂げありがとう!
得意の気合い声が、ビッグウオールにこだましてましたね (^^)

アーサー、
マッチ箱手前のツルツル小垂壁、見事なリードでした!
城塞ハングのトラバース、スリルを楽しんでましたね (^^)

Osugi、
ラスボスチムニー越え、見事な執念のリードでした!
おじさん3人を引っ張り上げて貰いありがとうございます(笑
肩の小屋をジャラジャラとギアを鳴らして通り過ぎた際、沢山のギャラリーから羨望の眼差しを受け、ニヤニヤとドヤ顔してましたね (^^) 

悪天候のコンディション(お陰で終日貸し切りでした!)で登攀グレードアップ。
しかし皆、この1年間の練習成果を発揮、お互い助け合って見事にクリア!
このメンバーとバットレス完登できた事を誇りに思います。

改めて「岳樺クラブの会員で良かったー」と感じた山行でした ♪( ´▽`)

@レイザー



日本で富士山に次ぐ標高第2位の北岳へいつか登ってみたいという思いを遂に果たす事が出来ました。
事前の天気予報では晴れ時々曇りでしたが当日は時折雨が降るなかクライミングには厳しいコンディションとなりました。

雨で濡れた岩はほとんどフリクションが効かず各ピッチグレードは相当上がったのではないかと思われます。

バットレス経験者のレイさんオスギペアが先行しコッシ-と自分のペアが後を追う形をとりました。

難しいピッチではコッシ-のリードに助けられなんとか山頂を踏むことが出来ました。

取り付きまでのアプローチからクライミング全般を通し厳しいコンディションながらも落ち着いて行動が出来たのは常にメンバーとの一体感を感じながら行動出来た事が大きいと思います

テント泊の食事はレイさんに作っていただいたハンバーグとコッシ-持参の某有名店のフランスパンが非常に旨かった、もちろんそれ以外の食事も美味すぎ警報レベルでしたがそれを書いているとただのグルメレポになってしまうので省略させて頂きます。
ほんとにごちそうさまでした。

今回の北岳バットレスはコンディションこそベストではありませんでしたが、山行の内容としては100点満点に近い内容となったことは間違いありません。

@アーサー



憧れのルート、北岳バットレス。
山を歩き始めて間も無い20代の頃、北岳〜塩見岳の縦走時に大樺沢から見上げたバットレスに取り付いているクライマーに感激し、いつかは登ってみたいと思ったのを鮮明に覚えている。ついにあの大岩壁にアタックするチャンスがやってきた!

1週間前から、天気が心配で仕方ない。雨予報になったり、曇り予報になったり。不安定な天気に一気一憂を繰り返す。今回は、予備日がないので、アタックは、3連休中日のみ。この日に雨降らないよう、どれほどの想いを込めたことか。前日午後からアタック当日未明までの降雨予報の中、後は現地判断として出発した。

前日に白根御池小屋でテント設営後、早速取り付きの偵察とデポに出発。現地を事前に確認することで、気持ちの上でとても楽になった。アタック当日の荷物が減るだけでなく、アプローチを事前に把握でき、取り付きの様子を実際に確認できた事で、安心感が倍増した。

第5尾根支稜取り付きの岩の窪みに、ロープとガチャ類をデポし、テントに引き上げる。

テント場に戻ると、まだ14時過ぎ。明るい内からレイさん特製ハンバーグディナーに舌鼓を打ちながら、ワインで前祝いを楽しむ。
(レイさん、今回は食担から荷上げまでありがとうございました。山中とは思えない豪華な食事に大満足でした♪)

アタック当日、3:20にテント場を出発し、取り付きで準備を進める。レイさん/osugi先発、アーさん/コッシー後発、烏帽子岩左稜線と同じ布陣でのぞむ。

下部岩稜帯、1P 目コッシーリード、2P 目アーさんリード。ハーケンが岩と同化しており、危うくすると見逃してしまう。ランナウトにならないよう、宝探しのように目を凝らして、支点になるものを探しながらの登攀となった。

3p目をフリーで登った後、横断バンドに昨年いたというカモシカの死骸が白骨化して残っていた。ちょうどそこに飛び出したので、恐怖に慄いてしまった(泣

その後、横断バンドをトラバースして、cガリー脇を詰めていくと、その先にヒドンスラブを発見。赤い「4」の文字が印象的。

日陰のためか、濡れ濡れの逆層でとてもじゃないが、フリクションが効かない。レイさんリード後、上からロープを垂らしてもらう。ここはすぐ後ろに雪渓が残っており、アルパイン感が出てる!

そのすぐ上が、取り付きテラスと言われる場所。第4尾根主稜は、ここからなのか!?開放感があり、目の前には「つるりとしたクラック」が登場しテンション上がる。アプローチが核心とよく聞くが、うーん納得!!

そこから3Pで白い岩のクラックを抜けると、このルートの核心と言われる垂壁。アーさんリードで、苦労してるのが伝わってくる。A0でないと、とても無理。
マッチ箱を懸垂すると目の前にはワイドクラックが。レイさんに特訓してもらったチキンウィングを決めて、じわじわと這い上がる。

次に凹角を登ると枯れ木テラスへ。目の前のナイフリッジは、これまで経験のないくらいのシャープさに、思わず冷や汗💦ここが崩壊を起こした場所とは、後から知った。

最後の城塞ハングに到着したころには、すでにお腹いっぱい。先行のosugiがリードしたロープを降ろしてもらい、終了点へ到着。

思わず喜びが込み上げ、4人でグータッチ!

そこからお花畑を経由して北岳山頂で記念撮影(^^
その日のうちに白根御池小屋テント場まで戻ることができた。

今回は、初のビックウォール、同行頂いたレイさん、アーさん、osugiのサポートのおかげで無事に登頂する事が出来ました。緊張感を持ちながらも、楽しく登攀する事ができ、満足度MAXです。ありがとうございました。
また、これまでご指導頂いた岳樺の先輩方に深く感謝しています。今後もワクワクを求めて、長く山と付き合って行きたいな。と強く感じた山行となりました。

@コッシー