新潟 花の低山巡り ~2020.3.27-28~

dakekanba-admin

■山域:弥彦山・角田山
■日程:2020/3/27-28
■参加者:Assy

 春。満開の桜。植物達の活力・再生を感じられる素敵な時期です。今年はコロナウイルスが世界中を席巻。ニュースで取り沙汰された2月の頃にはこんなにも生活が一変するとは思い至らず。首都圏在住の私達に『不要不急の外出』という言葉は日々刻刻と厳しく、重く圧し掛かかります。「山に恋する者」としては悩ましい思いです。
 珍しい花を見に行く。それが私を山へ向かわせる理由。ちょっと前に行った新潟の低山には可愛らしい花々が誇らしげに咲いていました。(時節柄、詳細は割愛。)長い鬱々とした冬。雪の時期を乗り越え、こんなにも美しい花々を愛でることのできる新潟県民が羨ましい。夏にはヒメサユリ。来年は佐渡島に行きたいなぁ。新潟の花、素晴らしい~。夢は膨らむ。

 岳樺に入会する前に雪山を指導頂いた先輩が「凍傷で指切断」と耳にしたのは今年の初め。あんなに壮健な肉体をもった経験豊富で力強いリーダーが・・・。心が痛む。雪山の怖さを改めて思う。雪山は美しい。反面、荒れ狂った雪山は怖い。以前、雪山で負った指の凍傷で身も心も傷つき、やがて活力を取り戻していった山の先輩を見てきた。指先を失うと事務仕事のスキルやちょっとした生活の場面でも、どんなにハードルが上がるかも、直に話を伺う。重い体験から口を開くのに2年。自分がガチな雪山山行から遠ざかった理由の一つかも知れない。条件次第で誰もが負うリスクは怖い。風も無く穏やかな時に佇む、雪稜。白一面に光の反射でキラキラと輝く美しさは雪にしかない。行ってみた者でないと共有できないラッセルの辛さ、仲間と酌み交わすテントでのささやかな宴。雪山の素晴らしさを知らない訳ではないが年を重ねてクライミングに夢中になり、嗜好が変わったのも事実。

 入会当初、竜少年が示したクライミング課題。残り2ルート。やっと半年かけて1ルート落とし、クライミングのムーブを習得しかけている最中にコロナの影響で練習施設は休業延長中。4月に入り、拡散強化対策で自主練習もままならない現状で進捗なし。
 158センチの身体を駆使して、如何に完登するか、リードは持久力が要るし、ボルダリングはパワーやテクニックが必要になる。50歳過ぎたおばさんがどんなに頑張っても森秋彩ちゃんになれないと自覚している。ちょっと頑張れば挑戦可能なグレードの中で同じ施設の練習仲間と遊ばせて頂いている自分。(岳樺の同じ世代のメンバーはアルパイン嗜好でして・・・。)その中でビレイの難しさを強く感じるこの頃。ロープの先にあるのは人の命。クライマーの動きに合わせ、目を離さずロープを繰り出す。身長の高い人、手のリーチの長い人。登攀スピードやクリップまでのスピード。癖。常にクライマーの動きを注視し、予測を立てる。普段から切磋琢磨し合う仲間うちでも、自分の本気トライには「この人でないとダメ」という線引きが出来てしまう。命を預けるのだから仕方ない、と私は思う。
 何かの動画で「スーパービレイヤー」を見たが、岩の世界でも色々なサポートがあるようだ。自分の経験から登れる人=ビレイが上手いという事ではありません。自分にあったパートナーを探すのはクライマーとして一番難しい課題なのかも。(2月。福島・青葉の岩場で出会った山形からいらしたクライマーさんが自身の携帯で骨折画像を見せ、『これは小川山で怪我した時の写真ね、ヘリが来た。パートナーが止めてくれた。だから、今自分はいます。彼女は命の恩人ね。』と敬服の眼差しを送った先には小柄な巻髪の女性が。)流暢に日本語を操る、ロック歌手みたいに恰好いいクライマーさんの言葉は胸に沁みた~。
 生活面での自粛はいつまで続くやら。岳樺3月総会も無期延期に。先の見えない規制にくじけそうになるが、『明けない夜はない』と信じるしかない。やがて世の中が落ち着く事を願いつつ、今はただ、植物達が雪解けを待つようにじっくりと、夏山の計画でも立てて過ごすとしよう・・。
(写真はオオミスミソウ By弥彦山)

@Assy