暴風の小同心クラック  ~2020.11.21-22~

dakekanba-admin
■山域:八ヶ岳(小同心クラック)
■日程:2020.11.21-22
■天候:晴れ/暴風

■参加者:Qちゃん、ドリル、レイザー、すけちよ(L)

 

 
八ヶ岳には何度も来ているが、11月のこの時期に来たのは初めて。
美濃戸口駐車場も赤岳鉱泉のテン場もガラガラでビックリ。
 
しかも山頂を見上げてみると、なんと雪化粧しているではないか! (゚o゚;;
ここ数日晴れ間が続いて2日前の山頂ライブ映像にも降雪は無かったのに。
昨晩から今朝にかけて降ったのだろうか。
先週末の天覧山でアイゼントレ実施したので、できたら小同心クラックもアイゼンで登りたいなぁとアイゼンは持ってきたのだが、これではピッケルも無いと無理だ、、、 (・_・;

「硫黄岳往復するか、小同心クラック取り付きまで往復のルートしかないだろう」と皆意気消沈、小屋ランチのビーフシチューを無言でいただく。
しかし食事後、外に出てみると「あれ?雪化粧が消えているぞ!」 (゚o゚;;
どうやら、降雪では無く霜で白くなっていた様で、陽の光を浴びて直ぐに溶けたようだ。
ヨッシャー!これで明日はアタック出来そうだ。
皆でテンション急上昇?? ♪( ´▽`)
 
今回の楽しみはQさんお手製のキムチ鍋!
これは熱燗で一杯やるしかないでしょう、日本酒1L担いできました (^^)

キムチ鍋と熱燗で身体を温め宴もたけなわ、早々に就寝。


翌日は7時に出発。今日も天気は良さそうだ ♪( ´▽`)
先ずは大同心基部まで。
踏み跡はしっかりあり、ルート違えること無く進むと垂壁の大同心がドーン! (゚o゚;;
えー、ここに登れる日はいつかくるのだろうか?
今はムリムリ。
 
そして落ちたらヤバイ崖をトラバースして小同心取り付きへ。
ここでハーネス 装着、先ずはすけさん・Qさん組がアタック。
 
ふと大同心方向を見ると、レンズ曇が、、、!(゚o゚;;
風も強くなって来た。寒がりの私のウェアは完全冬装備。
それでも手は痺れる様に冷たい。 (><)
うーん、午後から天候は荒れそうだ、、、
 
今回は時間勝負。

すけさんのアドバイスもあり、アイゼンで登るのはやめました。


さあ、ドリさん・私組のスタートだ!
ロープは7.9mmと細いこともあり、20m位で小刻みにピッチを切ることに。
 
1ピッチ目 私リード
 階段上の優しいフェースを左上。ピナクルにスリングでプロテクション。
 ホールドは豊富で見た目以上にしっかりしている。
 すけさん・Qさん組終了点手前のペツルでピッチを切ることに。
 
2ピッチ目 ドリさんリード

 チムニーに入り込んだところにペツルの終了点あり。


3ピッチ目 私リード
 過去レポには2ピッチ目終了点頭上のハング右側からチムニーに入り登って行くと記載あったが、左側の方が登り易かったので進むと壁が、、、
戻って左上するチムニーへグッと上がって入り、ステミング気味に登って行く。
傾斜があり、見下ろすとなかなかの高度感!
ペツルの終了点あり。
 
4ピッチ目 ドリさんリード
 この辺りからガスってきた (><)
 比較的ゆるい凹角を登ると小同心の頭に。
 

小同心の頭から横岳頂上直下まではリッジ伝いに進み、頂上直下の岩場はドリさんがフィックスロープを張ってくださり、無事に横岳登頂。

ドリさんとのツルベはこれで3回目となるが、ドリさんのポイントポイントでのアドバイスや安定感にはいつも感心させられます。見習わねば!
 
