山域:尾瀬アヤメ平
日程:2019/2/2(土)-3(日)
メンバー:Muu(L)、ドリル
尾瀬アヤメ平までスノーシューハイクを楽しんできました♪
そのレポート&感想は以下のとおりです☆彡
スノーシューを買おうと思ったきっかけは、数年前の年末に巻機山登山です。その年末は、雪が少なかったのですが、登山日前夜にドカ雪が降り、準備していたワカンでラッセルしていました。腰まで埋まりながらラッセルしていると、バックカントリースノーボーダーが、追い付いてきて交代でラッセルすることになりました。彼は見るからに重そうなスノーボードを背負っていましたが、スノーシューを履き軽快にラッセルしていきます。私は日帰り装備で軽い上に彼の後を進んでいるのに、ワカンを履いた両脚は歩くごとに埋まって、追い付くことができず、ラッセルを交代することもできませんでした。
そんなきっかけで購入したスノーシューですが、東北の山などで想像通りの大活躍を見せたのでした。そんなスノーシューが特に威力を発揮するのは、急傾斜のない、なだらかなルートでフカフカの雪の場合です。そんなルートをつないで、達成感を得られる山頂や目的地はないかと、時間があれば国土地理院の地図を眺めています。
今回の尾瀬アヤメ平も地図との“にらめっこ”から発見した場所でした。スノーパーク尾瀬戸倉を出発し、林道を富士見峠方向に進みアヤメ平に達するもので「どれほどの豪雪が待っているのだろう!?」「厳冬期の尾瀬ヶ原は、どんな感じなんだろう!?」と、期待と不安でスキー場を出発します。
ヤマテンの天気予報によれば、今日の午後から回復し、明日の午後まで晴れるというので、出発時の悪天候(降雪と突風)は気にしていませんでした。沢沿いの林道を歩いていると、時折晴れ間ものぞきます。ただ、風は標高が上がることで、その勢いを増しているようです。幸いなのは突風と突風の間隔が数分と長く、前週の日光白根山(そのレポートは、こちらをクリックください。)のように常に爆風でないため、安心して対処できることでした(*^^*)
スキー場から歩き出して「いきなりラッセル!」というほど雪は無く、バックカントリースキーヤーのトレースもあり、富士見下山荘跡までは若干沈みますが順調に歩けました。それより先の林道は、道幅も細くなり急斜面を登るために蛇行するので、所々でショートカットして進みます。林道が斜面を大きく迂回するように離れる場所で真っすぐ沢沿いに10分ほど歩くと田代原へ着きます。あまりの開放感と回復しない天気に、「進むのは諦めてテントを張ってしまいたくなる」ような雪原が広がりますが、まだ時間も早いので行けるところまで進みます。
左側に見えるアヤメ平へと続く尾根に上がるのは1786mピークを過ぎた場所が良いです。私たちは手前から高度を上げすぎたせいで、いくつもの枝尾根と枝沢を乗り越えるのに苦労させられました。ただ、アヤメ平の往復で一番面白かったのも、この尾根へ上がるためのルートファインディングで、雪山だからこその自由なルート取りというプチ冒険を楽しめました。
尾根へと出てしまえばアヤメ平までは残り僅かな距離。ところが、天気は予報通りには回復せず、降雪も続き突風も変わりません。ドリさんと相談して、アヤメ平でのテント泊は風の影響が強そうなので(スノーブロックを作る案もありましたが、今度は時間が微妙だろうと)諦め、尾根の1800m付近で幕営し、明朝アタックすることとしました。なるべく風の影響を受けない樹林の中へテントを設営し、外の降雪と突風を気にすることなしに、キムチ鍋をたらふく食べて20時半には寝ました。
4時に起床し外に出ると雪も風も止んでいます。木々の間から見える狭い空を見上げると、星があふれんばかりに輝いています。「ヨシッ!」っと言って、準備を開始。撤収&準備がはかどったのは、雪や風が止んで思い通りに動けたからというだけではなく、好天を前に早く登りたいという2人の思いが行動を速くしたのでしょう♪
