源次郎尾根 ~2020.8.8-11~

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■山域:劔岳・源次郎尾根
■日程:2020/8/8-11
■参加者:Qちゃん、レイザー

 

〝長雨の影響で岩と岩の間に雨が入り岩が剥がれ易いので慎重に登ってください〟
山岳警備隊の方に源次郎尾根の状況を確認した際にいただいたアドバイス、自分のトレーニング不足もあり無事に登ってテントに戻ってこられるのか?お天気はもってくれるのか?とマイナスな思考ばかりが働いていたが、3時半過ぎ2度目となるチャレンジが始まった。

取り付き迄は入山日に確認済み。高度計で確認しながら下って行くと
〝ここから雪渓におります〟
とレイザーさん。気圧に左右される高度計だけに頼らずケルンを積んだとのこと。いつの間に!流石〜。やる事に抜かりがない。
雪渓に移ると、既に尾根に取り付いているパーティの明かりが見える。最初の難関は案の定岩が濡れている。ここは空身でレイザーさんリード。私が2つザックを背負ってセカンドの予定だったが重すぎて無理💦結局私が登った後に残りのザックを引き上げる。暫くすると昨年はロープを出さずにクリアできた場所に到着。何回か試したがフリーで登ることを躊躇し、ロープを出してもらう(情けないなぁ〜)その後は灌木やハイマツを掴みながらぐんぐん高度をあげる。木登りか!でも有難い。この木が無かったら登れるのかなぁ…踏み跡は明瞭。それにしても素晴らしいロケーション。今まさに劔沢のテント場から見た急峻な尾根を登っているのだ。天候はカンカン照りでもなく、時折吹く風も心地よいベストコンディション!この先まだまだ劔の頂きは遠いけど頑張りましょ。

やっと一峰に着き暫し大休憩。
源次郎谷には熊の岩、その先には憧れの八ッ峰。どのコースを登っているのか判らないが、コールも聞こえる。来年こそは八ッ峰六峰のCフェースにチャレンジしたいね。そんな会話を交わす。

ここから大きく下り、さらに岩とハイマツの急なコンタクトラインを登ると二峰に着く。この先の高度感あるリッジを超えるとメインの懸垂下降。下りきったコルからは比較的に幅の広い尾根を登るが、個人的にはここが曲者と思う。なぜなら浮き石が多く、いかに落石を落とさないルートを選ぶかが肝心だから。

昨年よりだいぶ時間がかかり劔岳の頂きに着いたが、人は少ない。昨年は祠の前での写真を撮る人の順番待ちが出来ていたのに…

展望を楽しんだ後は更に気を引き締めて下山しましょ。

久しぶりの12時間超えの行動時間。ヘトヘトになりながら劔沢のテントに無事に戻り、20キロ超えの荷物にもかかわらず源次郎尾根登れたら祝杯をあげましょう!とレイザーさんが担いできてくれたワインの美味しかったこと(^^)
悪天候で心折れ、入山日の翌日には登らずして下山した人も多い中、停滞してよかった。
日が沈む間際の劔岳の勇姿を眺めながらの祝杯、日が落ちてからの満点の星空は格別でした。

 

 

 

 

 

停滞中に読んだ山野井さん著者の本に
〝山は逃げないというが、チャレンジする機会は限られてくる〟
という文章があったように思う。
年齢的なことや天候、情勢。
色々なことを考えると行きたい場所にチャレンジできる時間は限られてくる。人様に迷惑をかけないように悔いをしない山行をしたい!と改めて感じた記憶に残る山行となりました。

Qちゃん

 

山の日の連休は、もちろんクライミング !
剱岳バリエーション入門ルート、源次郎尾根に行ってきました♪

入会して初のお泊まりバリ山行、計画書に従い40Lザックに
パッキングしてみたら入らない(汗
75Lザックに詰め替えて量ってみたら23kg!
うーん、軽量化を図りたいところですが、祝杯用のワインボトルは
外せないなあ (>_<)

前夜発の毎日アルペン号で室堂へ入り、剣沢野営地へ。
残念ながらガスっており景色は見渡せなかったけれど、
この荷物、ピーカンの晴天だったらバテてたかも。

剣沢野営地のテントはまだポツポツといった感じ。
水場、トイレに近いナイスな場所をゲットして幕営。
今回は各々テント持参してきたのですが、QちゃんのFinetrackのテント
カッコええなあ。