横岳山頂ではギャラリーの歓声を期待していたが、誰も居らず、、、(T . T)
記念撮影して早々に下山することに。
 
硫黄岳への稜線は風速30m以上はあろうか、吹き飛ばされない様に慎重に進む。
ここで会長のアドバイス「小同心クラック、核心はどちらかというと、アプローチと横岳から帰りの赤岳鉱泉までかもしれません。」を思い出す。
なるほど、納得です。

テント撤収して、無事に下山。


今年のバリエーション山行はこれで終了。
山行自粛期間もありましたが、会の皆さんのお陰で充実の1年でした。
ありがとうございました。
 
 
@レイザー
 
//////////////////////////////////////////////////////
 
今回は八ヶ岳の小同心クラックに行ってきました。
前日は赤岳鉱泉にテントを張り、おいしいご飯にお酒、楽しい会話であっという間に夜が更けて就寝。

朝5時に起きてご飯を食べ、身支度をして7時に出発、小同心の取り付きに向かいます。

硫黄岳方面に向かい大同心沢分岐を緑のロープを潜り大同心稜の尾根を登ります。
登山道のような道を進み、大同心基部からトラバースして小同心の取り付きに到着。

クライミングシューズを靴下を履いたまま履くが足の指が冷たい。

すけさん、Qちゃんパーティーが先に登り、レイさん、私が後に続く。
登り始めは天気が良かったのに、途中で急にガスってきて気温も下がってきた。
ビレイをしていると足の指の感覚が無くなってきて慌てて足指を動かす。

何とか終了点について、すけさん、Qちゃんパーティーと合流。

横岳山頂に出て強風の中硫黄岳経由で無事、赤岳鉱泉に到着。
今回も色々な良い経験をしたので次回の参考に生かしたいと思う。
 
 
@ドリル
 
//////////////////////////////////////////////////////
 
入山日は雪のついた山陵に明日の登攀は無理かもしれない…と意気消沈
2日目は雪は溶けたが殆ど垂直にしかみえない岩の登攀と高度感、下から吹き上げる強風に手足は寒さで痺れて感覚がなく全く余裕がない。セカンドでついて行くのが精一杯。
3p目はリードの予定がオールセカンド。

硫黄岳からの下りではまさか!(汗)の道間違いと不甲斐ない山行となりました。


それにしても今の時期は登山道の状況が微妙だからか?
寒くなり急激にコロナ感染者が増えたからなのか?
三連休というのにテントはまばら。
ビーフシチュー800円!ランチメニューに惹かれて入った小屋の中は閑散としている。
      “ 鉱泉小屋 = 賑わっている ”
状況しか知らないので物悲しいが、よくよく考えてみたら夏や雪のある頃に八ヶ岳に来たことはあるが、

この時間に来るのは初めてだ。こんなものなのかもしれない。


小同心クラック…誰がこんな場所登ろうと思ったんだろう?^_^
大同心も登れるらしいが間近で見上げる限り全く登れる気がしない。
小同心への取り付きまでの道、終了点からも一般登山道かと思うくらいのしっかりとした踏み跡がある
。特に終了点からは暫く歩いてもう一つ壁を登れば横岳の山頂に出る。

ここで休んでいる人が居たらひょっこり現れた我々に驚いたに違いない。

ここからは硫黄岳経由で戻ったがただでさえ風が強い硫黄岳なのにこの日は今まで経験した事がないくらいの強風で体が飛ばされそうで歩くのがやっとだった。

赤岩の頭まで来て後は樹林帯とほっとしたのも束の間、分岐を間違えて更に登り返す羽目に(涙)

疲れているすけさんを更に疲れさせ、先にテン場に着いたドリさん、レイさんを寒い中待たせてしまい、
美濃戸口の駐車場に着いた頃にはすっかり暗くなってしまった。
よく確認せずに、こっちで大丈夫。というなんの根拠もない思い込み。
前回の旗立て岩で反省したばかりなのに…
なんも成長してないな私↓
 
 
@Qちゃん
 
//////////////////////////////////////////////////////
 
久しぶりに早朝出で朝4時にドリさんが自宅まで迎えに来てくれた。
ドリさんとの山行も久々である。
3連休なので美濃戸口の駐車場と赤岳鉱泉のテン場の確保に焦る気持ちはいい方に(?)裏切られ、
着いてみれば駐車場もテン場もガラガラの状態であった。

コロナ自粛なのか天候不順を予期してなのか・・・?

