涸沢から東稜&北尾根へ(北尾根 編) ~2020.9.19-22~

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行程
9/21(月) 4:00 涸沢ヒュッテ → 前穂高北尾根 → 15:00 前穂高山頂 → 18:30 岳沢小屋(テント泊)
9/22(火) 6:30 岳沢小屋 → 上高地 → 松本(瑞祥で入浴)→ 帰着(バス、電車)

■山域:北アルプス(前穂高 北尾根)
■日程:~2020.9.21-22
■天候:晴れ
■参加者:レイザー、Qちゃん、すけちよ

「このギザギザ、何て美しいスカイラインなのだろう!」
ずっと憧れていた前穂北尾根、遂にアタック?

涸沢を4時出発。あれ?先行パーティがいないぞ。
暗闇のガレ場でルートが分からん (・_・;
「困った時はヤマレコGPS !」今回も助けてもらい無事に取り付きへ。

振り向くと、後続パーティが続々と登ってくる。
どのパーティも涸沢に戻ってくるルートの様で、ザックは軽量。
一方我々は岳沢に抜けるルートのため、75Lザックはパンパン。
「どーぞどーぞ」と抜いてもらう。

本日は6パーティが北尾根にアタックしたと思う。

5,6のコルまで上がると夜が明け、初めて見る奥又白池が!
後ろを振り向くと、昨日登った北穂、そして奥穂がくっきりと臨めた。
今日も天気はバッチリだ ♪( ´▽`)

5.6のコルを後にして、まず最初は5峰を目指して登る。
踏み跡がちゃんと付いていて一般登山ルートのように登って行けた。
ただし、地震の影響か浮き石は多い。

4峰
コルからリッジをトレースするように上部の巨岩まで登る。
過去レポでは、「巨岩にぶつかったら左(奥又白側)へトラバース」と
書いてあったが、トラバース出来そうなルートが見当たらない (・_・;
地震の影響でルートが変化したようだ。
先行パーティに従いここでロープを出し、すけさんリードで右の尾根筋を通過。
続いてQさん、50mロープ半分でエイトノットにしてクリップ付け替えながら通過。
浮き石だらけで「ラクーッ!!」の連続であった (゚o゚;;
Qさん、無事で良かった、、、

3峰(核心)
4峰ピークから目前に見える3峰は「ドーンッ!」と異様なオーラを放って構えている。
ここも過去レポはあてにならなかった。
1P すけさんリード
見えないところからすけさん、「え?、ここでピッチ切るの!?」と聴こえてくる。
どんな所かと思って行くと、フェイスのバンド「空中テラス」に張り付いてビレイしているではないか ( ゚д゚)
2P 私リード
フェイスをS字にルート取りながら登る。

3P 私リード
チムニーを登る。チムニーを抜け涸沢側へトラバース。
4P すけさんリード
フェイスを登って稜線へ。
5P 私リード
チムニーを登り、3峰ピークへ。

2峰
3峰ピークに立つと目の前に2峰の登りが見えている。
3峰のインパクトが強烈過ぎて、楽チンに見えた。
但し1,2峰の間には約10mの懸垂下降点があるので、ロープを繋いだまま2峰をサクッと登って、Qさんトップで1,2峰のコルへと懸垂下降!
標高3,000mの懸垂下降は、数メートルであっても気持ちいいー!

ここまで来れば、もう前穂高岳の山頂はスグそこ。
ビクトリーロードを越えて山頂へ!

重太郎新道をヘッデン付けて下り、岳沢に19時前に無事到着。
「あとはテント張って本日の余韻に浸るだけだ!」と思っていたら、1h以上彷徨っても4人用テント張るスペースが見つからず (T_T)
小屋のオーナーに陳情したところ、ヘリポートにテント張らせていただくことに。
ありがたやー (ToT)/~~~

今回の山行は、今の自分の限界にチャレンジした感じ。
かつ、チーム一体となって成し遂げた達成感はハンパ無く、感無量です!
ソロ山行では決して味わえない感動を知ってしまいました。
すけさん、Qさん、そして会の皆さん、ありがとうございました。
ヽ(´▽`)/

@レイザー


 

