やり遂げました。八ヶ岳縦走 ~2020.2.1-2~

dakekanba-admin
■山域:八ヶ岳連峰 硫黄岳・横岳・赤岳
■日程:2020/2/1-2
■参加者:Qちゃん、すけちよ
 

〝八ヶ岳ブルー〟

今回の山行は2日間ともこの空の下を歩く事ができました(^^)
 
赤岳鉱泉ベースで硫黄岳~赤岳の縦走をする旨を知人に話したところ、鉱泉日誌の1月29日の情報によると・・・
 
/ / / / / / / / / / / / / / / / / / /
 
硫黄岳方面
積雪20cm~吹きだまり100cm超
赤岩の頭直下斜面2400m付近で膝上ラッセル、雪崩発生の危険性もあったので敗退。(山岳ガイド情報)
 
地蔵尾根登山道
積雪20cm~吹きだまり100cm超
場所によっては膝上から腰ラッセル、雪崩発生の危険性があった為に赤岳天望荘までたどり着けずに、地蔵尾根頂上で敗退。(山岳ガイド情報)
 
文三郎尾根登山道
未確認ですが、地蔵尾根と同様の雪状態が推測されます。
 
南八ヶ岳の全体的に、たった1日で湿った雪が一気に降り積もり、雪質が不安定な状況です。
 
明日からはアイスクライミングエリアのある沢筋、一般道の赤岩の頭頂上直下(硫黄岳方面)、文三郎尾根の赤岳と中岳分岐直下斜面、地蔵尾根の斜面数ヶ所、中岳沢などで雪崩発生のリスクが高まっている。
 
/ / / / / / / / / / / / / / / / / / /
 

・・・とのこと。

慌てて、装備にビーコン、ゾンデを追加する。現地入りして状況をみて無理せず行けるところまで行こうと決め、帰りのことを考慮し、金曜夜発で睡眠時間も少ないなか、重~い荷物を鉱泉まで担ぎ上げ、テント設営後出発。流石に睡眠不足はこたえ、硫黄岳に登るだけなのになかなかペースが上がらない。途中すれ違ったわんこはスタスタと歩き、早くも硫黄岳の山頂を踏み下山してきたというのに・・・。雲泥の差だ。

ワンコ専用のゴーグルだとか。。。

ところで犬は高山病にならないのだろうか?人間も高山に強い人、弱い人がいるように犬も差があるのかもしれない。さて、やっと硫黄岳山頂に辿り着き、これから向かう赤岳方面を望む。

と、お、い・・・。

早くも心が折れそうだ。バテバテの私をみてすけさんがとりあえず横岳まで行こう。と声をかけてくれる。今の私の状態では時間もかかるし、赤岳まで行くのは無理かもしれないと思っていたので、うなずく。横岳山頂に着くとちょうど石尊稜をあがってきたパーティがロープをしまっていた。聞けば今まで何回が登ったが、下はラッセルで、今まで1番難しかった。と。

山頂に立ち、さて硫黄岳まで戻って下山するか、この先に進むか考える。どちらの方がリスクげ高いか。確かにこの先進むほうが岩場や、トラバースがありリスクは高くなる。が硫黄岳に戻る気は無かった。安全第一!気を引き締めて歩く。横岳直下のトラバースから見た石尊稜は地獄への道にしか見えなかった。あんなとこ登ってきたんだ。さぞかし大変だったに違いない。昔、知人がとてもきれいな雪稜だと言ってたな。今はまだ無理だが、いずれの日にか。

   

連続する気の抜けない難所を慎重に歩き、やっと地蔵の頭に到着。地蔵尾根を登ってきた人に聞けば、雪質の状態はグズグズで良くないらしい。ここまで来たら当初の目的である赤岳山頂に立ちたい。が、目の前に聳え立つ壁。どうする?と言うすけさんの問いかけに一回は首を無理と横に振ったが、そのわずか数分後には行きましょう。と言っている自分がいた。

亀の歩ながらなんとか赤岳山頂に立つことができた。初志貫徹。長い道のりだった。山頂では昨年の槍ヶ岳ブロッケンに続き、赤岳ブロッケンを見る事ができた。そしてここでも主稜を登って来たパーティにお会いした。山頂で写真を撮りながら、
〝いつかは主稜(^^)〟
と言っているすけさんの言葉が心に響いた。

ブロッケン見えるかな~?