幕営直後に雨が降り出し、テント内に退散。
雨が止むのを待って、源次郎尾根の取り付きへ下見に。
今年は大雨の影響で雪渓の溶け出しが早く、しばらく夏道を
歩いた後、標高2,245mで軽アイゼンを付けて雪渓歩きへ。

平藏谷出合いの目印となる大岩を横目に源次郎尾根取り付きの踏み跡を発見!
最初の関門となる岩場(これを越えられないと諦めて引き返すしか無い)を偵察。
山レコにはボルダリングで言う6〜7級程度と記されていたが、岩がツルツルに
濡れていてなかなか登れん (・_・;
意地でやっとこさ登り、Qちゃんロープで確保。
これで明日は何とかなるかなー。

しかし翌日は生憎の雨、強風でアタック断念(泣
終日テント停泊に。
でも、たまには終日テントで本読んだりして過ごすのも好きです。
各々テント持ってきて正解でした(^ ^)

そして、いよいよ山行3日目。
3:30ヘッデンスタート。
まずは、雪渓取り付きの標高2,245m地点を目指します。
プロトレックの高度を確認したら、おっと気圧変動で高度がズレているぞ(汗
でも大丈夫、目印となるケルンを積んでいたので迷わず目標地点へ (^-^)v
雪渓を降り、源次郎尾根取り付きへ。
既に2パーティが登り始めています。

まずは下見で練習した岩場の関門。
Qちゃんと息を合わせて何なくゲット!
下見の大切さを改めて感じました。

続いて木登りセクション。
所々枝が切られており、踏み跡もしっかりしているので迷う事はない感じ。
バリっぽくないなぁと思っていたら、もう1つの関門となる岩場が現れ
苦労しているパーティが
( ゚д゚)
えー、最初の岩場で力を使い切ってしまいましたよ (・_・;
後続パーティも居たのでザック背負ったままチャレンジするのはやめて、
チャッチャと空身で登りQちゃん確保、ザックは後続パーティに助けて貰い
ロープで引き上げました。

木登りセクションが終わると右手に八ツ峰がドーン!
挑みかかってくる様な岩壁がたまらなく美しいです。 ♪( ´▽`)
熊の岩のビバークサイトにはテントが2張、八ツ峰のフェースからコールが聞こえてきます。
来年は八ツ峰アタックしたいなー。

高度感があって気持ちの良い岩場を越えるとI峰、そしてII峰へ。
先行パーティとペースも近く、気兼ねする事なく楽チンです。

そしてハイライトの30m下降点へ。
丈夫そうな鎖が設置されており、安心感がありました。
1パーティ(2人)待ちだけだったので、50m2本ロープを準備して待機。
4月の星穴岳ではロープ回収に失敗した経験があるので、Qちゃんと繰り返し手順を
確認して、ロープダウン!
八ツ峰を左に見渡しながらの懸垂下降、気持ちいいですなぁ ♪( ´▽`)

最後は剱岳本峰へのビクトリーロード。
途中ザレていたり、ルーファイを試されるところもありましたが
登ってきた核心部や、立山三山、白馬岳など眺めながら気持ち良い登りを楽しみました。

剱岳山頂は10 名程度、祠の撮影待ちもなくQちゃんと達成感を味わいました。
あとは「ビール♪ビール♪」と声掛け合いながら山小屋へ。
テン場に戻ってからは、夕陽に染まる剱岳を酒のつまみにワインで乾杯!

会に入って初のお泊まりアルパイン山行。
源次郎尾根は、これまで経験した鋸岳や北鎌尾根と比べてクライミング 要素が高く
岳樺クラブに入会していなかったらチャレンジ出来なかったルートだと思います。

今回リーダとして山行を共にしていただいたQちゃん先輩、そしてゲレンデで
ご指導いただいた会の皆さんに感謝いたします。

今回の反省点は以下3つ。

リードが空身で登る際、セカンドのザック回収ロープワーク習得
冬山お泊まり山行の荷物に耐えられる身体を作ること。

下山してからも腰がイタイ、イタイ!

虫除けスプレーは忘れずに(テントに忘れた)

気付いたらオデコと後頭部10 箇所刺されてカユイ、カユイ!

レイザー