らーく!!!
の声とほとんど同時に〝ゴン〟という鈍い音とともに脳天に強い衝撃がはしった。
まさかの落石直撃である。単行本くらいはありそうな大きさに感じた。頭がジ~~~ンとして暫しボーっとした後、ヘルメットにヒビ入ってないよね?私の頭は大丈夫なの?この先山行を続けられるの?と、一瞬のうちに色々なことが頭をよぎる。

直ぐ前にいたすけさんから大丈夫?と声がかかる。安定した場所に集まって暫く休憩しながら体調の確認をした。幸いにも問題がないので先に進む。いゃあ?それにしてもヘルメット大事!被って無かったどうなっていた事か、すけさん曰く、私に当たる前にすけさんのザックに当たったとの事。そこでだいぶ衝撃が和らいだのだと思う。改めてヘルメットの必要性を感じた出来事だった。

 

暗い中5.6のコルへの登り口を探すのに苦労し、やっと見つけた頃には後続パーティのヘッデンの明かりが続々と続いていた。あっという間に3パーティに抜かれ、ようやく明るくなった頃コルに着いた。ロープを必要としない5峰への登りもなかなかの傾斜だ。なんとかよじ登り4峰へ。(・_・;?先方のパーティをみて固まる。下調べだけでは岩が1番脆いがロープを出すなんなんて思ってもなかったが安全第一!ロープを結んで進む。その最中で落石にあたったのだ。

核心の3峰を含め、重~い荷物に写真や行った人のレポだけでは判らない現状は私を苦しめた。昨年行った北鎌や夏に行った源次郎尾根。それぞれその時が、1番しんどい。と感じたが、今回は比べ物にならないくらい辛かった。これでバリエーション入門?、掴む岩、足を置きたい場所はザレていて何にも信じられない(泣)。信じられるのは一緒に登っている仲間だけ。すけさんも、レイザーさんも初めての場所。

交代でリードをしリスクは高く、神経を使うのにダメダメな私を気遣ってくれる。2人について行くのがやっとだった。3人でロープを結んで登ったこともあり想像以上に時間がかかり、前穂高岳の山頂を踏んだ時には日は傾いていた。疲れすぎていて、
〝わー!やった~V〟
と、いうより無事に山頂に立てて良かった。という気持ち。

ツエルトを張っている人がいるのと、4回も北尾根を登った事がある竜少年(会長)の「渋滞していて時間切れで前穂高岳でビバークしたことがある」と言う言葉が頭をよぎり、ここにテントを張りたい!と思ったが、水がなかった↓。岳沢までも一般登山道といえども気が抜けない。おぼつかない足取りながらもなんとか歩けたのは、すけさん、レイザーさんに美味しいビールを飲んでもらいたい!と言う気持ちだけだった…
さて、ビールにありつけたのか?岳沢のあの段々畑のような場所に4人用テントが張れるような良い場所があったのか?は皆さんのご想像にお任せしまーす(^^)

兄貴肌のすけさん、努力の人レイザーさん
憧れの場所に登ることができ、無事に下山出来たのはお二人のおかげです。頼ってばかりでしたが、次に行く場所では一ヶ所でもリードができるよう精進します!

@Qちゃん


 

2時に起床、夜露で濡れたテントを撤収し、4時に涸沢を後にする。自主トのおかげか、前日の東稜の疲れはない。
またしてもレイザーさんのナビが大活躍で「もう少し左の方向」というレイザーさんの声に従うと、暗闇の中にケルンがいくつも現れてきて難なく取り付きにたどり着くことができた。
反面、そのナビがなければさまようことになっただろうから、取り付きまでの下見はやるべきことだと反省。
5、6のコルまでのザレ場は昨日東稜から見たよりも傾斜は緩く、比較的楽に登れたと思う。後ろに2、3パーティのヘッデンの明かりが見える。我々がトップのようだ。この後、いくつものパーティに追い抜かれるが、我々以外のほとんどのパーティが奥穂経由で涸沢に戻るか山小屋に泊まるかの身軽な装いであった。これを見てちょっと不安にかられる。

4峰の登りになり、先行パーティがロープを出していた。
ロープを出すのは核心部のある3峰からだと調べていたが、4峰もひとつのミスが命取りになるようなところだ。迷わずロープを出す。(この4峰で先月の初めに滑落事故が発生したことを後から知った)