2回目となる硫黄岳~赤岳縦走。今回感じたのは雪の量で怖いと思った箇所が違うこと。所詮ビビリの私だが、やはり1番嫌だと思ったのは文三郎尾根への下り始め。すけさんは俺たちが得意なバックステップだ。後ろ向きで降りれば大丈夫!とスタスタ降っていくが、私は苦手意識と、蹴り込んでもグズグズな雪質で、ガチッ。と決まらない足元にセミのように斜面に体をつけすぎ下が見えずにてこずった。
始終ペースが上がらず歩みの遅い私を気遣い、寒いなか立ち止まっては声をかけてくれたすけさん。足を引っ張ってごめんなさい。もっと心肺鍛えます!一歩一歩少しづつだが、経験積んでいろんなバリエーションにチャレンジしたい。

 
@Qちゃん

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回の山行は先月の3連休で行く予定だったが、天候不良で今回に持ち越したものだ。土日なので、「寝不足で」「アイゼン履いて」「荷揚げして」「行ったその日にフル縦走」と、体力と時間の闘いが想定される。うーむ、会に入ってからもこのような山行は記憶にないなぁ、と不安がよぎる。

美濃戸山荘からアイゼンを付けてスタート。赤岳鉱泉ではこの日「アイスキャンディフェス」が開催されていて混雑はしていたが、トイレにも近い場所にテントが張れた。アタックザックに替えて身軽になったものの、硫黄岳に着いた時点で悲しいことにカラダが「あらら?もう疲れてるんじゃん」と問いかけてくる。

快晴に照らされる赤岳を見るとけっこう遠くに見えて、あそこまで行けるかなー?と気持ちまでも弱気になる。横岳に向かう長い下りと長い登り返し。時折吹く突風に体力を奪われる。横岳の手前になるとようやく岩稜帯となり、これまでのグダグダな足並みに少しだけだが活気がつく。

横岳に着くと自身の疲労も否めなくなっていて、終了点とばかりに会旗を広げて記念撮影。「よし!写真も撮ったしさあ引き返すか」と安心したのもつかの間、「ここまでくると戻るも進むもかかる時間は同じですよね」とQちゃん。(内心ギクリ!)お互いサングラスとネックゲイターを付けてるので顔色が分からない。はて、Qちゃんはヤル気満々なのか?苦しいのか?うーん分からない。どうせ同じ時間なら進んだ方がいいので、弱気な私の背中を押してくれたと解釈する。ただ横岳から先は岩稜帯、トラバースが続くので不測の事態も考えないといけない。僕らの後にくるパーティもいない。相談した結果、最短ルートの地蔵の頭から地蔵尾根を下ることにした。

「今日はここまで」の会旗のつもりが。。。

途中、トラバース(カニのヨコバイ?)や梯子を乗り越えるも慎重に行けばロープを出すまでもない。なにより単調な登り下りよりも面白い。今年は希にみる暖冬。雪があるのは森林限界以上でそこから下は雪がほとんどない光景を見てきました。

地蔵の頭に着くとすぐそこにある赤岳の山頂がどうしても目に入り、「ここまできて」という気持ちが抑えられない。これが山の怖さというのも重々承知しているのですが。

日はまだ高い。ゆっくり下っても日が沈むまでには行者小屋には着けるはず。念のためにヘッデンをヘルメットに装着、行動食を口にして赤岳を目指すことにした。ここから山頂まではもっとも傾斜がキツくて長い登りだ。持病の腰痛も出てきて足腰が重い。Qちゃんもさすがに脚が重そうだ。自分の場合、辛いときは10歩もしくは20歩進んで一息入れるを繰り返す。

念のためにすれ違う人から文三郎尾根の状況を確認する。2、3日前の文三郎尾根は表層雪崩が起きそうな状態だったらしいが特に問題はなさそうだ。なんとか赤岳山頂に到着し、Qちゃんとグータッチ。絶景をバックに「偽りのない会旗」を広げることができました。硫黄岳もまだはっきりと見えていて、あそこから来たんだと、久々に縦走の喜びを感じました。

行者小屋からヘッデンを灯して鉱泉に着き、医療活動で来ていたみっちゃんに挨拶しに行くと、小屋の中はヘトヘトの僕らとは全く違う雰囲気。フェスで集まった人たちでにぎわっていました。

テントの中で長かった今日1日の反省会。乾杯からQちゃん特製のしゃぶしゃぶで疲れを癒し、「やり遂げられてよかった」など、満足ワードを連発して就寝。明日は帰るだけだ。たっぷり寝るぞー。

「寝不足で」「アイゼン履いて」「荷揚げして」「行ったその日にフル縦走」プラス「腰痛」と、辛くてちょっと無理もあった山行でしたが記憶に残るはずですので、よしとしましょう。

こうして途中で折り返そうと考えてもなんとか縦走できたのはQちゃん、会を築いてくれた会の皆さんのおかげです。今後ともよろしくお願いします。

p.s 次にトライされる方のために参考タイムを記載しておきますね~。

  •  4時 起床(某道の駅)
  •  7時 美濃戸口発
  •  9時 赤岳鉱泉着 テント設営
  • 10時 赤岳鉱泉発
  • 12時 硫黄岳
  • 14時 横岳
  • 16時 赤岳
  • 17時半 行者小屋
  • 18時 赤岳鉱泉着

@すけちよ