アヤメ平までは標高差150mほど、起きた時は真っ暗だった空も、藍色から青、青から黄色、オレンジと段々と太陽が出てくる位置が特定できるくらい明るくなってきます。
せっかくだからアヤメ平まで登って御来光の瞬間を見たいと2人で休まずに「バフッ、バフッ」っと足音を立てながら登り続け、予定通り雪庇のない場所を狙ってアヤメ平に到着しました。
初めて来ましたが、ここは山の上とは思えない、野球場のような広場でした。「太陽よ!もう少し時間をくれー!」っと思いながら、少しでも高い場所を求めて吹き溜まった雪の塊の上に乗ると、太陽がそれを待っていたかのように東の空から顔を出す。
北を見ると燧ケ岳、西には至仏山、南を見たら歩き始めたスキー場が・・・「!?」・・・2人して「あんなに近かったの(^_^;)?」と笑ってしまった。
快晴無風のアヤメ平、すぐに下山するのが惜しいので燧ケ岳をバックに記念撮影したり、尾瀬ヶ原がのぞき込める位置まで歩いたりと、素晴らしい天気を“味わった”。
(尾瀬ヶ原は、夏に見たほうが池塘もあり木道も走りと、アクセントが多くキレイなのかも・・・)
下山は、登ってきた尾根の1786mのピークを登山口側へ越え田代原まで下りて、あとは昨日よりも人が入って雪が安定した林道を、駆け下って昼前にスキー場に到着しましたが、スキー場は、まるで春山のような変な気候だと思いました。下山後の温泉(休憩室)で地元のおばあちゃんと少し話しましたが、「今年は雪が少なくて助かる。」と言っており、まだ2月が始まったばかりなのに今シーズンはどうなっていくのだろう???と思ってしまいました。
今回の山行で感じたことが2つあります。1つ目は、パウダースノーとは言っても気温が高かった(とはいえ、当然氷点下ですが・・・)からなのか先週の日光白根山のパウダースノーと違い、どちらかと言うと日光澤温泉(その記録はこちらをクリックください。)に近く重い雪で、そのおかげで激しく沈まずに歩けた気がします。2つ目は、「世界の果てまでイッテQ!」でお馴染みの貫田宗男さんのニックネーム「天国ジジイ」についてです。天国ジジイの由来は、マナスル登山のベースキャンプで「(暖かくて)天国」と言ってしまった事だと記憶しています。マナスルと尾瀬では気温は違うと思いますが、先週の寒さ(避難小屋の中にテントを張ってコンロを点けても寒い)を体験してから、今回のテントを経験したら暖かくて思わず2人で「天国ですね~♪」と声に出していました。その時、「天国ジジイの気持ちが少しわかった気がする!」と冷えたビールを美味しく飲みながら話したのでした。
登山では、毎回すべての事がうまくいくとは限りません。今回も天気が悪かったり、ルートファインディングに苦労したり、重い雪に脚が疲労させられたりと・・・こういった経験が次の機会に少しでも役立つんだろうと思います。また、地図とのにらめっこをしないと!
Muu(ムー)
今回は、ムーさんと二人で尾瀬のアヤメ平にスノーシューハイクに行ってきました。
スキー場の脇の林道を進み、先ずは富士見下山荘跡に向かいます。(バックカントリースキーヤーが滑っています。)
山荘跡からはスキーのトレースを頼りに田代原を目指します。
田代原から先はトレースが無くなり、地図を見ながら進みましたが、地図のイメージとは違う地形が出て来たりして苦戦しながら進みます。
当初はアヤメ平へは富士見峠を通る予定でしたが峠には向かわず、なだらかな斜面を選びながらアヤメ平へ直登するルートに変更しました。
途中からまたスキーのトレースが見つかったので利用させてもらいました。
計画ではアヤメ平で幕営でしたが、時間が足りず途中で幕営しました。
翌朝、日の出前に出発しアヤメ平で日の出を見ることが出来ました。
誰もいない綺麗な景色の日の出はとても印象に残りました。
下山も地図を見ながらスノーシューでも降りやすい斜面を選びながら降りることができました。
今回は、ルートファインディングの難しさ、トレースの有り難さが理解できた山行でした。
ドリル