乾徳山旗立岩中央カンテ ~2019.6.23~

dakekanba-admin

山域:奥秩父
日程:2019年6月23日(土)日帰り
メンバー:ムー、サトちゃん(会員外)

梅雨の空模様を眺めつつ登攀してきました。
簡単ですがレポートをご覧ください(^_^)

初ザイルの2人に幸運の天気
サトちゃんのことは、だいぶ前から山友達のスーさんの山行記録に登場するため名前は知ってはいたが、最初は山行記録を読んでいて(読解力が無いため(;^ω^))名前と顔が一致せずにいた。昨年の奥穂南稜の際に、スーさん一行と出会った際に、サトちゃんも参加しており、そこで顔と名前が初めて一致したというわけです。
そんなサトちゃんと「どこに行きましょう?」という話しになった際に、乾徳山の名前が出て行ってみたかったルートなので「ぜひ!」となりましたが、私がリードする自信がないことを話すとリードしてくれると言う。なんだか申し訳なかったのですが、今回は史上最強のセカンド(?)を目指して山行を計画しました。
梅雨なので、天気予報には毎日のように雨マークが並んでいました。しかも降水確率は70%・・・。土曜日の夕方の予報では回復の兆しが僅かに見られたので、相談して出発する事になりました。そして、車を出してくれたサトちゃんは、わざわざウチまで迎えに来てくれたので、リードもしないのだからせめて担がなければと思い、登山口でカム等のガチャ類のどれを持っていこうかと相談していると、サトちゃんは全てを自分のザックに詰めだした。Wロープも1本持ってくれ「久しぶりの山なので担がないと!」って、さりげなく言う・・・なんかとても申し訳ないが、お願いしてしまった(;^ω^)
いつ雨が降るとも分からない天気なので、大平牧場の駐車場まで車で上がると、牧場があるのかと思っていたらソーラーパネルが斜面一面に並んでいてビックリ!(帰ってから調べると、計画ではパネル6万枚で14.7MWを発電するいわゆるメガソーラーであった。)

着いてすぐに駐車料金(800円)を支払うと、ポツポツと雨粒が落ちてきた。「お金を払ったばかりなのにィ~(>_<)」と心の中で思ったが、しばらくすると晴れ間がみえてきたので出発する。
大平牧場“跡地”からスタートするので、標高差は少なくなったが急登で、もしも晴天であれば蒸し暑くなりそうな樹林帯の中を登り続ける。

微妙な天気のせいか途中でトレランのカップルとしか会わず、登山道から岩場の取り付きへと懸垂下降するポイントへ到着。ここまで登ってくる間も、葉っぱに雨が当たる音がしたり、風が吹いて葉っぱから水滴が落ちてきたり、足元の岩がしっかりと濡れていたりとテンションが下がる条件ばかりが続いていた上に、これから登攀する岩場はガスに覆われていてしっかりと見えない。視界は30~50mくらいか・・・。

ただ、状況は急激に悪くなるようなことも無かったので、まずは懸垂下降することとした。Wロープがゴチャッとしたまま放り投げてしまい、絡まってサトちゃんが下りるのに苦労していた。申し訳ない。狭いチムニーの中を、ザックをズリズリしながら下りていくと、ガレ場が続き「落石をしないように気を付けないと」と思った矢先にラクしてしまう。なんだかその後は、思ったよりも薄い踏み跡を辿り取り付きに到着。

ここでアンザイレン・ガチャ類を装着している間にもポツリポツリとくる・・・。なんともハラハラさせられるが、たま~に薄日が差すと暖かくて、岩に付いた雨粒も蒸発しているようだ。サトちゃんが核心である1ピッチ目をリード!カンテに対して左側のルンゼから取り付くので、カンテまで右上して出るまでがいやらしい。しかし、落ち着いてカンテに出た後の核心と言われるハングも越えていく。少しして「ビレイ解除」の声。

「せめてセカンドとして時間をかけずに早く攀ろう!」と思いながら取り付く。リードしている想定でいくと、やはりカンテに出るまでの手がなくドキドキ、ハングを乗り越える際の勇気が不足してハラハラ。

サトちゃんのアドバイスで1ピッチを終了して、2ピッチ目を見ると「私でも登れる階段風♪」だったので、優柔不断ながらも効率を重視して“つるべ”で行くことにする。

スタートすると思った通りの階段状で、残置ハーケンやカムでプロテクションを取ったが、快適なピッチでした。

3ピッチ目は、登ってきたサトちゃんにそのまま進んでもらい終了!3Pの終了点だけペツルが打ってあるが、その先の登山道までも確保したまま進み、登山道と合流したところでガッチリと握手した!

中央カンテは、取り付きのルンゼを挟んで登山道と面しているため、好天であれば一般登山者も多かったのだろうが、今日はあいにくの天気でギャラリーはゼロ。サトちゃんは、ちょっと残念そうだった。恥ずかしがり屋(?)の私は、無事に終了した満足感で充分に満たされていたが、そういえば北鎌尾根を終えて槍ヶ岳山頂に着いた時の大歓迎は嬉しかったことを思い出した。

ガチャ類を片付け下山し始めると、バサバサーと葉っぱ全体が鳴り出して、先ほどまでのポツリポツリとは違う勢いの雨が降り出した。

さすがに、この雨ではクライミングは無理だっただろう。出発する前からギリギリの判断だったが、今回は幸運だった。いつも今回のようにハッピーエンドで終わるドラマチックな天気だとは限らないが、初めてサトちゃんと組んで計画した山行が無事に終わったことがとても嬉しかった♪
ムー