真っ白な稜線を見てガッカリしたのもつかの間、午後からの太陽に照らされ氷雪は消えたようだ。
陽が陰る頃にまずは乾杯。
久々にQちゃん特製の鍋を囲み、絶えない話題と笑いに周りのテントの中でひときわ盛り上がっておりました。
 
翌朝、テン場は風が全くなかったのに、小同心に近づくにつれ時折風が強くなる。小同心は貸し切り状態。
3年前にも小同心に登った際に見た大同心の威圧感は相変わらずでしたが、来年の目標のひとつにしてみました。

(行く人この指とまれ~!)


小同心の取付きで支度をする間に風は更に強くなり、体感温度はかなり低い。
予定では丈の長い薄手のビジネスソックスに履き替えるつもりであったが、
冬用靴下のままで無理やりクライミングシューズを履いてみたところなんとか足が入ってよかった。
 
まずは先発のリードを担って左上し、途中の終了点を抜かして35m付近の終了点で1P目を切る。
風は更に強め、吹きっさらしの中での引き上げだけで足先に感覚がなくなってきた。
足踏みをしながら耐える。
2P目はクラック(というよりもチムニー)を右下に見下ろすようなコースを取り、
途中からクラックに入り込んだものだからロープの流れが悪くなった。
(前回の時も同じルートミスをしたような・・・?

クラックに入らなくてもクラック左をそのまま直上してもよかったかも)


3P目はクラックをステミングで這い上がるとすぐに終了点があった。
(2P目はここで切るべきだったかな)
少々ハング気味の岩稜を登りきると終了点があって3P目を切った。
風が強くなければ、「どのルートを取ろうか」「こっちへ行ってみるか」などと
楽しみながら登れる小同心であるが、どのピッチも寒さでそんな余裕はなく、
とりあえず早く上がろうという気持ちが先行した。
 
Qちゃんを引き上げるとQちゃんも足先の感覚がほとんどないらしくすぐにその場で登山靴に履き替えた。
後発のレイさんとドリさんはどうしたろう?
待てどもコールは全く聞こえない。もはや風は暴風となっていて声など聞こえるわけがない。
仕方なく30mほど先にあった風をしのげる場所に移動し、2人ツエルトをかぶりながら

2人が登ってくるのを見守った。


我々が終了してから、5分、10分と時が経つ。
「早くあの岩陰から頭を出してくれ」「低体温症で行動不能になっていたらどうしよう」
「もしあと10分待ってこなかったら懸垂で見に行くしかない」などとぶつぶつ独り言を言っていたと思う。
20分は経っただろうか。ようやくレイさんのオレンジ色のヘルメットが頭を出した。
続いてドリさんも。二人ともガッツポーズで元気のようだ。

これまでの山行でこんな辛い時間を経験したのは初めてで、私としてはここが今回の核心でした。


山頂(横岳の奥ノ院)へのかけ上がり10mほどをドリさんで締めて、
無事に山頂でグータッチ、会旗を広げることができました。
 
下山では硫黄岳の強風に翻弄されたり、ルートを間違えて峰の松目に向かうなど苦労しましたが、
この悪条件の中で4人が完登できたことはとても大きな経験となったと思います。
 
こうして4人が登れたのも会の皆さんのおかげです。
今後ともよろしくお願いします。
 
 
@すけちよ