鹿島槍ヶ岳 東尾根 ~2022.5.3-4~

dakekanba-admin

山域:北アルプス
日程:2022.5.3-4
メンバー:レイザー、コッシー
行程:
<5月3日>
大谷原5:00→一ノ沢ノ頭9:30→ニノ沢11:00→第一岩峰基部12:40
<5月4日>
第一岩峰基部6:00→第二岩峰9:00→北峰11:15→南峰12:30→冷池山荘14:15→大谷原17:15


憧れの積雪期アルパインルート、鹿島槍東尾根(ルートグレードⅣ級下)に岳樺ブラザーズでアタック! (^^♪
この日のために、今シーズンは赤岳主稜(Ⅱ級上)→赤岳天狗尾根(Ⅲ級下)→白馬岳主稜(Ⅲ級上)と経験を積み重ねてきた。
・赤岳主稜
・赤岳天狗尾根
・白馬岳主稜
(上記、レポへのリンク貼ってます)

おニューのコッシー号で大谷原登山口駐車場に到着して1時間程仮眠、日の出に合わせて5時出発

30分ほど林道を歩いてピンクテープのある取付きへ。
え、雪が全くない。この急斜面の藪を登るの? (ToT)/~~~
「それでは行きますよ!」藪漕ぎ大好きコッシー、早くもハイテンション!

尾根に出てしばらくすると雪と藪がミックスになってきたので、アイゼン装着。
コッシー自慢気に「白馬岳主稜の反省でちゃんと修理して、予備ネジも持ってきましたよ~」

樹林がブナからダケカンバに変わり森林限界を過ぎると、一ノ沢ノ頭へ

藪混じりのナイフリッジや小さなアップダウンを繰り返すと二ノ沢ノ頭へ

ここで雲に隠れていた双児峰が現れた!

ここから上部は急な雪壁やトラバースが続き、ダブルアックスで攀じる

でも白馬岳主稜で経験しているので大丈夫、コッシー余裕の足取りでズンズン進みます (^^)

気が付いたらビバーク地の第一岩峰基部に到着、予定よりも1時間ほど早い !(^^)!
先行パーティは1組(4人)のみ、広々としたスペースに幕営

コッシー提案で、明朝アタックに備えて第一岩峰(高さ60mほど)の1ピッチ目にFIXロープを張る。
そして16時頃から宴開始、爺が岳東尾根の景観にウットリ !(^^)!

翌日3時起床、まったりと朝食をしていると続々とパーティがテント前を通り過ぎていく ( ゚Д゚)
気が付いたら我々は4番手、6:30取付きスタート。

第一岩峰
<1P目 50m Ⅱ級 コッシーリード>
雪のガリー左の体感Ⅲ級のフェースからミックスを直上

<2P目 50m レイザーリード>
急な雪壁が続いていたので、ツルベで登ることに

広い雪壁を頭上の尾根まで登りトラバースすると第二岩峰が現れる。
先行パーティがアタック中であった

第二岩峰
<3P目 25m コッシーリード>
脆い階段状の岩稜から左の凹角入る手前でビレイ

<4P目 25m レイザーリード>
核心の凹角(Ⅳ級)。
1P目はダブルアックスで攀じったが、とても太刀打ちできんと判断。
アックスはザックに縛り、テムレスを脱いで皮手袋でアタック。
A0せずに何とか攀じりきった !(^^)!

その後は気持ちの良い雪稜を雪庇に注意しながら登ると

「オーーーーッ!北峰獲ったぞ!」 !(^^)!

<所感>
赤岳主稜・赤岳天狗尾根・白馬岳主稜を経験していたので、体力・スキル・メンタルともに問題なく楽しんでアタックすることが出来た。
アドバイスいただいた会長、そして会の皆さんに深く感謝します。
そして岳樺ブラザーズとして一緒にアタックしてくれたコッシーリーダ、計画書作成から車出し、サプライズビールまでありがとうございました!

@レイザー


念願の鹿島槍東尾根。思えば3年前に白馬主稜へ行ってから長らく憧れ続けていた尾根へ、ようやくアタック出来る事に。確かレイさんに初めて話したのは、葛根田川の焚き火の時だったか。一緒にトライしてもらう事に感謝!

今回は新車で初の山行。アプローチで人生初の自動運転機能付きの車を運転したが、最新の技術は凄いことになってる。ドライブ中の疲れが少なく、途中休憩もせず順調に安曇野ICに到着。
GW真っ只中、途中道の駅で仮眠予定としていたが、あまりの混雑のため大谷原登山口へ移動して仮眠とした。

東尾根へは登山道を少し歩いた堰堤のあるところから取り付いた。初めからかなりの急登で草付きながら念のためアックスを取り出して進む。尾根へ上がると雪と藪が交互に現れて、アイゼンを出すタイミングが難しい。

レイさんに岳樺の木を教えてもらいながら、一ノ沢ノ頭へ到着。広々として、景色は最高!その後約1時間半でニノ沢ノ頭、テント設営には良い場所だ。

ここから雪壁やナイフリッジが現れるが、3日前に白馬主稜へ行ったばかり。体が慣れており雪の急斜面も何のその。グングン標高を稼いで行く。

第一岩峰基部には、予定より早めに到着。本日はここにテントを設営する。

先行パーティー含めテント2張りは問題ないスペースだ。正面に爺ケ岳が望め、まさに天空のテント場!

ただし夜中にアイゼンなしで外に出ると危険を感じるほどの急斜面なので、テント前の道をしっかりと構築し、ひとまず安全を確保。
この日のうちに、空身で第一岩峰にフィックスロープを取り付けておき、翌日に備える。

翌朝、日の出と共に行動開始の予定が、朝にゆっくりし過ぎてしまい、ニノ沢ノ頭にテン泊したパーティーに先行を許してしまった。岩峰取り付きは4パーティー目となったが、待ち時間は少なく結果オーライ。

第一岩峰は2ピッチ。重いザックを背負ってアイゼンつけてのクライミングは、なかなか大変だ。昨日のフィックスロープが心強い。1ピッチ目コッシーがなんちゃってリード、2ピッチ目レイさんリードで越える。

その後に現れる第二岩峰。1ピッチ目コッシーリード、2ピッチ目のチムニーが核心でレイさんリード。このチムニー越えが難しく、両足で突っ張るがアイゼンの歯をかけるところが小さい。右足が滑りロープにテンションかけてしまったが、何とか引っ張り上げて貰う。ここで体力を使い果たしてしまった(泣

第二岩峰を越えると北峰まではあと少し。山頂で登頂の喜びを分かち合い、南峰をバックに記念撮影。

南峰経由で赤岩尾根へ向かっていると、事件発生!何と3日前に白馬で壊れたアイゼンは右。反対の左がそれと同じ壊れ方をしてしまった。でも今回は心配無用である!修理したネジと針金をザックに忍ばせてあるので、わずか5分で元通り!アイゼン修理も慣れてきた(^^)/

赤岩尾根からは西沢経由のコースを取り、約1,000mの標高差を1時間程で下る。

今回は体力的にハードな内容であったが、テントを担いでアタックした3月の赤岳天狗尾根が、良い経験となったと思う。レイさんご一緒頂きありがとうございました。
また岳樺の皆様も、ここまで成長させて頂き、とても感謝しています。安全を優先しながら更なる高みを目指して行ければとの思いを強くした山行でした。

@コッシー

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