ここで落石トラブルが発生する。
まさかと目を疑ったが先行パーティが落とした20cmくらいの落石が私に目掛けて飛んできた。避けながら「ラーク!!」を声を出すのが精一杯で、ザック右側を擦った後、下にいたQちゃんの頭部にヒット。当った角度が斜めだったため、幸い軽い脳震盪で済んだものの、直撃ならばヘルメットを貫通しただろうし、Qちゃんが上を向いていたなら顔面を直撃していたはずなので、ただではすまない落石であった。

先行パーティのビレイヤからは「落石があるので下にいないで下さーい」の一言。落石を検知し「ラーク!」と最初にコールしたのが私。我々以外にも下にはいくつものパーティが取り付いていたので落石を見逃してコールしなかった者の言い分ではないと思いカチンときた。
とはいうものの不謹慎であるが(無事だったから言えることですが)、落石で傷のついたQちゃんのヘルメットが名誉の傷のように思えて少し羨ましいすけちよであった。

直登と思われるコースをロープで登り、奥又白池側から巻いて来たガイド山行の3人のパーティに先を譲った。ガイドさんによると先ごろの群発地震で荒れていて巻道でもロープを出したとのこと。

3峰は数メートル高い位置からのスタートで、1ピッチ目は左上するコースでリードをしてみたが、途中で先行パーティが詰まっており、古いハーケンが3~4本刺さった狭いテラスで1ピッチ目を切ることにした。
狭いテラスの直下は奈落の底。こういった場所は聖ケ岩とかで練習していたので焦りはしない。古いハーケンにセルフを委ねる状況でQちゃん、レイザーさんを引き上げると皆の緊張感が伝わってくる。「ここはこれまでの山と違うよね!?」という気持ちだろうか。
我々のレベルからしてみれば、小川山や北鎌尾根とは全く違う「本チャン中の本チャン」で、ロープワーク、共同作業、安全確保とこれまでの練習の成果が試される。高度感、落石の恐怖はこれまでにないものだった。

ようやく先行パーティの詰まりが解消されたようで、レイザーさんとリードを交代しながら高度を上げていく。
2ピッチ目以降のルートは下調べしたつもりであったが、実際に登ってみるといろんなコースがあるようで、後からきたパーティは涸沢側を巻いていったりして我々は抜かれる一方だった。
我々としてもそのほうがゆっくりマルチピッチを楽しめるので久々に「お腹一杯」のクライミングとなった。

我々のパーティ以外は軽装備、クライミングシューズのいでたち。中にはフリーのパーティもいる中で、我々はテントに登山靴の重装備。後で3人で話たことだが、登っている最中は皆、「会長はこのパーティでよく山行許可を出したものだ」と自問自答していたらしい。(笑)

2峰からはQちゃんを先頭に懸垂下降し、無事に前穂高山頂(1峰)に到着。会旗で記念撮影をした時にやっと安堵感と達成感に満たされた気がしました。

この後、重太郎新道を経て岳沢小屋でテントを張ろうにも連休混雑のためテン場が空いてなく、1時間以上探した挙句、どこにも張る場所がないことが分かり、小屋のオーナーにお願いして、場所を見つけてもらった。
あらかじめ小屋で買ったビールで祝杯をあげたのは、21時頃だったと思う。皆、夕食も食べる元気もなかったが、今日の喜びに浸る冷えてないビールの味は忘れられない格別なものとなった。

翌日、上高地に着いてから下山メールを出すと会長から、「僕の念願の北尾根を3人で・・・」という返信内容は、これまで育てていただいた会長の思いや会の歴史が詰まっているように思えました。

参考までに以下はこれまで岳樺クラブがチャレンジした北尾根への会山行です。時(とき)とメンバーは違えど僕らも先輩達と同じ感動に浸れたのではないかと思っております。
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2004 女だけ・かんばの穂高
http://dakekanba-club.com/2004/08/2004.php
岳樺クラブの夏山 2006 – 前穂・北尾根
http://dakekanba-club.com/2005/08/post_11.php
奥又白池~北尾根~A沢
https://dakekanba-club.com/2015/09/28/%E5%A5%A5%E5%8F%88%E7%99%BD%E6%B1%A0%E3%80%9C%E5%8C%97%E5%B0%BE%E6%A0%B9%E3%80%9Ca%E6%B2%A2/
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こうして穂高を満喫できたのは、会の皆さんのおかげです。
今後ともよろしくお願いします。

@すけちよ